え ~ が ~ 天 獄

嗚呼、天国か地獄か、それなりに行き詰まりのパラダイス。
映画を中心に、あくまで個人的好き嫌いで感想紹介。

シェーン

2016年05月15日 | クラッシック
1953年 アメリカ 118分 西部劇
監督・製作/ジョージ・スティーヴンス
出演/アラン・ラッド、ヴァン・ヘフリン、ジーン・アーサー
    ブランドン・デ・ワイルド、ウォルター・ジャック・パランス

(100点) 観てなくても知ってる名作中の名作西部劇。カッチョイー♪

何処からともなくやって来たシェーン。
西部のとある牧場で御厄介。そこのガキンチョに妙になつかれる。
その牧場の一家はその辺を仕切ってるジャイアン的な親分の嫌がらせで追い出されそうになっていた。
恩義から味方しシェーンはその抗争に立ちいていき、敵をやっつけて何処かへ去ってくのだ。
聞いたことのある音楽にのってガキンチョの「シェーン、カンバーク」が荒野に響く。


観てなくて誰もが知ってる西部劇の名作「シェーン」。
私も観たことがなかったが会員になってる名演小劇場でデジタルリマスター版が公開していて観るつもりだったが、見逃してしまう。でも観たくて会員割引で千円で観れたのに岐阜での限定上映に1500円プラス交通費1000円だしてわざわざ観に行った。
でもその価値は十分ある名作だった。
とは言えドハマリはしなかったが時間があっという間に過ぎるくらいは面白かった。
もー超シンプル。西部劇の王道。
あの有名すぎるラストシーンが思ったよりも暗い夜明けでビックリ。
薄暗くてよく見えねーよ。
子供の母親とのロマンスもある映画かと思いきや旦那も健在だったのね。
子供目線のヒーロー像としてのシェーンはカッコ良すぎ。必見。


(2016年5月岐阜シネックス1500円交通費1000円にて鑑賞)

笛吹川

2016年05月15日 | クラッシック
1960年 日本(松竹) 123分 白黒/一部着色 時代劇/反戦
監督・脚本/木下恵介
出演/田村高広、高峰秀子、市川染五郎、岩下志麻、川津祐介
   中村万之助、渡辺文雄、中村勘三郎、加藤嘉、松本幸四郎

1960(昭和35)年キネマ旬報ベストテン4位/第11回ブルーリボン賞ベストテン9位・男優助演賞(織田政雄)/NHKベストテン5位/シナリオ賞
(80点)戦国時代の合戦絵巻の裏側で武田信玄側の滅亡に翻弄される百姓の三代記

戦国時代、武田家が納める土地に笛吹川があり、その川辺に暮らす貧乏百姓がいた。
武田信玄と同じ日に生まれたその百姓の子供は実直な父親の言うことを聞き戦には参加せず百姓として暮らす。
高峰秀子と結婚したりするが、叔父。母親までが武田家に仕えたりし、やがて滅亡していく武田家とともに息子たちも戦地へ向かい、一家も滅亡していく。
名匠木下恵介が戦国時代を庶民の目から描いた反戦映画。


木下恵介監督を描いた「はじまりのみち」が面白く、そこでも紹介されていた本作がたまたま岐阜ロイヤル劇場で上映されていたので「シェーン」と一緒に観に行く。
二時間の映画だが四時間半の映画を観たような感じ。
評判の悪い着色映像は退屈になりがちな物語りを映像的なアクセントで持たしてくれていると私は解釈。
後半、息子たちか軍国主義の若者のように犬死へと向かうあたりで、この映画の凄みを感じれた。


(2016年5月岐阜ロイヤル劇場500円、交通費1000円にて鑑賞)

はじまりのみち

2016年05月15日 | ドラマ
2013年 日本(松竹) 96分 ドラマ/伝記
監督・脚本/原恵一
出演/加瀬亮、田中裕子、ユースケ・サンタマリア、濱田岳
   斉木しげる、光石研、濱田マリ、山下リオ、藤村聖子
   松岡茉優、相楽樹、大杉漣、宮崎あおい

(90点)名監督木下恵介の逸話を「クレヨンしんちゃん」の原監督が初の実写で描く。

戦時中、軍部に睨まれ映画が撮れなくなった若き木下恵介は勢いで松竹を退社する。
戦争の悪化で病気の母親を疎開させるためリヤカーで山を越える二日間の旅を通して、親子の絆、家族の絆、人との関わりを体験し、また映画の世界へと戻って行く心の成長を描く。


