ナチスは具体的な数値ではなく空気を広めた / テレビ局はなぜ反原発の動きを報じ損ねたのか？

　池田浩士さん（京都精華大学教授）がナチスの選挙戦略は具体的な数値ではなく空気を広めることだったと述べています。

　１９３２年の２月段階でドイツの失業率は４４,４％、ヒトラーが政権に就く１１ヶ月前の状態です。ヒトラーは政権を取ったら失業をなくすと公約、失業率が高いのはユダヤ人がドイツ人の仕事を奪っているからだ、わが党はやつらから仕事を奪い返す、これが選挙方針でした。これでナチスは第１党になりました。

　１９８０年に教師と生徒がこの歴史を検証する作業をやったら意外なことがわかってきた。ドイツの総人口に占めるユダヤ人の比率はどれぐらいだったのか。検証前で多かったのが３０％ぐらい。ところが統計で出てきたのは６４００万人のドイツで、ユダヤ人はたったの５４万人。率にして０.８５％にすぎなかった。１００人に１人もユダヤ人はいなかった。とすればユダヤ人から仕事を奪い返しても失業はなくならない。そのことを発見したというのです。

　しかし、その当時や、戦後何年たってもそのことには気づかなかった。そのただ中にいたら周囲が見えない。失業者はなぜせ自分が失業しているのか、すべてを個人のせいにしがちだが、背景には失業を生んでいる社会的な要因がある。しかし周りを見る、考える余裕は全くない状況に追いやられている。

　日本の社会もそういったゆとりがない中で、白か黒かの単純思考を国民に強いられているように思います。特にマスコミの刷り込みには意図的なものを感じています。

【今日のネット情報】
マスコミの問題を取り上げたものです。

【放送】日本のテレビ局はなぜ反原発の動きを報じ損ねたのか？

【当面の動き】
●「再稼動反対、全ての原発をゼロに」茨木金曜日行動（毎週金曜日午後６時から１時間、阪急茨木市駅東口）

●「内部被ばくを生き抜く」連続上映 茨木キャラバン

●原発を考える市民の集い　中嶌哲演（なかじま・てつえん）講演会
・中嶌哲演さんは福井県小浜市明通寺住職で長年原発問題に取り組んでこられました。
・日時：１０月２６日（金）１８：００～
・茨木市民会館　大ホール

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