忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2009.1.12

2009年01月12日 | 過去記事
「荒れる成人式」のシーズン到来。いつだったか、テレビの女性アナウンサーが「風物詩」と呼んだのには不謹慎だと思いつつも納得してしまった。▼今年も例年に負けず、元気な「新成人」が早くもニュースになっている。福井県で行われた「はたちのつどい」。なぜに平仮名なのかと思ったが、酒を飲んで「中に入れろ!」と警察官と押し問答する「元気な新成人」のためだったかと、これまた納得した。漢字で書けば、この子は「集えなかった」可能性もあろう。▼佐賀県では、宴会後に乗り込んだタクシーの運転手さんを車から引きずり出して暴行。上半身裸で乱入。舞台に上がって奇声を発するなど、こちらも元気では負けてはいない。▼もちろん、全国トップレベルの「元気な新成人」を毎年排出する沖縄県はもっとすごい。なんと県道逆走に公務執行妨害で、早くも逮捕者が出ている。元気が溢れている証拠だろう。▼また、今年の「新成人」を対象に「結婚」についてのアンケートがインターネット上で行われたらしい。意外に「結婚したい」が80.4%。そして「経済的な基盤がないとできない」と答えた「新成人」は85.2%だったという。そして「相手の収入で豊かさが決まる」と答えた「新成人女性」は67.7%。元気はあるが金もいるということか。▼各地方自治体で「成人式を行ってもらえる」ということが、すでに「豊かさ」だとは思いもしない。「してもらって当然」だという認識が既に社会では通じない。「若さ」が武器になるという幻想は、どうやらもう捨てたほうがいい。

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