３　達二はみんなと一緒に、たそがれの県道を歩いていたのです。　橙色の月が、...

　　　　　２　達二は、仰向けになって空を見ました。空がまっ白に光って、ぐるぐる廻り、そ...

　　　　『種山ヶ原』　　　　１　種山ヶ原というのは北上山地のまん中の高原で、青黒いつるつるの蛇紋岩や、硬い橄欖岩（かんらんがん）からできています。　高原のへりから、四方に出たいくつ...

　　　　　　２　それから十日ばかりたちました。おみなえしはびっくりしたように叫びました...

　　　　　『気のいい火山弾』　　　　　　　　　　　　１　ある死火山のすそ野のかしわの木...

　　　『若い木霊』「ふん。こいつらがざわざわざわざわ云いっていたのは、ほんの昨日のよう...

　　　　　５　それから六日目の晩でした。金星音楽団の人たちは町の公会堂のホールの裏にあ...

　　　　４　次の晩もゴーシュは夜中すぎまでセロを弾いてつかれて水を一杯のんでいますと、...

　　　　３　次の晩もゴーシュがまた黒いセロの包みをかついで帰ってきました。そして水をごくごくのむとそっくりゆうべのとおりぐんぐんセロを弾きはじめました。十二時は間もなく過ぎ一時もす...

　　　　２　夜中もとうにすぎてしまいはもうじぶんが弾いているのかもわからないようになっ...