koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

平壌公演

2007年12月11日 21時44分04秒 | 音楽

アメリカの名門オーケストラ,ニューヨークフィルハーモニックの平壌公演が決定した。来年2月,中国公演の後平壌で2回のコンサートを持つらしい。


ニューヨークフィルの海外公演というと,私は冷戦下の1959(昭和34)年のモスクワ公演を思い出す(尤も,私は生まれておらず,文献で知ったことだが)。
指揮は,前年に常任指揮者に就任したばかりの故レナード・バーンスタイン(米:1918-1990)。
確かモスクワ音楽院大ホールで行われたコンサートだったと記憶しているが,曲目はご当地の国宝級の作曲家,ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲第5番がメインで,何と作曲者を目の前にしての演奏だった。
この時の画像を見た記憶がある。
自作の演奏に感激した作曲者が,演奏終了後指揮台上に駆け上り,バーンスタインの手をとって固い握手をしている映像だった。
「雪融け」とでも題するに相応しい画像だった・・・。


さて,平壌公演では一体何を演奏するのだろう。
記者団も同行させるので,250人を越える大所帯となるようだが,オケだけでも100数十は居るだろう。
そうなると,編成の大きな近現代ものということになるのではなかろうか・・・。
旧共産圏,ということに敬意を払って,チャイコフスキーや上述ショスタコーヴィチというのも考えられるし,ラフマニノフ(第1か第2)やプロコフィエフの交響曲(第3とか第5)も有るかもしれない。
多分指揮者は,現在の常任であるロリン・マゼール(米:1930-)であろうから,そうした曲目に対しては,十二分に対応できよう。
ちょっと捻ったところでは,戦争終結を皮肉ったように軽妙な曲想が顕著な上記ショスタコーヴィチの交響曲第9番なんてのも気が利いているように思われる。
当局が期待して予想した"第9"に拘った大編成+大合唱付きの大規模交響曲,というのを覆した曲想は,当局をおちょくったような感があって,なかなか面白いかもしれない。
尤も,アメリカの作曲家の作品を演奏予定,などという情報も入ってきているので,至極真っ当にして平和希求への皮肉もこめて,コープランド(1900-1991)の「アパラチアの春」なんてのも有りかもしれない・・・、。
ただ,当然将軍様ご臨席だろうから,あまり皮肉ると後が面倒かもしれない・・・。


文化交流を目的としたこうした試みは大いに快哉を叫びたいところである。
政治に芸術を絡めるのはナンセンスだが,人種や国境を越える国際言語としての音楽の果たす役割は極めて大きいと思う。
願わくは,この公演が無事に成功し,且つ盛況であるように,と念じたい。
以前の旧共産圏楽旅は政府の肝いりで多額の補助が出たそうだが,今回は自費のようである。
壮挙に拍手を送りたい・・・。


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