自然素材が流行っている。住宅業界ではさかんに自然素材の使用をうたって営業している。
特にシックハウス症候群が注目されるようになってきてから、その傾向が顕著になってきたようだ。
我が家も自然素材を多く使っている。フローリングはナラの無垢板、壁にクロスは使わず漆喰だ。柱や梁などの構造材にも集成材は使っていない。
ただ、シックハウスを意識したのではない。自然素材の質感が好きというのが主たる理由だ。
合板より無垢板のほうが裸足のとき気持ちがいい、ビニールクロスの感触が好きではない、そんなところである。
時間も意識した。化学素材は年月を経ると劣化する。自然素材の場合は、劣化というより、「味」が出てくる。磨きこんだ無垢板は質感という意味では、劣化どころか、最初よりぐっとよくなることもある。合板ではこうはいかない。これは我が家の古屋で学んだことだ。
少々、大げさだが、最終的には「素材の質感から歴史を感じる家になったらいいなあ」などと考えている。
私が生きているうちはそこまでには到達しそうにないが。