忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

あなたにもみえているんです、よ。

2010年07月29日 | 過去記事
20年ぶりくらいで「幻覚」をみた。妻と買い物に行った先のスーパーのトイレ。私は小便器の前に立って用を足していたのだが、青いタイルにくっきりと「少年」が映っていた。


少し距離を開けて、私の真後ろに立っている。白い帽子に白のランニングシャツ、そして白い半ズボン。小便器は2つあったが、空いていたのは障害者用だったから、子供はやりにくいのかな?と思った。でも、実はそのくらいから、私の中では「ある感覚」がむくむくと湧き上がっていた。それは否定できぬほど明確で、圧倒的な現実感だった。私は前を閉めて振り返る際、とある覚悟をした。やはり、だった。








―――――いない。



私はゆっくり目を閉じて深呼吸をした。そして手を洗いながらもう一度、大きく深く息を吸い込んだ。そのままゆっくりとドアを開けて、何事もなかったように妻のところに戻る。あそこまではっきりしたのは、ずいぶんと久しぶりだったから、妻に言うかどうか迷った。しかし、私の明らかに違和感のある態度に妻のほうが気付いた。




「どしたん?」



いや―――――




やはり止めた。「ちょっと頭が痛い」と嘘をついた。妻は心配して「くすりかう~~!」と慌てたが、家に帰って少し寝たら治ると言いながら買い物をした。



買い物袋をさげ、車に戻る。屋上の駐車場だ。先に妻と買い物袋を車に乗せて、私がカートを元に戻す。スーパーの入り口付近にカートと買い物かごが積んである。車をみると、妻がさっそくにもアイスクリームを開けて食べ始めている。ガリガリくんだ。



歩み寄る私の方を向いて笑っている。これも、いつものことだ。



私は運転席に座りエンジンをかける。ゆっくりとスロープを下りる途中、妻が言った。







「屋上の入口におった男の子、大丈夫かなぁ。おとしゃんの方みてたけど、迷子かなぁ」



白い帽子の?



「うん。白のシャツで、ズボンも白かった」



後ろにいた?



「うん。おとしゃんの後ろ。ガラスのドアの向こう。ずっと外みてたで」







―――――じゃあ、迷子なんだろう。






はやく、見つかるといいな。



「うん。おとしゃん、ガリガリくん食べる?」



うん、いらない。




(i|i-´д`-)y─┛~~~

3 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-07-30 23:44:45
>りんりんさん


こんにちは。


>年間360日は憑いてるんじゃない?ってらしいです。


5日が気になるw
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ひ~っ! (りんりん)
2010-07-29 23:48:52
こゆ方が身近すぎてドキドキしちゃいますょ~!

私、自覚ないけど、憑かれ易いらしいんです。年間360日は憑いてるんじゃない?ってらしいです。

男の子、早く帰れたら良いですね(+_+)


おかしゃん、私のガリガリくんもどぞ。
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ひ~っ! (りんりん)
2010-07-29 23:48:17
こゆ方が身近すぎてドキドキしちゃいますょ~!

私、自覚ないけど、憑かれ易いらしいんです。年間360日は憑いてるんじゃない?ってらしいです。

…男の子、早く帰れたら良いですね(+_+)
返信する

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