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ジャック・マー氏の不在、中国への不信浮き彫り-政府は支援表明でも2023年3月28日Bloomberg News

2023-03-28 16:46:25 | 連絡
  • マー氏は20年に中国当局を批判後、公の場から姿消す-海外に滞在
  • 習体制固まる中、李首相は民間企業への「揺るぎないサポート」表明
  • 資産家の馬雲(ジャック・マー)氏の存在は、中国政府が国内外の民間セクターを巡る評判を取り戻す上で最良の切り札の1つになるかもしれないが、これまでのところ同氏は当局の誘いに慎重な姿勢を崩していない。
      中国で最も著名なビジネスリーダーの1人で、同国の電子商取引最大手アリババグループと傘下のフィンテック企業アント・グループの共同創業者である馬氏は、2020年に上海で行ったスピーチで中国の規制当局を批判した後、公の場に姿を現すことはほとんどなくなっていた。
  • それ以来、中国政府は不動産からインターネット・プラットフォーム、教育に至るさまざまなセクターを締め付けてきた
  • その結果、世界の実業界は中国の非国有企業に対するコミットメントにますます懐疑的になっている。
  • しかし、習近平国家主席が権力を固め、経済に再び焦点を絞る中、同国の新指導部は企業に優しいイメージを構築したいと考えている。
  • 事情に詳しい関係者1人によれば、中国当局は実業界への政府の支援をアピールするため、海外に滞在する馬氏に帰国するよう説得を試みたという。
  • しかし、馬氏は農業技術の研究に専念するため企業経営から手を引いたとして、海外にとどまることを選んでいたと、複数の関係者が非公開情報であることを理由に匿名を条件に明らかにした。  
  • 関係者の話では、馬氏はアントとアリババの幹部に対し、自らの帰国に固執しないよう内々に伝え、離れていても両社の成功にコミットしていると強調したという。
  •  そうした中、馬氏は今月27日、浙江省杭州市の学校を訪問し、米オープンAIのチャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」などについて論じたほか、かつて務めた教職にいつか戻りたいと話していたと同校が微信(ウィーチャット)公式アカウントで明らかにした。
  • 中国にどのくらいの期間とどまる計画かは不明で、同国での他の予定やどのくらい前から今回の訪問を計画していたかも分かっていない。 
  • 中国の学校を訪問していたとのニュースを受け、アリババ株は27日の香港市場で一時5.5%高を付けたものの、上昇分を全て吐き出して取引を終えている。
      李強新首相は3月の全国人民代表大会(全人代)で民間企業への「揺るぎないサポート」を表明したが、長期にわたる馬氏の不在は企業家や世界の投資家が中国政府に対して抱く不信感を浮き彫りにしている。 
  • 国務院新聞弁公室と外務省にファクスでコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
    アリババとアント、馬氏の財団からのコメントも得られなかった。
  • 根深い不信感
  • 習主席や側近が民間セクターへのサポートを表明しても、不信感は根深い。
      「毛沢東と市場:中国企業の共産主義的ルーツ」の共著者、クリストファー・マーキス氏は「公のメッセージでは企業家精神をサポートしているが、なお強力な国家統制とイデオロギーが吹き荒れている。
  • ビジネスは依然として党の支配下にある」と分析した。
  • 中国の投資銀行、華興資本のトップでハイテク業界の花形バンカーだった包凡氏が先月、突然消息を絶ち、政府の調査との関連が指摘されたことで、中国のビジネスエリートの間で民間セクターに対する締め付けはまだ終わっていないとの懸念が再燃した。
  •  
    今年1月には、中国人民銀行(中央銀行)がテクノロジー企業の支援策を検討していると表明したにもかかわらず、中国政府は傘下の事業体を通じアリババのメディア事業部門の「黄金株」を取得し、アリババに対する支配をさらに強化。
  • テンセント・ホールディングス(騰訊)の子会社についても同様の計画があると、関係者1人が同月明らかにしていた。
  • また、中国は国内にある膨大なデータを監督・保護する新たな部署を設ける方針も示している。
