某所で知り合ったPさん(♀)からのオーダーで作った品が完成した。
その名は「ジョッター付きIDカードホルダー」。
昨日、受け渡しが終わったので紹介する。
Pさんは、私が以前作ったポストイットホルダー付きIDカードホルダー(→LINK)を見て、メモ機能付きのIDカードホルダーを所望した。
そのため当初はメモ用途としてポストイットを装備することを想定していたのだが、制作にあたっての打ち合わせでジョッターの存在を紹介するや、Pさんはすっかりジョッターが気に入ってしまい、方針転換となった。
ジョッターとは何か。
簡単に言うと、コンパクトなメモ用紙がはさまった小さな板のようなものである。「ちょっと書き留める」という意味の英語のjotが語源になっているらしい。メモ面がむき出しになっているので、メモをとることにおいて最速なアクションができるツールだ。
ジョッターは普通はポケットに入れて持ち歩くが、私はIDカードホルダーと合体してしまうのがいいと以前から考えていた。そのあたりは、ポストイットホルダー付きIDカードホルダーのときと同じ発想である。
ジョッターの場合は、ポストイットのように覆う形でホールドする必要がないから厚みを抑えることが出来、カードホルダーとの親和性はより高い。
IDカードホルダーを表側とし、裏側をジョッターとすれば、IDカードホルダーが、ひっくり返すと瞬時にジョッターに変身する。シンプルだけどとても便利な一品となる。
それをPさんに持ちかけてみたらドンピシャリとはまったという次第。
Pさんの要望はさらにあった。ペンも名刺も格納したいという。
自分のポストイットホルダー付きIDカードホルダーもペンホルダーはつけていた。小さなペンを保持し、メモはあるけどペンがないという事態に備えたもの。この希望は想定内。
名刺入れ部分は新規に考える機能となった。
実のところ、ジョッターを紹介してみたのは、ジョッターとして使える市販の情報カードに「名刺サイズ」というのがあったためだ。名刺サイズジョッターメモは名刺入れの中に保管することができるので、名刺入れと合体するのはいたって合理的なのだ。
こうして名刺入れ部分をコアにして、表面をIDカードホルダー、裏面がジョッターという基本構造案ができあがった。
ただ、Pさんからはさらに追加要望が出てきた。chiezokunさんにプレゼントした極小財布(→LINK)につけた500円玉ホルダーが気に入ったようで、その機能もつけたいという。ふと自販機のジュースを買いたくなったりした場合を想定していた。
で、打ち合わせを経た用件をまとめると以下のようになる。
・横型のIDカードホルダー
・IDカードは2枚収納。1枚は表面が見えるように、もう1枚は隠れてしまっても良い。
・私のポストイットホルダー付きIDカードホルダーと同じように市販のビニール製のIDカードホルダーを入れ子にする構造を採用する
・ジョッター(91×55の名刺サイズ情報カード)をつける
・名刺を3枚程度は入れられるように
・ペンホルダーをつける。ペンはWalkie pen のBoldタイプ(関連エントリ→LINK)
・500円玉ホルダー
・ストラップは革製でなく布製
・色は赤っぽい紫系とか、ピンクがちょっと入った濃い赤とか。
貧乏性の私は機能がたくさんあるものが好きである。それでいて見た目がすっきりしているのが好み。 これだけ要望がたくさんあれば取り組み甲斐がある。
通勤時間を有効活用していろいろ考えた。特にコインホルダー部は思案のしどころになった。そうした時間も私にとっては趣味の時間である。
その思考過程を紹介していたらキリがないので、以下完成品をご覧いただき、工夫を読みとってもらえたら幸甚である。
<IDカード表示面>使う本人の目線から見た図
シンプルさは実現できていると思う。いろいろな機能があることは一見しては分からないはず。
<非使用時のジョッター面>使う本人の目線から見た図
表面に乗っているのがコインホルダー。ぶら下がっているので逆さにすればたれさがり、ジョッター面が使えるというわけ。
<使用時のジョッター面>使う本人の目線から見た図
右上(ぶら下げたときは左下)上部のペンホルダーからペンを取り出して使う。
<コインホルダー>
半円形のステッチという構造になったため、白い糸で縫って「口」に見立て、「目」をあけて顔に見えるようにした。これは単なる装飾にはとどまらない。この穴から、中に500円玉が入っているかどうかを確認できる。また、コインホルダーはむき出しのジョッター面の上に乗っているので、ジョッター面の汚れをある程度防ぎ、かつメモ記入してあった場合は衣服の汚れを防ぐ効果がある。
ジョッターの押さえの部分が幕のような効果をみせて、人形劇の舞台のような印象になったと思うがどうだろう。
スナップをはずして500円玉を入れる。
<名刺入れ部>
上部(ぶら下げ時)から入れるが、名刺入れ部の脇のステッチをタテの長さの半分ほどに止めているため、出し入れをしやすくしている。
上部に飛び出したスナップを止めておけば、逆さまにするジョッター使用時にも落下することはない。
<全体図>
ストラップも本体の色にあったテープを購入して作った。
製作過程で、ストラップ式のカード類ホルダーについての別の面白い構造案が浮かんだ。
多少厚みが増すが、機能が満載できるし、使う人次第で機能の組み替えができる構造である。どなたからか新たにカードホルダーの製作依頼がきた時に、その構造を持ちかけてみることにする。