忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

かん違い通信

2009年08月04日 | 過去記事
■2009/08/04 (火) かん違い通信 1

やっぱり、対話によるコミュニケーションは大切だと思うのである。

たしかに、私ももう若くない。あと22年もすれば還暦である。倅は偏差値を気にしているが、私は血糖値を注視せねばならぬ今日この頃、そろそろ老後のことも考えていないと不安で夜も眠れぬ時代が、ほら、そこまで。スイカに貪りつく妻に「今後の目標」を聞いてみた。何かの指針になろうと思う。年老いた夫婦、我らは今後どのようにして生きるのか。また、何のために生きるのかを、夫婦水入らずで相談してみようと思う。

妻:「手を伸ばしたい!」(正確には指?)

コレは「あの事業にも手を伸ばしたい!」とか「出店するために、あの地域にも手を伸ばすべき!」などという建設的な提案ではない。言葉通り、受け止めてほしい。そう、

“手を伸ばす”ということは、その、アレだ、単純に「腕の長さが欲しい」といっておられるわけだ。誰か助けて。41年間、そのブラブラしている「腕」の「長さ」を『伸ばしたい』と言ってらっしゃるのである。ええと、骨延長手術?ジャックみたいな??

私は「他に欲しいものなどない。今で十分幸せョ♪」と受けとることにした。

そういえば先日、平沼グループ、大阪1区から出馬予定の「さかい・ゆき」候補の「励ます会」に呼んでもらった。なんと、「さかい」候補は妻と同じ年である。こちらのご婦人は「日本は自分の力で国を守らねばなりません!」とか「ママチャリパワーで日本を良くします!」などと、日本国の安全保障、経済対策、福祉の充実などに尽力されておられるのだが、我妻は同じ年ながら「手を伸ばしたい!」わけだ。もし、妻が出馬した暁には「手を伸ばします!」という公約を挙げるだろう。以外に当選したりして(すいません)。

だって、見たいじゃん。手が伸びるとこww

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そして、久しぶりに工作員1号を連れて行ったのであるが―――――

「2」へ

■2009/08/04 (火) かん違い通信 2

車中の会話、きっかけは「ドラクエ」だった。工作員1号も「ドラクエ9」を買っていたのである。なにを考えているかわからない&一緒にいてもつまらない1号であるが、ようやく「共通する話題」を見つけた私は仕方なく切り出した。以下はその対話である。(ネタバレあり?)

『どんな感じだ??私はもう、宝の地図とか、相当回ったぞ?』

1号:「そんなん知りません。全然です。」

『いまどこ?』

1号:「ダーマ神殿周辺ですね。レベルは25まで上げたんですけども。」

『ダーマで25???ま、まあ、ともかくひとりは転職させたほうがいい。魔法使いがいないと、結構しんどくなるからな。』

1号:「転職できないんですよ、あの、司祭みたいな人がいなくて。」

『ああ、ジャダーマか。まだ倒してないのか。25にもなって。』

1号:「いま、なんか、あのウィルスみたいなボスが倒せなくて困ってます。」

『ウィルス??あの村の病気の?あんなんレベル14とか、その辺だろ??』

1号:「倒せないんですよ。だから、とりあえず、あのリアカーみたいな敵を一撃で倒せるほどレベルを上げて・・・と思って・・・」

『・・・・とつげきこぞう・・?』

1号:「・・・!それです!でも、今度のドラクエは難易度が高すぎですね。無茶ですわ。」

『・・・・・そ、そうなのか。でも、ネットでは優しすぎると・・・』

1号:「そうなんすか?でも、“ひとり”ですからね。きびしいですね、それに、」

『・・・・!!ちょ、ちょっとマテ。なんだその“ひとり”というのは・・・?』

1号:「仲間に出会えないんですよ。だから、ずっとひとりで。厳しいですね。」

「3」へ

■2009/08/04 (火) かん違い通信 3

『な、仲間がいないのか・・・??ひとり?旅芸人、ひとり?』
1号:「ええ、そうなんですよ。だから、回復が間に合わないとか、」

『お、おま、“おうえん”とかあるだろ?特技の、』

1号:「ああ、ありますね。使えませんね。アレはどうやって、」

『いや、仲間を応援しろよ。仲間いなけりゃ、誰を“おうえん”するんだよ。』

1号:「そうですね、仲間探さないと・・・どこにいるんですかね??」

※私はここで気がついた。こいつは阿呆であると。と同時に、こいつって奴は、実生活だけでなく、こいつはゲームまでいい加減な男なのかと腹が立ってきたのである。以下は私の捏造です。お気をつけください。

『おまえ、そんなことも知らずに買ったのか?阿呆だなぁwww』

1号:「ええ、そうなんすよ、あははwww」

『それは、アレだぞ、すれ違い通信ってあったろ?それだよ。』

1号:「・・・・ああぁ!!あった!!あった!!ありました!!」

『すれ違い通信状態にして待つんだ。一日もせずに何人か来ると思うぞ。』

1号:「つ、通信なんですか・・・?」

『阿呆。それがウリじゃないか。あはっは。300キロ圏内にいる、同じドラクエユーザーが集ってパーティを組むんだよ。これが画期的なんだな。私のパーティには女の子が二人いるぞ?この間も“おしゃれなバンダナ”とか買ってあげた。』

