ここのところ、YouTubeの動画の中に、「頭皮に溜まった毒素」とか「頭皮に溜まった老廃物」なんてことを指摘している動画を見かけるようになりました。そして「それらを流してこんに髪の毛が増えました。」と写真付きで説明しているのです。
え?頭皮にそんなに毒素や老廃物が溜まるの?どうしたら溜まるようになるの?溜まっている状態をどうしたら分かるの?単にマッサージ効果で増えただけじゃないの?っと思ってしまいました。
■毛穴内部に皮脂は残留する
毛穴からは皮脂が分泌されていますから、毛穴内部には皮脂が溜まっているのが普通です。
昔から(25年以上前)、毛穴内部に皮脂や老廃物が残留してグリス状になり、毛穴が詰まり発毛を阻害しているとか、皮脂が角質と混ざり角栓となり毛穴が詰まって発毛を阻害している、と言う話はありました。
皮脂がグリス状になっているはウソでした。角栓で毛穴が詰まるのは顔の毛穴のことであって、頭皮の毛穴は顔の2倍から3倍大きいので、頭皮の毛穴には角栓が詰まりづらいのもよくわかることでした。
育毛サロンの中には、頭皮に溜まっている老廃物をスポイトのようなもので吸い取る施術をしているところもあります。が、それは単に毛穴内部の皮脂を取り除ているとしか思えないのですね。
それが、今回見たのは頭皮のほぼ全面に、薄くへばり付くように老廃物が溜まっている、と言うのですから尋常ではないです。
どうしたらそんな状態に頭皮がなるのか?が分からない上に、どうしたらそんな状態になっているのが分かるのかも理解できないですね。
頭皮を触ると、老廃物の層がある部位が柔らかく、そうでないところと差があるのだろうか?
長年多くの薄毛の人の頭皮を触ってきましたが、未だかつてそんな頭皮を触ったことがありません。
■界面活性剤やカラー剤は毛穴から浸透する
ただし、界面活性剤やカラー剤が毛穴内部に浸透するとか、角質層内に少し浸透するなら分からないではありません。
界面活性剤には浸透力があり脂と混ざりやすので、念入りに頭皮を洗っていると毛穴内部に浸透します。何から作られた界面活性剤なのかにより、その作用の強い弱いはありますが、どの界面活性剤でも浸透力はあります。
また、カラー剤は固い髪の毛の中に入るのですから、空いている穴である毛穴には簡単に入り込みます。毛を染める際には何分かの付け置き時間を取るはずです。この時に浸透するのです。
以上のことから、シャンプーの方法を考慮するとか、カラーをする際には浸透を防ぐことが出来れば良いのです。が、実際上は中々難しいものがあります。
「界面活性剤やカラー剤が毛穴に浸透して、毛を生育を阻害している」と言う話は、私のブログでの記述やYOUTUBEで話すことはありますが、他ではあまり聞いたことがありません。私が知らないだけかもしれませんが・・・。
■脂肪に老廃物が溜まるが・・・
脂肪に老廃物=体に必要で無くなったカス・尿酸・尿素・農薬・添加物等々)が溜まることは、多くの方はご存じでしょう。
これが頭皮の脂肪に溜まって、毛の生育を阻害するか?どうかです。
内臓脂肪の多い人は、体の代謝も悪いので老廃物が脂肪に溜まりやすいです。じゃ、薄毛の人の頭皮に脂肪が溜まっているのか?どうかですね。
薄毛になっている人は、頭皮が固い薄い=頭皮を触るとすぐに頭蓋骨であることがほとんどなので、脂肪が溜まっているとは思えません。頭皮がそこそこ動く人でも弾力があるような頭皮ではないので、脂肪が溜まっているとは言えません。
髪の毛が多い人の頭皮は、厚みがあり弾力がある頭皮なので脂肪が多いのでしょう。でもこれらの方は髪の毛が多いのですから、頭皮に脂肪が溜まり老廃物が残留しているとは言い難いです。
■血が粘ると毛細血管に付着する
血が粘っている(糖分や脂肪分)と、血管が傷つけられたり血管壁で脂肪分が沈着して、血行が悪くなりやすくなります。
食習慣が悪いと、こんな状態になりますが、あくまでも血管の話なので、頭皮に老廃物や毒素が溜まる話ではありません。
対策としては、緑の濃い野菜をたっぷりと摂り、炭水化物や脂肪分を減らし、運動して血の巡りを良くすることが必要です。頭皮の問題ではないのです。
■血流を良くすると言うこと?
頭皮に毒素や老廃物が残留していると言う話は、結局のところ血流・血行の良し悪しのことではないか?と思います。
毒素や老廃物を流すと髪の毛が増えると指摘しているので、頭皮のマッサージで血流・血行を良くしてあげれば髪の毛が増えると言っているのと同じではないか!と思うのですね。
毒素や老廃物がへばりつくように頭皮に皮のように残留していると言うのですから、とても不思議に感じています。
スポイトのようなもので吸い取るのも不思議に感じます。世の中不思議な話が多いです。