竹村: 当時、私は河川局長でした。ある有名な月刊誌の編集長が来て、田中康夫知事が脱ダム論を言っているので、竹村局長と面と向かって対談するのではなく、テーマを決めて、お互いにこう考える、ダムの良い点、悪い点を踏まえた冷静で客観的な誌上討論をしませんかと言ってきました。
官房長にお伺いをたてて、誌上討論をやっても良いと言われたので、すぐ編集者にそれを投げかえしました。編集者は「わかりました、ありがとうございます。竹村さんには断られると思ったのだけど、受けてくれたので田中康夫知事のところにお話に行ってきます」ということでした。
1週間後、編集者が私の所へ来て、あれは没になりました。田中知事に断られてしまいました。「竹村局長ではいやだ」ということだったそうです。あの時、田中知事と私がダムについて、冷静にお互いの考え方を文書に残しておけばよかったと思っています。脱ダム論という考え方と、ダムが必要との考え方の相違を文献として残せる良いチャンスだったのですが、幻の誌上対談になってしまい、残念でした。
官房長にお伺いをたてて、誌上討論をやっても良いと言われたので、すぐ編集者にそれを投げかえしました。編集者は「わかりました、ありがとうございます。竹村さんには断られると思ったのだけど、受けてくれたので田中康夫知事のところにお話に行ってきます」ということでした。
1週間後、編集者が私の所へ来て、あれは没になりました。田中知事に断られてしまいました。「竹村局長ではいやだ」ということだったそうです。あの時、田中知事と私がダムについて、冷静にお互いの考え方を文書に残しておけばよかったと思っています。脱ダム論という考え方と、ダムが必要との考え方の相違を文献として残せる良いチャンスだったのですが、幻の誌上対談になってしまい、残念でした。
中野: 先方から、断られたのですか?
竹村: そう、編集者は、田中康夫知事には了解が取れる。断るのなら竹村局長だと思っていたそうです。だから最初に、私に話を持ちかけたそうです。先に田中知事に了解を取っておいて、後で河川局長が断ったとなると、私が困ることになるだろうと配慮して私の意向を確かめにきたということでした。
脱ダム論が出てきた初期の段階で、ダムの必要性と不必要性について議論して、その上でダムを造ることのメリットとデメリットをきちんと整理し、文書にして残しておくという絶好のチャンスを逃したことがとても残念でしたね。
竹村: そう、編集者は、田中康夫知事には了解が取れる。断るのなら竹村局長だと思っていたそうです。だから最初に、私に話を持ちかけたそうです。先に田中知事に了解を取っておいて、後で河川局長が断ったとなると、私が困ることになるだろうと配慮して私の意向を確かめにきたということでした。
脱ダム論が出てきた初期の段階で、ダムの必要性と不必要性について議論して、その上でダムを造ることのメリットとデメリットをきちんと整理し、文書にして残しておくという絶好のチャンスを逃したことがとても残念でしたね。
朝日新聞への公開質問状をネットに公開 | |
中野: そういう事も関係しているのでしょうか?朝日新聞のコラム欄「窓」に掲載された「建設省のウソ」という記事について、公開質問状を出され、インターネット上でやりとりを全文公開されたということにつながるのでしょうか? 竹村: これまで、長良川河口堰では色々マスコミに書かれました。マスコミ記事はミスをして、ミスがわかったとしても、訂正文というのはすごく小さい記事で、見えないくらいです。抗議文を出しても結局それは無視されてしまいます。「建設省のウソ」という記事については、ひどい言い方をした訳だし、看過すことができずきちんと対応しようと思ったのです。 相手が単にやじをとばすぐらいなら無視したかも知れませんが、天下の朝日新聞の一面だったのできちんと対応しないとまずいと考えました。朝日新聞でも紙面は限られています。その紙面では十分なやり取りが出来ないから、インターネットでやりませんかと申し入れたら、やりましょうということで始まったのです。当時の横塚開発課長にもご苦労をかけながらやった訳です。実際は、補佐連中が文章を書いたのですが、みんな真面目に良い文章を書きました。 中野: 私も読ませていただきました。 竹村: ある時、部署が違う朝日新聞の関係者の方から、竹村さん、良い文章をきちんと書いてますね。どなたか弁護士さんを雇っているのですか、と聞かれました。感情的にならず、きちんと論理的に、自分たちはこうだ、こういうデータに基づいている、と言いたいことをていねいに書いていたからでしょうね。私は「あれは全部、補佐たちが書いているんですよ」というと心から驚かれていました。 中野: それで、こうした公開討論が始まりましたが、役所の先輩とか政治家とか、いろんな方向から何か言われませんでしたか。 竹村: 先輩方はみんな心配しましたね。竹村、大丈夫かと。そう言われても困りました。大丈夫かどうかは考えなかった。「建設省のウソ」のコラムを、私は放置できなかったのです。 | |
最後は一方的な打切り宣言で、唐突な幕切れに | ||
中野: 竹林征三さんにお話を伺った、長良川のアユの事がダム日本の五月号に載っていますが、やはり記事の元になった数字が間違っていたり、一部隠されていることがあったということですね。その公開討論も最後には新聞社の方が一方的に打ち切ってしまったようですが。 |
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