1号:「・・・・!!ぜ、ぜんぜん知らんかったッス!!」

「4」へ

■2009/08/04 (火) かん違い通信 4

『だから、すごくリアルだし、時間の概念もリアルなんだ。明日は9時からサンマロウに集合とかな。武器やアイテムを交換したりだけではなく、基本的に個別に行動するから、ある意味、とてもリアルだな。私のパーティは、ひとりは埼玉県のおっさん。もうひとりが京都府の学生、魔法使いが大阪の主婦、今度、こっそり会うことになってる。』

1号:「・・・・!!で、出会い系じゃないスカ!!!」

『まあな。まさかドラクエでそんなこと想像もしていないだろうがな、そこが盲点だな。もうすぐ、社会問題になるだろうな。ふふふふのふ。メールが着たんだ。魔法使いの“るみちゃん”からな。“今度のぉ土曜日ぃそっちまでルーラしますぅ(はぁと)”ってな。これもある意味、冒険だと思うんだ。主婦の魔法使いだ。てんばつのつえ喰らうな。がはは。』

1号:「ぼ、ぼぼぼぼ、ぼくも、す、すぐに集まりますんですかね??」

『今ならぜんぜん集まるだろう。日本橋とか、DS持ってフラフラ歩いているの、たくさんいるしな。4人で通信しながらでも冒険できるし、今、流行ってるのは直接、居酒屋とかカラオケボックスとかに集合してな、そこでリアルに酒飲みながら冒険する“ドラクエコンパ”、まあ、通称“ドラコン”っていうんだが、それが流行ってるらしい。そこで、女の子を落とすことを“裏クエスト”っていうんだ、2ちゃんとか見てないだろ?もう、すごいぞ?“おいらのギガブレイク決めようと、宿屋でマジカルスカート脱がせたらあぶない下着だった。いきのねをとめられた!”とか“今日、ついに彼女に、いのりのゆびわ渡します”とかな。あと“おっちゃんのボストロールみしたろか?”とかな。』

1号:「・・・ほ、ほぉ・・・・・ぼ、ぼすとろーる・・・」

『あと、居酒屋で“竜の火酒”とか、ドラクエに出てくるアイテム名のカクテルがあったりな、京橋にも“ルイーダ”っていう居酒屋もあるしな。料理なんかも“世界樹の葉サラダ”とか“マンドリルハンバーグ”とか“ズッキーニャの炒め物”なんかある。流行ってるぞ?もうすぐ、ハローワークでもな、入り口でおっさんが“ここは職業を変えたいものが来る場所だ!”とかいう日が来るかもしれん。探しに来たんだちゅうねんww』

「5」へ

■2009/08/04 (火) かん違い通信 5

1号:「・・・し、知りませんでした・・・」

『嗚呼ぁ楽しみだなぁ・・・“るみちゃん”・・・久しぶりに私の“まじんのかなづち”が“かいしんのいちげき”かもなぁ・・?ああぁ?おい?どこの宿屋いくかなぁ・・??』

1号:「・・・・ボ、ぼくはなにをしていたんでしょう・・・25にもなってダーマでウロウロと・・・」

『ま、気にすんな。リアル世界でもおまえは30にもなって会社の周辺をウロウロしているだけじゃないか。リアル世界でもおまえは、私に“コンビニに行ってこい”とかクエスト出されてるじゃないか。今度、“CLEAR”って判子押してやるよ。』

1号:「・・・・。と、ともかく、すれ違い通信ですね・・??」

『おお、そうだ。でも、集まらなくとも、根気よく待たんとダメだぞ。それにしても、ひとりって・・・おまえが仕事終わって、家に帰って、風呂に入って、布団に入って、中ボスに“火吹き芸”とかしてるの想像したら泣けてくるよ。ちなみに武器は何だ?』

1号:「・・・・てつのつるぎ・・・」

『25にもなって???てつ???おまえ、西成の暴動か?おまえ、そんなん、30にもなって“ママチャリ”みたいなもんだぞ? 錬金とかしたか?』

1号:「いや、なんか、たいしたものが作れないんですよ・・・」

『しゃーない。ひとつ教えてやる。“やくそう×100個とまんげつそう×100個”それにその、後生大事に持っている“てつのつるぎ”で錬金してみろ。』

1号:「・・・なにができるんですか・・?」

『“癒しのつるぎ”ができる。攻撃力もまあまあだし、攻撃するたびにHPが回復する。これで回復の問題は解決だろ。ただ、これは一回で出来ないことがある。“できません”とかいわれても、何度もチャレンジするんだ。いつかできるさ。』

1号:「お、おおぉ・・・・・」

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もうすぐ、彼は有給休暇(夏休み)である。

DSを閉じて待つ彼。錬金釜の前で何度もボタンを押す彼が目に浮かぶ。ワクテカしながら“てつのつるぎ”を装備した彼は「とつげきこぞう」を今日も狩るのだ。

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