家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

200年住宅を普及させる実効的な案

2007年12月11日 | 家について思ったことなど
これまで「200年住宅」に関連して何回かエントリを書いているが、本当に200年もつ住宅がこれから出てくるのか、実は疑問を持っている。
それだけの長期間にわたって品質や強度を保証する建材とか、工法とか聞いたことはない。
補修やリフォームがあってはじめて200年もつのではないか。
また、仮に優れた建材と補修を前提に長寿が保証されていたとしても、「新しいもの好き」という住人の意識が「建て替え願望」を呼び起こし、長寿命の障害になりそうなことは以前のエントリで指摘している。(関連エントリ LINK1 LINK2

したがって「200年住宅」と銘打った住宅が出てきても、実際に200年もつのかどうかあやしい。それなのに、普及を促進するために現時点で政府が打ち出そうとしているのは取得後数年の固定資産税の軽減策(関連エントリ LINK)。
これでは、「200年もたせることが可能な住宅」の普及には役立つかもしれないが、実際に長寿命住宅を増やすのには大きな効果はないように私は思う。

では効果的な普及策とはなにか。
私は、(本当にもつかどうかわからない)「200年(もたせることが可能な)住宅」の取得時の優遇策より、現実に「築100年を超えた住宅」に優遇策を導入した方が長寿命化への効果は大きいと考える。
例えば、築100年超の住宅が建つ土地の相続・譲渡・売買に関する税を軽減する、なんていうのはどうか。受け渡す側も受け渡される側も優遇する。
そうすれば、長くもたせることのメリットがはっきり伝わる。
現状の日本では、土地の価値を算定する場面で、そこに築年数の古い建物が経つのはマイナス要因に他ならない。築年数が古い上屋は資産価値も算定されないし、解体費用が余計にかかるという理屈が付加される。
ところが、古い建物が建つ土地は税制面で優遇されるとなれば、話が変わってくるはずだ。住宅の所有者が「残していた方がいい」と判断できるケースが増えれば、実際に残すようになる。
100年という区切りが長すぎるのなら、築60年くらいから、長ければ長いほど優遇率を高くするような傾斜をつけた税制にすればいい。

このような政策を導入した場合に問題となるのは、築年数を偽る輩があらわれかねないことだ。そこで、築年数を公的に保証する「家暦書」の整備が重要になってくるだろう。