2019/9/4 11:30 日本経済新聞 電子版
【ベルリン=志賀優一、川井洋平】欧州最大の家電見本市「IFA2019」が4日、ドイツのベルリンで開幕する。日本勢の主役は名門電機メーカーよりもむしろスタートアップ企業で、交通やヘルスケアの技術を展示する。IFAは商談の場でもあり、日欧企業の提携などで新たなビジネスが生まれそうだ。
【ベルリン=志賀優一、川井洋平】欧州最大の家電見本市「IFA2019」が4日、ドイツのベルリンで開幕する。日本勢の主役は名門電機メーカーよりもむしろスタートアップ企業で、交通やヘルスケアの技術を展示する。IFAは商談の場でもあり、日欧企業の提携などで新たなビジネスが生まれそうだ。
IFAは11日まで開かれ、世界から電機メーカーなどの取引関係者が訪れる。18年は24万人以上が来場し、1800を超す企業が出展。開催中の取引額は47億ユーロ(約5500億円)におよんだ。4日、報道向けに公開が始まる。
注目は先進技術のブース「IFAネクスト」だ。テレビなど家電のメーカー主体の展示を変えるため2年前から設置された。今回、まとまったスペースが確保されるスポンサー国の制度が導入され、日本が選ばれた。
「空飛ぶクルマ」の開発を目指す
スカイドライブ(東京・新宿)が初出展する。航空やドローンの技術を組み合わせて2人乗りの機体を開発中だ。
トヨタ自動車などが支援しており、23年に事業化することを目指す。
さらに26年からは量産化を目指している。そのためにIFAで、部品を供給できる企業との連携につなげたい考え。欧州エアバスを頂点とした部品メーカーを開拓する。
ヘルスケア分野では
トリプル・ダブリュー・ジャパン(同・千代田)が、小型の超音波センサーで排尿のタイミングを知らせるウエアラブル機器を出す。センサーで膀胱(ぼうこう)の変化をとらえ、スマートフォンのアプリで知らせる。高齢化の進む日本発の技術として、欧州の医療機関で普及を目指す。
ファッションの先進地である欧州に一風変わった衣料を出すのは
Xenoma(ゼノマ、同・大田)だ。電子回路が入った服を展示する。たとえばゴルフスイングをスマートフォンで確かめたり、ゲーム内のキャラクターと連動させてジャンプさせたり用途は色々だ。
IFAでは、大手企業がクリスマス商戦を意識した技術・製品を披露する。普段PRの場が少ない新興企業にとっては欧州開拓への布石となる。
ソニーや
パナソニックなど大手企業は、美容家電や高級オーディオ機器を展示する。人工知能(AI)で家電を操作する未来のリビングのイメージもみられそうだ。
今年のIFAでは先進技術と並び、世界で普及する次世代の高速通信規格「5G」の活用もテーマだ。一般公開の初日となる6日、中国の通信機器最大手、
華為技術(ファーウェイ)のコンシューマー・ビジネス・グループのリチャード・ユー最高経営責任者(CEO)が基調講演する。
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