忘憂之物

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小林死刑囚ら3人の刑執行=奈良女児誘拐殺害―安倍政権で初・法務省

2013年02月23日 | 過去記事

小林死刑囚ら3人の刑執行=奈良女児誘拐殺害―安倍政権で初・法務省

<谷垣禎一法相は21日、奈良市の小学1年有山楓ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件で死刑が確定した元新聞販売店員小林薫死刑囚(44)=大阪拘置所=ら、3人の刑を執行したと発表した。死刑執行は昨年9月以来で、現在の安倍政権下では初めて。
 小林死刑囚は、事件発生から約8年、確定から約6年での執行だった。他に執行されたのは、茨城県土浦市のJR荒川沖駅周辺での無差別殺傷事件の金川真大(29)=東京拘置所=、名古屋市のスナック経営者殺害事件の武藤(現姓加納)恵喜(62)=名古屋拘置所=の両死刑囚>





私も過去、何度か「転勤」というものをやった。引き継ぎが終わって要領がわかってくると、次にやることは掃除と「整理整頓」だった。自分の仕事場の周りはもちろん、倉庫やら事務所やら、自分が仕事をしやすいように片付けていく。

その際、いらないモノは思い切って捨てる。整理整頓のコツは「捨てる」だ。それから在庫整理。デッドストックはコストがかかるし、商売上、なにかと「弱み」になるから、可能な限り吐き出してしまう。この「捨て値」というところで、ちょっとでも利益を、なんてスケベ根性を出してはいけない。これもコツだ。顧客にも業者にも「これは捨て値だ」と理解させておくと、次から余計な期待は抱かせないで済む。購買意欲の低下にならない。

そうするとすっきりする。日々の仕事もわかりやすくなる。次に何をすればよいか、何をしてはいけないか、が明確になる。谷垣禎一法相もそういう意味で良い仕事をした。「何をしなくてはならないか」を考えた末の仕事だ。

武藤恵喜(現在・加納)は平成14年当時52歳。手や腕を使って首を絞めて殺すのは「扼殺」というが、この武藤は縄や紐を使う「絞殺」が好きだった。名古屋市中区栄のスナックで経営者の千葉春江さん(当時61歳)の首をマイクのコードで絞めて殺し、衣服を乱して偽装工作を行い、売上金から8千円奪って捕まる前、昭和58年には長野県諏訪市の旅館で経営者の女性(当時64歳)を電気コタツのコードで首を絞めて殺していた。今月21日、武藤は吊るされた。大好きな「絞死」で死んだ。あの世でもう一度、吊るされたらいい。

2008年2月、当時24歳の金川真大は包丁とサバイバルナイフを購入。金融機関から残高のほぼ全額40万円を引き出し、それでゲームを買ったり漫画を買ったり、思い残すことなく使ったあとは、いよいよ妹を殺すか、近くの小学校を襲撃するかと考えて興奮する。真正のアレだが、元来、無計画な阿呆野郎。その日、妹はおでかけ。小学校は参観日で知らない大人がたくさん。仕方がないから金川は通りすがりのお爺さんを刺し殺し、警察に自分の携帯から「ボクを捕まえてごらん」と電話。それから荒川沖駅前で8名を殺傷した。

金川は事件の公判で傍聴席に向かい笑顔でピースサインをした。望み通りの死刑判決を受けて「完全勝利」とインタビューにも応えた。それから<あとは、死刑執行までの時間をいかに短くするか。(国が執行に)動かなければ裁判に訴える>と言って笑みを浮かべたが、実際に被害者の「傷口の写真」を見せられたら失神している。これも21日、めでたく吊るされた。弱い者にしか襲いかからない。臆病で小心者のサイコパス。さぞかし震えて吊るされたかと思うとすっとする。

でも、このしょうもない金川は影響した。この3ヶ月後には「秋葉原連続無差別殺傷事件」があった。加藤智大は「土浦連続殺傷事件を参考にした」と供述している。その後、12人を車で轢いてひとりを死亡させた「マツダ本社工場連続殺傷事件」の引寺利明は「秋葉原を見て思いついた」と言った。キチガイは連鎖していた。だからこれらもさっさと吊るしたほうがいい。

小林薫は平成16年、変態らしく毎日新聞を配りながら、当時7歳だった有山楓ちゃんを誘拐。風呂場で水死させた。家族に携帯電話で画像も送り「次は妹だ」とメッセージした。小林は毎日新聞を配るくらいだから、ちゃんと幼児への強制わいせつの前科もあった。筋金入りの変質者だった。初公判では「反省の気持ちも更生する自信もない。早く死刑判決を受け、第二の宮勤か宅間守として世間に名を残したい」と供述した。その憧れの宮崎勉からは「精神鑑定も受けずに、『第二の宮勤』は名乗らせません」と足蹴にされている。お前はひとりしか殺していないし、遺体からもぎとった指に醤油をかけて、焼いて食べたりもしていないだろう、と甘さを指摘されたわけだ。

死刑囚は存外、良い暮らしをしている。映画も観れるし、テレビも観れる。健康管理はしてくれるし、食べたいモノもまあ、そこそこ喰えている。もちろん、仕事はしない。日がな一日、本を読んだり運動したりと、まあ、我々が想像している以上に自由奔放だ。だから宮崎勉は絞首刑について「人権侵害だ」を言った。恐怖感がすごいと。なんとかならないかと「薬殺」を希望した。10歳にも満たない少女を4人も誘拐して殺害し、死後硬直した遺体を犯し、指を焼いて喰って血を飲みながら「絞首刑が人権侵害」と抜かすほど「自由」も「権利」も用意されていた。宮崎は大好きなアニメも観ていた。

死刑囚の中では「次の法相はだれか」が話題になる。すなわち民主党政権誕生は「バラ色の未来」だった。このまま刑が執行されなければ、自分らは生き辛い世の中から隔離されて、安全安心な生涯を送ることが出来る。どうせ娑婆に暮らしても大したことない人生だ。それなら衣食住に困らぬ、なんら義務も責任もない死刑囚として未執行のまま、生きて死ぬことが出来る。嗚呼、思い切って凶悪犯罪をやって本当に良かった、と安堵した。

しかし、世の中はそれを許さなかった。あっさりと政権奪還、谷垣法相はすぐに「法相の仕事」をした。安倍政権は長期政権になる可能性がある。ならばこれからも滞りなく、円滑に行われていくだろう。無駄な税金は使わずに済むし、凶悪犯罪の抑止効果もあるし、なにより遺族はひとつの「悩み」が消える。「自分で殺したい」という悩みだ。

集めたゴミは分別して捨てる。無駄なコストはかけない。見てるほうもすっきりする。





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