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中国人民解放軍による台湾ADIZ進入2022年11月17日 地域研究部米欧ロシア研究室 相田 守輝

2023-09-20 16:46:59 | 連絡
中国人民解放軍による台湾ADIZ進入①  ― この2年間を概観する ―
第246号2022年11月17日 地域研究部米欧ロシア研究室 相田 守輝
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary246.pdf
台湾周辺で軍事的プレゼンスを高める中国の言動は、周辺国のみならず、国際社会にとって強い警戒の対象となっている1。
中国と台湾との軍事力の差は今や明確であり、中国の力に物を言わせる強硬姿勢を受けて、2027年までに台湾侵攻が生起するのではないかとも懸念されている2。
その代表的な中国の軍事行動として、2020年頃から台湾の防空識別圏(Air Defense Identification Zone:ADIZ)に対し、中国人民解放軍(People's Liberation Army: PLA)の航空機が進入するケースが頻発している3。
台湾は2020年9月17日からインターネット上でこれら状況を、その都度発信しており、既に2年以上が経過している4。
本研究の目的は、中国の軍事行動が何を意味しているのかを考究することにある5。
そこで本稿では、その第一弾として台湾国防部が2年にわたり公表してきた全ファクト・データを分析評価することにより、PLA機による台湾ADIZ進入の状況を概観していく。
その際、2年間観測してきた筆者の視点から当時の背景情報などを補足しながら評価してくこととする。
一方、中国の軍事行動には非常に多くの特徴が見て取れる。
本稿では、紙幅の関係上、台湾ADIZ進入を概観するだけにとどめるが、更に掘り下げるべき内容に関しては、今後のコメンタリーにて検討を重ねていくこととしたい。
〇台湾ADIZ進入とは
そもそもADIZとは、航空機がその国の領空に到達する前に早期に識別することを目的に設定された空域のことである。
そのため、航空機の航空交通の安全に供する目的において特別な識別および報告手続きに従わせることを主権国家が要求できるように規定されている。
1950年代に米国をはじめ日本や台湾もADIZを設定しているが、台湾ADIZを議論する際には歴史的な文脈を踏まえる必要がある。
図1のとおり、ほぼ長方形のように境界線で囲まれた台湾ADIZでは、その一部が江西省にまで達するほど中国大陸の深くにまで及んでいることがわかる。
台湾国防部は、1954年の米華相互防衛条約が締結された当時の地図に基づいて、PLA機による台湾ADIZ進入の状況をインターネット上で公開しているが、台湾が喫緊の課題として窮状を訴えているのは、図中の「中間線」よりも南側で、かつ境界線で囲まれた空域で生起している事象のことである。
この「中間線」は、米国が台湾海峡を挟んだ中台の大規模な対立を防ぎ、かつ自制させる目的で設定した6。
では実際に、PLA機はどのように台湾ADIZへ進入してくるのであろうか。
台湾国防部のホームページによると、中国大陸の各飛行場から飛び立ったPLA機は、図1のように、様々なパターンで台湾ADIZに進入している。


最も多い典型的なパターンは、
図中Aのように、福建省南部沖の「中間線」の南側の空域から台湾南西部の空域に飛来し、反転した後に北上して大陸に戻るパターンである。
図中Bのように、台湾ADIZ境界線と必ずしも一致しないものの、南部の境界線に沿いながら台湾の東海上まで飛行し引き返すパターンもある。
これら図中AとBの進入パターンには、PLA機が飛行する針路の延長線上に米海軍などの主要艦艇が航行していたケースもあり、PLA機が編隊で飛行しながら対艦ミサイルなどの発射をデモンストレーションしていたものと考えられている。
また
図中Cのような進入パターンは、PLA戦闘機に多く見られ、ADIZ境界線を越え入域するとすぐに引き返し出域するケースも少なくない。
〇2年間にわたるPLA機の台湾ADIZ進入の状況とは
台湾国防部がインターネット上で公表をはじめた2020年9月17日から2022年9月17日に至るまでの2年間、PLA機はどのように台湾ADIZに進入していたのであろうか。
全データを統計すると、台湾ADIZへの進入機数は図2のとおりに推移しており、2年間の総数は2,324機にものぼる7。
本稿では概要を把握することに努めるため、多様なPLAの進入機をあえて
①「哨戒機・早期警戒管制機」クラス(青色)、
②「戦闘機・爆撃機」クラス(桃色)、
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラス(緑色)と大きくクラス分けし、細部機種については図2の中で示した。
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した
①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、
桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、
2021年10月に160機と急増し、また
2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている

台湾が公表をはじめた2年前の
2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として
②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。
具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
以下
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、2021年10月に160機と急増し、また2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている。
台湾が公表をはじめた2年前の2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、2021年10月に160機と急増し、また2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている。
台湾が公表をはじめた2年前の2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
このグラフを見れば、台湾ADIZに進入してくるPLA機が次第に増加しているのが一目瞭然である。
青色で着色した①「哨戒機・早期警戒管制機」クラスに関しては、月平均27機前後の機数で安定的に推移している。
実際、最低2日に1回程度はY-8ASWのような哨戒機が進入する傾向にあり、日常的なパトロール飛行を行っていることが伺える。
一方、桃色で着色した②「戦闘機・爆撃機」クラスに関しては、その進入時期が流動的である。
2020年9月以降、徐々に増加傾向をたどっていたが、2021年10月に160機と急増し、また2022年8月に422機と急増した。
これらの要因分析は、中国の軍事行動を考究する上において有益な視座を与えている。
台湾が公表をはじめた2年前の2020年9月17日を思い起こせば、米国務省クラック(Keith Krach)次官(経済成長・エネルギー・環境担当)が李登輝元総統の告別式(19日)に出席するために台湾を訪問した際に8、PLA機が18日に18機、19日には19機と進入してきた。
2020年9月当時には、PLA戦闘機が延べ36機ほど進入しただけで衝撃的なニュースとなっていた。
しかしながら、直近の2022年8月、米国のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が台湾を訪問したことを契機に、中国は台湾周辺で「重要軍事演習」を行い9、その演習の一環として戦闘機が多く活用された結果、延べ422機ものPLA戦闘機が進入しており、その烈度は2020年当時をはるかに上回るものとなっている。
米国の政府高官等が台湾を訪問するたびに、あるいは米軍等が台湾周辺で活動するたびに、中国当局が「不満を表す手段」として②「戦闘機・爆撃機」クラスの航空機を進入させているが、2021年10月に戦闘機の進入機数が160機と急増した背景には複数の要因が考えられる。
まず、直前の9月の米英豪によるAUKUS結成の公表があり、台湾政府によるTPP加入の表明もあった。
また英海軍空母クイーンエリザベス号をはじめとする数か国の海軍艦艇による南シナ海でのFONOP活動や台湾近海での演習も一因として考えられる10。
更に、中国の国慶節(10月1日)と台湾の国慶節(10月10日)の間に、中国が国力の差を見せつけたと捉えることもできるだろう。
このように中国にとって政治的に敏感な情勢となれば、対抗する手段として、比較的に使い勝手の良いエアパワーを政治的に利用していると見ることもできよう。
③「ヘリ・輸送機・無人機」クラスに関しては、2021年夏ごろから台湾ADIZに様々な機種がしばしば進入しはじめている。具体的には、2021年8月26日にはZ-9 ASW(対潜哨戒ヘリ)が、同年11月28日にはY-20AR(空中給油型輸送機)が、2022年9月5日以降にはBZK-005(偵察型無人機)などの無人機が、それぞれ進入している。
以下
http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary246.pdf

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