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・生霊の憑依現象について。
生まれつき念力の非常に強い人がだれかを呪うと、その人とそっくりの姿形をもった生霊が発生して呪われた対象に取りつくのである。ときどき、人によっては自分自身を呪うことがあるわけであるが、このような場合、発生した生霊は自分の創造主の体の中に寄生して、事あるごとに失敗をまねく原因をつくるのである。一番難しいのが、このように本人が自分も知らないうちに創造した生霊を消滅させることである。
人間は誰でも良心をもっているので、自分のあやまちに対して処罰を受けなければ、自分自身で生霊を発生させて自己処罰をおこなうのである。当人が生霊を発生させた時は、本人が心を改めて自分自身に対して寛大な態度を取り、生霊を完全に無視することによって、生霊の力を弱め、あげくの果てに吸収するより他の方法はないのである。生霊の存在を認め、心のなかで対話をかわすと、生霊は本人の生命力を吸いとってますます強大になり、結局は本人自身が、自分の発生させた生霊の奴隷になってしまうのである。生霊は、自分の創造主を苦しめ、失敗におとし入れるのが目的であるから、その任務を忠実につとめるだけなのである。
人間は、だれでもあやまちを犯す可能性があるのである。本当に恐ろしいのは、人間が自分自身を呪うことである。動機がどこにあるにしろ、自分自身を呪って自分とそっくりの生霊を発生させた人は、あらゆることに対して必ず失敗するようになるのである。
そこで、筆者はあえていう。
人は誰でも、他人に対して寛大であると同時に自分自身にたいしても寛大であれと。自分のあやまちを悟ったならば改めればよいのであり、自己を呪うことは自らの墓穴を掘るのと同じである、ということを銘記すべきである。
人は自分自身を呪うことによってたやすく生霊を発生させることができるのであり、そのために、自分だけでなく周囲の人々までも不幸におとし入れてはいけないと思うのである。
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『放浪の四次元』(昭和56年・1981年)発行ですが、二十一世紀を迎える20年前頃には、多くの識者が平和な世紀を迎えるには宇宙意識に目覚めなければならないと・・・・。安氏はまた、われわれ地球人たちという共同運命体意識をもった世界連邦の成立を願っていたのですが・・・・。この2023年になっても、ロシアのウクライナ侵略、世界各地での紛争が続いています。
紛争が起こる原因として、宗教上の争い、土地や資源の奪い合い、文化や民族性の差異など複雑ですが、いったいいつになったら平和な地球になるのでしょう。
・続きは次回に・・・・。