良い映画とそうでない映画の違いって何だろう。
オープニング、加瀬亮が出てきた瞬間、もう面白く、その後ずっと良かった。
たいした話ではない。でもイイ。
田中裕子の顔の汚れを取るシーンでグッと来るんだ。
宿屋の娘さんのキャッキャッとはしゃぐ声がまぶしい。
評判の良い映画ではあったが、原恵一監督の名作と誉れ高きヒット・アニメ「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」が全然面白いと思わなかった私はこの実写初監督作を見逃していた。
50円レンタルなので何でもいいと思って借りたが、いや、良い映画だった。
むやみに木下監督の映画紹介シーンが長いが、それも良い。
木下恵介監督作は数本観てるがまだハマってない。ちょっと観たくなった。
原恵一監督も実写作品は観て観たい。
最新作の劇場アニメ「百日紅」は個人的には全然面白くなかったんだけど…。


(2016年5月USV50円にてレンタル鑑賞)

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 2D字幕版

2016年05月08日 | SF
2016年 アメリカ(ワーナー) 152分 アクション/SF/ヒーロー
監督/ザック・スナイダー
出演/ヘンリー・カヴィル、ベン・アフレック、ガル・ガドット
    エイミー・アダムス、ジェシー・アイゼンバーグ、ホリー・ハンター

(60点) 思ったよりは酷くはなかった。

前作で地球を守るため結果、街を壊滅させたスーパーマン。
救世主と崇める人もいれば、ビル崩壊で家族を失ったり怪我して人生を台無しにされ恨むものも多数。
バットマンもスーパーマンを敵視。
そんな中、悪人中の悪人、大金持ちのレックス・ルーサーは死の商売を充実させるべく、いろいろ暗躍。
バットマンもそんなルーサーを監視していたが、やっぱなんか許せんスーパーマン!
そしてなんだかんだと直接対決。
そこに100年前からウロチョロしてる超美人ワンダーウーマンがチョロチョロ。
そしてルーサーは邪魔になるヒーロー退治にクリプトン星の怪獣を復活させるのだった。


予告を観て「こんな辛気臭いスーパーマン誰が見たいの!?俺は観ない。」そう思ったのだが、第二弾の予告に出ていたワンダーウーマンにやられた。「誰この美人、何この美人、うおーたまらん!!」映画自体はつまらなさそうだったが、この美人は観なければと思った。
映画の評判は悪い、しかも長い。ならなおさら劇場で観なくてはDVDでは最後まで観てられないと思った。
ヒーローアクション娯楽超大作のくせして魅力に乏しい映画だったが、もっと酷いと思っていたので意外と耐えられた。
ただ、待ちに待ってたワンダーウーマンの出番が思った以上に短かった。
見せ場もほぼない。必然性も感じない。今後のシリーズのための顔見世程度。
あんなに美人なのに、あんな露出度の高いコスチュームでえろい脚して、あー勿体ない!!
スーパーマンがもっと迫害されてると思ったが、割とそーでもなかったので良かったが、バットマンが馬鹿すぎ。スーパーマンよりも明らかにレックス・ルーサーが悪党と分かってるのに、ルーサーを後回しにしてスーパーマン退治って、スーパーマンもルーサー如きに振り回されてるし、そのルーサーもただのボンボンにしか見えず悪の凄みが全然ない。
主要人物だと思ってた女性判事がなんの意味もなさなかったりして、嗚呼やっぱりワンダーウーマンの身体以外観るべきところはなかった。5分くらいしか出てないけどワンダーウーマンが見れたので我慢我慢。


(2016年5月109シネマレイトショー1300円にて鑑賞)

放浪の画家ピロスマニ

2016年05月06日 | ドラマ
1969年 グルジア 87分 ドラマ/伝記/アート
監督/ゲオルギー・シェンゲラーヤ
脚本/エルロム・アフヴレジアニ、ゲオルギー・シェンゲラーヤ
撮影/コンスタンチン・アプリャチン
出演/アフタンジル・ワラジ、アッラ・ミンチン、ニノ・セトゥリーゼ

(95点) 絵画のような画面構成で描くある貧乏画家の半生

グルジアがソビエトだった頃の芸術映画。
同じ家で姉弟のように育った姉を好きになったがフラれて家を出たピロスマニ。
友人と食料品店を始めるが商売に向いてなく廃業、友人とも疎遠に。
途中、縁談も持ち上がるが、ただ食料品目当てに利用されていると悟り破断。
以来、居酒屋などに絵を描いて細々と食っていく放浪生活に。
しかしその大量に描かれた絵を旅の画家が見て感動。
中央画壇に紹介されるが、新聞では素人画家と酷評され、持ち上げられ落とされ、さらに孤独になっていく。
そんな不遇の画家の半生を淡々と美しい画面構成で描いた逸品。


