1年9か月ほど前に仕込んでおいた「なめこ貯金」→LINK がすごいことになっていた。
写真は父が山小屋から一つもってきたもの。
これがまだたくさんあるのだから…。
銀行や郵貯に預けてもこんなにはならない。なめこ貯金の「利回り」はあなどれない。
この量を消費するために、なめこ料理のレシピを探さねば。
この週末、父と二人でなめこ菌の種付けをした。
桜の木にドリルで穴をあけ、ダボのような種ゴマを金づちで打ち込んでいくという作業。
平日に父が一人でやりはじめていたが、この日は大人一人では持ち上げられない大きさの太い丸太を処理したいというのでつきあった。
この桜は、高速道路工事にともなって切らざるを得なくなったもので、その情報を聞きつけた我が家がいただいてきたものである。幹の部分は板に挽いてもらうべく、現在は知り合いの製材所に置いてある。枝の部分をなめこの栽培用にした。
枝といってもひとかかえほどの太さがあったりするものがあり、たしかに一人ではどうしようもない重さで、運ぶのに大汗をかくくらいだった。
なめこは2年後くらいに収穫できるという。昨年しこんだ「しいたけ貯金」(LINK)とあわせ、「なめこ貯金」の満期がたのしみである。
たくさんのリアルドコモ茸一家(LINK)があらわれるかもしれない。
日本は資源のない国と言われる。
ところが、豊富にある資源もある。
一つは水、そのほかに、海洋資源、そして木材資源(山林)。
水と海洋資源はともかく、木材資源は有効に活用できていない。売値が低くビジネスとしてペイしない状況だからだ。結果、林業は衰退し、資源として存在することが国民にあまり意識されない。
最近、その「そこにあるけど役に立っていない」資源が役に立つシーンが来るかもしれないと思い始めた。
ここのところ、欧州におけるギリシャ、アイルランド等の危機的状況などから、同様に大きな債務を持つ(国債を大量に発行)我が国の危機についての議論が目立つようになってきた。
日本国債の暴落、そして超円安、ハイパーインフレ・・・資源を輸入せざるをえない国、日本は大丈夫か、なんて話。
もしそうなったら大変な事態といっていい。原油価格が高騰、それにともなって国内加工品を含めあらゆるものが値上がりする。生活が困窮することは必至だ。
しかし、そこで山林(木材資源)のことを思い出す。
この資源はそもそも輸入しなくても自給できるもの。現在、自給率が低く輸入品が市場を席巻しているのは、円高で外材が安く手に入るからにほかならない。超円安になったら、状況は180度転換するではないか。どん底の林業の風向きが変わる。
外材が円ベースで高騰すればするほど、国内材の価格競争力は高まり、ペイするレベルになる。とすれば、誰からも見向きもされていない山林が突如宝の山に変貌するわけだ。インフレに対するヘッジになる。
一部の中国人が山林を買っていると聞く( 「まゆつば」との評もあるが)。水資源の確保ではないかなどという憶測や、国土を買いあさることに対する陰謀説もあるようだが、もし本当に購入しているのであれば、中国人は遠くない将来の超円安を見込んでいるのではないかと思う。
経済成長が続く中国にとって、超円安となったとたん、日本材は俄然魅力的な「外材」になる。安い今のうちに仕込んでおけば将来大儲けできるという訳。中国人による山林購入を国家的陰謀などとするより、投資行為ととらえるほうがありえそうで逆に怖い。
日本の国債は大半を日本国民が持ち、外国人の保有比率は小さい。そのことをもってして日本が破綻することはないという楽観的な論説を聞きもする。しかし、その自国民保有率の高さ故に流動性がいびつで、海外勢がちょっと買い込んで保有比率を高めたあとで一気に売りに転じれば暴落の端緒にすることができるのではないか。そして、超円安をひきおこす。中国人は、距離が近くて輸送費が安い日本材を安価で手に入れ、円安といえど資源としての山林は値上がりして資産価値は落ちず、大儲けしましたとさ、なんてストーリー。まったくのヨタ話とまでは言えないような気がする。
中国人の話はさておいて、国債の暴落→超円安からのインフレという懸念が本当にあるのならば、山林という資源を社会的にもっと認識しておくべきではないかという問題提起をしておこう。最悪の事態の中の一筋の光明になるかもしれない。
予期せぬ事態で役に立つのは、普段は重要に扱われていないものだったりするのはよくあることなのだ。
さて、いつもながらの忠告はしておきたい。私はすでにほんのわずかながら山林を保持している人間である。ポジティブシンキングの技術もある(関連エントリ→LINK1 LINK2)。
言説に含まれるバイアスの存在(関連エントリ→LINK)は読み手として十分に注意を払ってもらいたい。
この前、山小屋に行って撮ってきた写真。
並んだ雑木の丸太にはしいたけ菌を植え付けてある。
私は密かに「しいたけ貯金(菌)」と名付けた。
この雑木は昨年、隣街の小学校からもらってきたもの。
小学校では校庭の植裁を変更したとき、一部の木を切り倒した後、処分に困っていたようだ。長いこと放置されているのを見た貧乏性一家(つまり我が家)が、きれいに片づけすることと見合いで引きとりますと申し入れたところ、「ぜひお願いします」と大歓迎されて持ってきた。
チェンソーを持ち込んで家族で作業し、親戚から借りた2tトラックで4往復して運んだ。途中からPTA会長がユンボで手伝ってくれたが積み卸しはかなりの重労働だった。汗の結晶ともいえる。
一部は薪ストーブ用の薪にし、一部をこうしてしいたけ栽培用にした。
小学校から運ぶ作業は私も手伝ったが、しいたけ用に切り、菌を植え付けたのは父と母の手による。
時間があるからこそできることかもしれないが、我が両親ながらそのパワーはほめるしかない。
お金をかけずに手に入れて、汗をかいて手を入れたというのは、過去に紹介した「わらしべ長者風呂」と似ている。
同じように何らかの付加価値を生み出してくれることを願う。
薪棚
過去のキノコ関連エントリ
リアルドコモ茸一家
収穫
父の普請道楽の第3作、東屋が完成した。
柱は曲がった地松、天然石を礎石としていることは以前紹介した。
今回は屋根に注目。
物好きにも檜皮葺きというヤツである。現代においては道楽の極みといっていいかもしれない。
これなら、自己満足な名前(関連エントリ→LINK)をつけてもいいんじゃないだろうか。
東屋の天井↓
中から外を見る↓
この後は、腰掛椅子、ピザ焼き釜、BBQベースの作成が控えている。
これまでの東屋関連エントリ↓
東屋計画――普請道楽は終わらない
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/2f377cce12a2aac904c889b5c1befb57
東屋計画進行中
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/8572a408b3b4cf85eb0312e4d0a83d4b
東屋の上棟
http://blog.goo.ne.jp/garaika/e/be5c2e2d5c048cd0f44cde9663c8c4ce
山小屋近辺はまさに緑の季節になっていた。
コナラ、モミジ、ウメ、イチョウ、そして苔、すべてが緑。
緑の季節の風は最高に心地よい。
玄関脇のコナラを見たら面白い造形を見つけた↓。
そう、オトシブミ。まるで風鈴のようだと思った。
いっそう風が心地よくなった。