【皮脂を取るから過酸化脂質化する】私が育毛を仕事として取り組み始めて15年以上の歳月が経過しました。当時から今までずっと言い続けていることがあります。それは、『皮脂を取るケアをしてはいけない。皮脂を取ることを続けているとハゲる。』ということ。
ところが、現実に皮脂の扱いの推移を振り返ってみると、何としても「皮脂を取らないと駄目」と言う理屈が正しいものだとしたい人たちが、あれやこれやと言葉を替えて訴えています。
そりゃ、最初に言い始めた発毛サロンは、それを否定すると自分の過失を認めることになってしまい、今までケアに失敗してきた人から損害賠償を求められることもあるでしょうから、何としてでも皮脂が薄毛の原因だとしたいわけです。、
【どんな変遷を辿っているか】私が育毛を仕事として始めた時は、『皮脂が毛穴に詰まっていて毛の発毛を邪魔している』が主な主張だったと思います。その後、『皮脂と角質が混ざって角栓物質になり、毛穴を塞いでいる』が中心になり、次に『皮脂と角質が毛穴を塞いでいる』に変化し、現在では『皮脂が酸化して』とか『過酸化脂質化して』になってきているように思えます。
200倍くらいのマイクロスコープで見ると、あたかも上記のことが正しいように思えてしまいますが、それは、あくまでのその時のあなたの頭皮の状態を見ているだけで、何故そうなってしまったのか?の視点が無くなっています。現状がそうだから、「きっちり洗って取り去りましょうよ!」と言われるわけです。
その理由づけとして、「抜け毛の原因になっている」とか「発毛の邪魔をしている」とか「毛が生育しなくなっている」と訴えているのです。ここには、何故そんな頭皮・毛穴になっているのか?と言う視点がありません。綺麗に洗ってきたことで、そんな頭皮・毛穴にしてきているのに、「さらに綺麗に洗え!」と言われるのです。
要は、本当の薄毛の原因は、綺麗に皮脂を取り除くように洗ってきた習慣にあるのに、その薄毛の原因をさらに推し進めるような話になっているのですね。
【酸化皮脂と過酸化脂質】その上、もっとひどいのは「皮脂が酸化しているからとか過酸化脂質化していることが抜け毛の原因なので取らないといけない」と言う理屈です。これこそ、人の皮膚の構造を知らない人の理屈だと思った方が良いです。
人の皮膚表面には、皮脂が分泌されて皮膚常在菌が存在しています。皮膚常在菌は皮脂を餌として生きていて、その産生物質(排泄物)と汗とが混ざり合って皮膚表面を弱酸性に保って乾燥や細菌の侵入から身を守っているのです。
人と皮膚常在菌とは共生関係にあるのですね。
皮脂も皮膚常在菌も必要なものなのです。が、その共生関係を乱すものがあります。
それが、皮脂を取る行為(シャンプーとシャンプー法)です。シャンプーの基材は界面活性剤で、水と油を混ぜる作用があって、その作用で脂汚れを洗い流すのです。この作用が強いほどきっちり綺麗に洗うことができますが、それだけ直接皮膚を削る作用も強いことになります。
綺麗にすればするほど、皮膚の皮脂は取り去られて角質層を痛めて荒れさせることになります。それだと人は生きていけないので、皮脂の分泌を増やして皮膚を守ろうとします。すると、痛めて荒れた皮膚に皮脂の分泌量が増えるので、皮膚常在菌の繁殖が増えてしまい産生物質が増えて酸化が強くなってしまうのです。
こうして、皮膚表面は荒れて赤くなったり痒みが生じたりするのですね。
要は、綺麗にすればするほど酸化しやすい皮脂が増えるので、頭皮の痛みや弱りが激しくなっていくのです。
行きつく先は脂漏性湿疹・皮膚炎です。
ですから、現在脂漏性湿疹・皮膚炎でお悩みの方の場合の大半は、人災によるものと言い換えることもできますね。
だから、皮脂を取る行為をしてはいけないのです。
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