1999年にリアップが発売されて25年の年月が経過しました。先日(令和6年:2024年12月11日)の読売新聞に、見開きで全面広告が載っていました。この広告に疑問を感じたので、今回はこのことについて記述します。
リアップが発売される直前には、「発毛効果が80%もあり、日本からハゲがいないくなる」と評判になっていました。ちょうど私が育毛相談を仕事として取り組み始めた時期にあたります。
私が取り組み始めた時期とリアップの発売時期が重なっていますから、育毛相談の現場で見て聞いた事実を基に効果面や副作用・後遺症に関して記述したく思います。誹謗中傷ではなく事実ですからね。
■育毛相談を始めた時はリアップ使用者ばかり
私が育毛相談を仕事として取組み始めたのは2000年頃です。リアップが発売された翌年になります。当時のご相談者の8~9割くらいがリアップ使用者でした。
メールマガジン読者の方からのご相談でした。ご相談者の総数は300名を超えていたので240名前後方がリアップを使用していたと言えます。
それらの方が訴えていたことは、頭皮の異常と抜け毛の増加に集約されていました。頭皮が赤くなりかぶれた・フケが出て痒くて仕方がない・生えていたのは生えてきたが産毛ばかりですぐに抜けてしまった等々です。
相談室にいらっしゃった方にも、リアップ使用者が多かったです。それらの方の頭皮を見ると、リアップを使用していた部分が、赤くなっている人もいて、他にかさぶたのようになっていて皮がめくれるようなフケが出ている人がいました。お湯を当てて流すだけで大量の抜け毛になっていました。
「広告で訴えていることと全く違うじゃないか、どうも何かがおかしい。」と感じたのです。
■リアップ使用者は漏れなく抜け毛急増
発売当初の成分処方と2020年代現在の成分処方に違いがあるようなので、現在のリアップ使用者には頭皮の異常を訴える人はいなくなりました。
ところが、2000年頃からと変わらないのが、リアップ使用者は漏れなく抜け毛が異常に急増するのです。リアップではありませんが、中には他のミノキシジル系の育毛剤を使った部位の髪の毛を無くしている人までいます。リアップにしろ他のミノキシジル系の育毛剤にしろ、作用が強過ぎて毛を育てる組織を疲弊させてしまうのではないか?と感じるのですね。
現に、薄毛になっている人の皮膚が弱かったり敏感だったりして、かつ頭皮は弱っていたり痛んでいたりしますから、強い作用での効果では疲弊してしまうでしょう。
何かがおかしい理由は、薄毛になりやすい人や薄毛になっている人の頭皮の状態を考慮に入れずに、効果が優先になっているからではないか?と感じるのです。
■リアップの臨床試験の結果に関する疑問
リアップ5(ミノキシジル5%製剤)の効果を示す臨床試験データ
この臨床試験データはかなり前から新聞広告に載っていました。これを見た時、「52週の長期投与」としていましたが、「52週だと、髪の毛がどうなっていくのかを観察する」には期間が短過ぎると思ったのです。
本当に髪の毛が増えるかどうかは、最低でも3年くらいの期間が必要です。理由は、効果が出るまでには4~6か月かかる上に髪の毛の成長期を考慮に入れないと判断が付きませんから。
6か月くらいで効果が出始めたとしても、発毛してきても頭皮の表面では分からいレベルです。そこから半年とすると6センチ程度し伸びないですから、発毛してきた毛は全体の6分の1~3分の1程度なので、見た目には少し変わったかな?程度の改善になります(毛の成長期を3年として考えた場合)。
リアップは成長期と休止期に作用すると広告では記述されているので、相当無理やりな作用で効果を出しているのかな?その為でしょうか、52週目になっていきなり悪化する人が2.2%出てきています。
104週(2年)・156週(3年)で、この悪化する2.2%がどうなるのか?の方が大事なのに52週で治験が終了しているのです。弊社でも3年くらいの年月をみて下さい。と助言しているのは、3年継続して効果が出ないと本当に髪の毛が増えるようにならないからです。
■髪の毛の成長期と休止期に作用し成長期を伸ばすことができるのか?
「リアップは成長期と休止期に作用すると広告では記述されているので、相当無理やりな作用で効果を出しているのかな?」と記述しました。
生えている髪の毛の成長期を伸ばすことができるのか?伸ばして休止期を遅らせることができるのか?が、育毛を考える時に一番困難な課題です。育毛相談WEB/サイトでは、過去には生えている毛の成長を伸ばせないかと色々チャレンジしましたが、それを行うと次の毛が育たなくなってしまうを嫌と言うほど見てきました。
その為、今生えている毛の成長期を伸ばすよりも、次の世代の毛の成長期が伸びるようなケア方法を採る方が、頭皮や心身への負担がなくなり効果が持続するので、改善率が高くなることが分かったのです。
リアップの作用や効果は、今生えている毛に作用するものなので、「次の世代の毛が育たなくなっているのかもしれない。」と感じたのです。リアップ使用者は漏れなく、大量の抜け毛になる理由がそこにあるのかもしれません。
■発毛させるとヘアサイクルが狂うのではないか?
それと気になったのは、広告では「発毛」と言う言葉を中心に訴えているのに、薄毛になる人は「毛の生え変わりのサイクルが乱れて、新しく生えた髪の毛が十分に成長しないまま抜けていく」と指摘していることです。
髪の毛は「発毛→成長→脱毛」と言うサイクルを繰り返しています。髪の毛は十分成長してから脱毛すると、次の世代の髪の毛が脱毛する時に毛穴内部に生まれて発毛してくるようになっています。広告での図解はそうなっています。
リアップの効果が次に生え変わってくる髪の毛が十分成長期が伸びるように作用するなら、ヘアサイクルが改善するので次の世代の発毛に繋がってきます。
が、そうではなく、上述ように弱っている頭皮・傷んでいる頭皮のまま、作用を与えて成長期から脱毛期を経て発毛までもっていこうするところに無理があるのではないか?その為、かえってヘアサイクルが乱れしまうのではないか?なんて推測してしまうわけです。
リアップで効果が出ている人もいると思いますが、そうでない人も結構な確率でいるのではないか?と感じます。もし、本当に効果のある人ばかりなら、今時日本からハゲはいなくなっていたでしょう。
私の友人にもリアップ使用者はいますし、ご相談者には今でも2割くらいいらっしゃいますし、セミナー等で出会う人も使ったことのある人が多いです。これらの人は、全て失敗してリアップの効果に疑問を持っています。