最近は男性の薄毛を治すのに薬の飲用が勧められることばかりと言っても良いくらいですね。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、顎(あご)や口周辺の髭(ひげ)と体の角化細胞を成長する方に働くのに、頭部だけその逆に角化細胞の成長を抑制する理由を聞いたことがないことを、なぜなのか?予測してみました。
■フィナステリドの作用機序をみる
飲む育毛薬であるフィナステリドの広告は、すごいとしか言いようがありません。ネット上の情報でも、これしかないような話ばかりで、多くの人が絶賛しいていますから、それに吊られて飲む人が多いのでしょう。
これだけフィナステリドに関する情報が氾濫していますから、作用機序に関しては私なんかよりも余程詳しいに違いありません。それを簡単に書き記したいと思います。
男性が薄毛になり髪の毛を無くすのは、テストステロンが毛根に存在している5αリアクターゼ2型の還元酵素の影響でジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、ジヒドロテストステロンが角化細胞の成長を抑制するからだ、と言われています。
ジヒドロテストステロンの働きの予測
たぶん、この為に男性の髪の毛が薄くなりハゲになっていくのだとは思いますが、これだけで話が済まないような気がしています。
ジヒドロテストステロンは頭部以外では、角化細胞が成長するのを促進する方に働きます。男性の睾丸でも5αリアクターゼ2型が存在していてジヒドロテストステロンが作られているのは、精子を製造しなくてはいけないからでは?と思います。
また、男性の体が成長する従い体毛が濃くなるのも、体の毛穴でもジヒドロテストステロンが作られて角化細胞を成長する方に働くからでしょう。
また、精神的にも肉体的にも、男性らしさを向上させるのにジヒドロテストステロンが働いているのではないか?と思います。
男性の体に必要と思われるジヒドロテストステロンが、体が成長するようになると、どうして頭部に限り角化細胞の成長を抑制する方にか働くのでしょうか?
■男性の薄毛になり方の不思議
頭部だけ角化細胞の成長を抑制する方に働くのなら、どうして均一に薄くなり髪の毛が無くなっていかないのでしょうか?生え際なんかだと、ワザワザM字に後退したりO字に後退したりします。つむじもつむじ中心部分から円を描くように毛のない部分が広がっていきます。
ほんの50年前(1970年頃)までは、年齢を重ね40才を過ぎるとと薄くなり60才代でハゲていきました。今は20才代で薄毛になり40才代50才代でハゲるようになる人がいます。低年齢化しているのですね。
昔から20才前後でハゲになる男性はいました(頭部全体の髪の毛が無くなる)。現在でもそんな男性はいますが、そんな男性に加えて低年齢化して薄毛になりハゲになっている男性が増えているのです(ちなみに、ここで言うハゲとは、失礼にあたりますが、池上彰さんのようなつむじハゲや所ジョージさんのような生え際の後退ハゲのことを言います)。
ジヒドロテストステロンが頭部に限り角化細胞の成長を抑制するようになるには、何か理由があるのではないか?と思います。一つの体の中で一つのホルモンが真逆に働くのですから、その部分に何か理由があるはずです。
- 通常は年齢を重ねて薄毛になりハゲになっていくこと
- 頭部は心臓よりも一番上にあること
- 頭皮が弱ってしまい薄毛になっていること
- それを無理して(育毛剤の作用等で)何とかしようとして毛が無くなっていくこと
これらに加えて、いろんな薄毛の人を観察してきた結果、たぶん頭部の血行が本来よりも悪くなっていることが、ジヒドロテストステロンが頭部に限り角化細胞の成長を抑制するようになる原因になっているのではないか?血行が悪くなっている状態が継続することで、角化細胞の成長を抑制する遺伝子のスイッチがオンになった為ではないか!と思っています。
以上に書いたことは、私は医学の研究者でないので、医学的な検証が出来ている訳ではないことはご了承下さい。
■なぜ血行が悪くなるか?
なぜ血行が悪くなるのか?
・「1」場合は、体が動かくなくなるから全身の血行が悪くなり、頭部へ血行が悪くなる。血圧をあげて対処しようと体はするが、薬を血圧を下げているので頭部への血の巡りがさらに悪化する。最近では体を動かさない人が多いので全身の血行が悪化している(低体温)。
・「2」の場合、頭部は体の中でも一番上にあるので、血行が悪くなりやすい。
・「3」の場合、現代社会では、これが一番の問題。ヘアケア製品の使い過ぎとやり過ぎ。シャンプー・トリートメント・スプレー・ムース・ワックス・カラー・縮毛矯正・パーマ・毛髪改善等
・「4」の場合、普段の生活やヘアケア・年齢によって血行が悪くなっているのに、無理に血行を良くしようと頭皮に作用を与えるから、一時的に効果に繋がってもさらに頭皮が弱ってしまい、さらに血行が悪化していく。
ご相談者のお話をお聞きし、実際に上記の「1~4」に該当する原因に対するケアを提供していて感じることです。ちゃんと原因を考慮し、ちゃんとケアに取り組めば、女性で9割以上、男性でも7割前後くらいには効果があります。
■育毛剤・頭皮のマッサージは一時的
育毛剤にしても、頭皮のマッサージにしても効果はあります。だが、その効果とは一時的に効果に繋がるだけでしかなく、2年も3年も4年も続くわけではないのです。
髪の毛は全て「生まれて成長して抜ける」と言う生え変わりのサイクル繰り返しながら薄くもなり濃くもなります。
この生え変わりのサイクルに沿って髪の毛は薄くもなり濃くもなっていくので、薄くなる時は気が付く頃には5年6年くらいの経過を経ていますし、濃くなる時も2年3年4年の時間がかかるものなのです。
これを無理して、育毛剤の効果や頭皮のマッサージで何とかしようとするところに問題があるのですね。頭皮への負担にしかならないということです。
生えている毛が反応しても、その作用で頭皮が弱っていくから生え変わってくる毛が育たなくなっていくのです。
■薄毛になる原因を理解しているか?
薄毛になるのを防いだり、少しでも髪の毛を濃くするなら、やはりご自身にとって原因となることをちゃんと知り、その原因に沿ったケアにちゃんと取り組まないと駄目なのですね。
ここをちゃんとできないから、血行悪化によるジヒドロテストステロンでの影響を遮る為に、最終的にフィナステリドやミノキシジルの効果に頼ることになると言えます。実際、そんな方ばかりがご相談下さいます。
フィナステリドの効果にしても、ちゃんと効果に繋がる人は3割で変わらない人が3割で飲んでもダメな人が3割と、医療関係者がおっしゃっていました。ちゃんと効果に繋がる人でも飲み続けないと駄目ってどうなん?って疑問に感じています。スキンケアを続けてお肌が綺麗になるのと意味が違いますからね。