      「紅旗:習近平の中国が危機に直面している理由」の著者、ジョージ・マグナス氏は「政府のアプローチは依然として党と国家機関が優先だ」と説明。
  • 民間企業の発展が許されるのは、「党の目標と理念を追求・尊重する場合の話で、内部から乗っ取るようなものだ」と述べた。
      民間セクターをリードするアントや馬氏にとって、それは大きな意味を持つ。
  • アントの行方
  • アントはかつて中国の企業家精神とイノベーション(技術革新)の象徴と見なされており、20年11月に予定されていた新規株式公開(IPO)は過去最大規模になると予想されていた。
  • その数年前には、北京の人民大会堂で行われた盛大な式典で、馬氏の国家への貢献が称えられた。
    同年の上海の金融会議で、馬氏は時代錯誤の規制は中国の技術革新を窒息死させると警告し、伝統的な金融機関を 「質屋」と揶揄(やゆ)した。
      数日後、当局はアントのIPOを土壇場で差し止め、香港や米国などの市場を震撼させた。
  • 事情に詳しい複数の関係者によると、同社は依然として最終的に上場する計画だが、IPOが年内に実現する可能性は低い。
      馬氏は今年1月、アントの支配権を放棄すると発表し、自身が持つ議決権を6.2%に縮小した。
  • アントがIPOを再検討するときには、20年当時に企業価値3150億ドル(約41兆円)と評価された巨大企業から様変わりしているだろう。
  • 同社がテクノロジーよりも金融に特化したモデルにシフトする中、投資家は同社の企業価値評価を引き下げている。
  • フィデリティ・インベストメンツは昨年11月末時点のアント評価額を約640億ドルに下げた。
  • アントはウェルスマネジメントや決済、クレジットなど多岐にわたる事業をどこが監督するのかについても把握する必要があり、さらに重要なのは生き残りに向けた金融持ち株会社の免許がいつ付与されるのかということだが、状況はなお流動的だ。
      こうした理由から、馬氏はより慎重に行動せざるを得ない。
     事業から手を引くだけでなく、馬氏は地域社会のリーダーとしての影響力も弱めており、昨年12月には故郷である浙江省の企業家協会の会長職を返上した。 
  • 〇低迷する民間セクター
  • 複数の関係者によると、馬氏は上海での自分の発言がアントに対する締め付けを加速させたと責任を感じている。
      しかし、そうしたきっかけがなくても、変化は起きようとしていた。アントは伝統的な金融機関の縄張りを侵してきた上、膨大なデータを所有していることから、国家安全保障面の規制強化とそうした資源の経済活動への活用を図る当局の標的となった。
  •  前進の兆しはある。規制当局は最近、同社の消費者金融関連会社の増資を承認した。アントの井賢棟会長は今年に入って国営メディアのインタビューに応じ、政府の民間企業への支援を強調した。
      同会長は「中国が民間経済を支援する姿勢やレベルに変化はない」とした上で、インターネットプラットフォーム企業が引き続き雇用を創出し、国際的に競争することを政府は期待していると付け加えた。
  • アリババとアントの成長鈍化は、大手企業の大きなエコシステムに依存している新興企業に影響を及ぼしており、民間の企業家は当面、緊張状態が続きそうだ。
      馬氏が拠点を中国に戻すかどうかにかかわらず、そうした影響は長引く可能性が高い。
  • 中規模の民間企業の創業者で安全上の理由から名字だけを明かしたフー氏は「事業が大きくなればなるほど、われわれには危険な状況になると言える。馬氏にとっては、自社の精神的指導者にとどまり、世界中を旅するというのが一番安全な選択だろう。野心は忘れた方が良い」と語った。 
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    • ジャック・マー氏、中国アント・グループの支配権放棄-株式保有調整
    • 原題:Jack Ma’s Retreat Undercuts China Pitch to Private Business (2)、Alibaba Gives Up Gains Spurred by Jack Ma’s Return to China (1)(抜粋)

      https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-28/RS5RCFT0G1KX01




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