不思議活性

ぼくと放浪の四次元 9

 

    9

・人の魂が分霊をして、多くの個人として生まれ変わる場合もあるのか?

 勿論である。私たちが何回も繰り返して再生するのは、この宇宙の真理を完全に悟って、肉体とか幽体、さらには霊体までも完全に脱ぎ捨てて、個性をもったまま、宇宙大霊とひとつに合体するのが目的なのである。であるから、死んだのちにまた合体して、より賢明な存在になるために、人間の魂は、分霊現象を起こして多くの個人としての経験を積む必要があるのではないかと思われる。
 この地球上に住んでいる人々は、皆違った顔を持ち、ひとりとして同じ姿形をした人々はないようであるが、実はそうではないのである。国内の俳優と全く同じ容貌と、似た性格をもった外国俳優はいくらでもいるのである。
 また、ひとりの偉大な指導者が現われた時、彼の分霊体たちは、自分も知らないうちに霊波の波長が同じであるがゆえに、その指導者に自分の生命力を供給してあげることにより、本人自身を供給してあげることになり、本人自身は落伍した生活を送らなければならないという事実を、筆者は直接経験したのである。このような場合、そのような指導者が死ぬことになれば、その瞬間から、彼に自分も知らないうちに生命力を供給していた人たちは、急に生気を取り戻すようになるのである。
 ある分野にて大きな仕事をしている人々は、自己の分霊体が人間として生まれた分身から、自分も知らないうちに多くの助けを受けているという事実を悟らなければならないのであり、彼らに対して感謝する心をもたなければならないと思うのである。
 魂はその肉体が死んだあとに幽界入りして、そこで前世でのあらゆる行為に対して審判を受けたのち、時がたてば新しく分霊をして、多くの個人としていろいろな国に再生することができる。このような心霊学な理論は、いままで誰もいったことのない、筆者が発見した真理であり、従って今のところは、ひとつの仮説に過ぎないということを明らかにしておきたい。

・なぜ、死んだ人の魂が生きている人に取り憑くのだろうか?

 肉体から離脱した死んだ人間の魂は、生きていたあいだに自分を保護してくれた保護霊たちの案内を受けて、幽界入りをしなければならないわけである。幽界入りした霊魂だけが、また人間として再生することができるのである。また、幽界より高次元の世界である、霊界とか神界に昇ることができるように、霊魂が修練するところが、すなわち幽界である。
 幽界で修練をするあいだに、幽体は完全に発達するようになり自分自身の力でこの宇宙の生命力を吸収することができる、完成された幽体人間としての変貌がなされるのである。このようして、幽体人間として完成された存在は、ことさらに他の人間の肉体に取りつく必要もなく、ひとりの力で生きていくことができるけれども、肉体の中から脱出したばかりの、いわゆる死んだ人間の魂は、肉体の助けなしには、自分自身が必要とする生命力であるエネルギーの供給を得ることができない未完成体であるところの幽体人間であり、また自分自身も知らないうちに肉体のなかに閉じこめられやすい(憑依しやすい)存在なのである。
 死んだ肉体から離脱した亡霊が、生きている人間の肉体の中に寄生する憑依現象は、だいたいにおいて、次のような場合に分類が可能なのである。
 第一は、死んだ人に対する残された家族の強い愛着心が、肉体の中に吸収されやすい未完成体である幽体を、肉体の中に引き込む原因になるのである。赤ん坊とか配偶者の魂が憑依する例である。
 第二は、ウラミをもった亡霊による憑依現象をあげることができる。
 第三は、取りついた先祖、または配偶者の亡霊が、自分自身が取りついた人の保護霊となったと錯覚をする場合をあげることができる。
 自分自身が犠牲者の保護霊になったと錯覚している場合は、本質的には善意をもっている存在であるがゆえに、たやすく除霊することが出来る。しかし、死んだ人にたいする愛着心と、死んだ人の生きている家族に対する愛着心の波長が合って憑依した場合は、両方同時に宇宙の法則を納得させて、天理に従う心をおこせない限り、除霊は非常に難しいのである。
                      ぼくと放浪の四次元
・続きは次回に・・・・。


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