自分の小遣いで映画を観始めるようになった中学生の頃に予告編を観て、なんてつまんなさそうな映画だろうと思い、何故かずっと心に残っていた。
日本初公開時にはキネ旬で外国映画部門4位に選ばれたそうだが、とくにその後この映画のタイトルを聞くことはなかったのだが、なんのタイミングなのか今頃デジタルリマスターでリバイバル。
テジタルでも修正困難だったらしくリマスター版とは思えないくらい変色で映像がチカチカしているが画面構成の美しさには感動を覚える。
ただ87分と言う短さなのに長く感じる映画でもあった。
「100万本のバラの花束」のモデルになった貧乏画家の話らしいが映画ではそのシャンソンは流れることなくそのエピソードも描かれていない。
公開3週目で夕方から一日一回の上映になっていたが客は4~5人にしか入ってなかった。
ピロスマニが知る人ぞ知る、ほとんどの人が知らない画家であるように、この映画もほとんどの人が知らない名画ではある。
でも知ったら意外となんか忘れられない一本になるのかも。


(2016年5月名演小劇場3階にて会員1,000円にて鑑賞)
  同日鑑賞「スポットライト」「スーパーマンVSバットマン」

ズートピア 2D吹き替え版

2016年05月05日 | アニメ
2016年 アメリカ 108分 ファンタジー/ミステリー
監督/バイロン・ハワード 、リッチ・ムーア、ジャレド・ブッシュ
製作総指揮/ジョン・ラセター
声の出演(日本語吹替版)
   上戸彩、森川智之、三宅健太、高橋茂雄(サバンナ)、玄田哲章、竹内順子

(90点)今年度ベストワン級の傑作。でも子供向けか? 80年代の刑事コンビアクション

草食動物も肉食動物も一緒に暮らす世界で、ウサギ初の刑事となったヒロインが都会でキツネの詐欺師とともに巨大な事件に巻き込まれつつ成長していくデズニーアニメ最新作。

予告編で延々と流れているだけのドリームあみの歌う主題歌に聴き惚れて観る気になったデズニーアニメだった。
なんか、そう言えばこんなにデズニーっぽい絵柄のCGアニメって意外となかったかも。
でも中身がまさかのエディーマーフィーの出世作『48時間』を思い起こさせる凸凹コンビによる刑事アクションものだったとは。
主人公がウサギの女の子と言う必然性が感じられなかったり、前半出てきた隣人とかが絡んでこなかったりしたのがやや物足りなかったが、いや、これはこれで動物でなければ、デズニーでなければ作れなかった傑作だとは思う。
子供向けとは思えない。
いろいろな映画へのオマージュもたっぷりな娯楽刑事モノの快作。
必見!!
そー言えば珍しく同時上映の短編アニメがなかった。なくていいけど。


(2016年5月中川コロナにてレイトショー鑑賞)

ぼんとリンちゃん

2016年05月05日 | 青春
2014年 日本 91分 青春/アヴァンギャルド
監督・脚本/小林啓一
出演/佐倉絵麻、高杉真宙、桃月庵白酒、比嘉梨乃

(72点) ひょっとしたら傑作? オタク腐女子の瞬間青春ドラマ

理論武装した厄介な腐女子な女子大生リンは、オタク仲間のアニオタ浪人生ぼんとともに共通の女友達肉便器ちゃんことみゆがDVにあって風俗に沈められてる危険性を感じ東京に救出に向かうのであった。
協力者としてネットゲームで知り合った中年オタクべびを使い彼氏の家に踏み込むが、そこには既に肉便器の姿はなく、どうやら好んでデリヘルしているとの情報を得てショックを受けつつ、客のフリして呼び出しラブホで対峙するのであった。


おすぎだったか、斎藤工だったか忘れたが公開当時評価していて気になっていたマイナー青春映画。
ラジオ番組「伊集院光の週末TSUTAYAでこれ借りよ」で山本信也監督が推薦していてさらに気になり借りて観ることに。
映画論客たちの評価がなければ観続けるのは困難だったが、現代オタク青年らの姿をある意味描いた芸術映画なのかもしれない。
立場上、中年オヤジに感情移入してしまうので劇中非難されまくりの彼を観ているのは痛々しかった。
でも、こんな映画もあるべき。


(2016年5月準新作半額130円にてレンタル鑑賞)