<密閉・密集・密接」事業第一創業「山手線型電車」廃業支援と「密閉・密集・密接」8割減「全開・散在・遠隔」事業第二創業「山手線型電車」改修「特急サフィール踊り子型電車」起業支援とに対する両輪被災支援は必須か>
<コロナ被災支援=出世払い=原資は、GDP10%コロナ復興財源=コロナ国債発行。引き受けは日本政府中央銀行・・・、外国金融機関=一帯一路海外遠征=資本は排除か>
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堀内 重人(ほりうち しげと)Shigeto Horiuchi
運輸評論家
1967年生まれ。立命館大学経営学研究科博士前期課程修了。運輸評論家として執筆や講演活動、ラジオ出演などを行う傍ら、NPOなどで交通問題を中心とした活動を行う。著書に『ビジネスのヒントは駅弁に詰まっている』(双葉新書)、『観光列車が旅を変えた: 地域を拓く鉄道チャレンジの軌跡』(交通新聞社新書)、『地域の足を支える コミュニティーバス・デマンド交通』(鹿島出版会)ほか。
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2020/07/15 5:10
「
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個室寝台列車は「密」を防げる最強の交通手段だ
コロナ禍を機に長距離移動手段として復活を
」
筆者は4月中旬、3月のダイヤ改正でデビューしたばかりの特急「サフィール踊り子」に熱海から品川まで乗車した。
15時過ぎ、熱海駅へ入線する伊豆急下田行きの「踊り子」車内を見ると、グリーン車や普通車指定席の乗客は皆無であり、自由席は各車2~3人程度の乗客しかいなかった。それゆえ全車がグリーン車指定席である「サフィール踊り子」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/22/2c7dd14023eea83ac040c3aabbf45099.png)
はさらに乗客が少ないのではないかと思ったが、プレミアムグリーン車は定員20人に対して乗客3人であったものの、グリーン個室は半分程度埋まっていた。
まだデビューしたばかりの列車であるうえ、伊豆方面から東京方面への帰路に適した時間帯に運転されるため、もともと需要が見込める要素はあるものの、価格面で割高となる個室グリーン車が健闘していた。
そこで気づいたのが、個室は「3密」を避けられるということである。
ただし、寝台夜行列車を復活させるうえで、大きな課題となる事柄として、以下の3点がある。
(1)JR各社間の調整
(2)並行在来線を通る際の調整
(3)JR以外の運行会社の参入
(1)に関しては、寝台列車をはじめ、JR各社間をまたがって走行する列車はダイヤの調整などが大変であるため、「車両の老朽化」を理由に廃止されてしまった経緯がある。
JRが発足した当初は、商法で持ち株会社が認められていなかったため、各社を束ねる持ち株会社は設立されなかった。だが、現在は持ち株会社の創設が可能となったことから、一つの案としては後述のJRの制度設計見直しも含めた方策として各社を束ねる「JRホールディングス」を創設し、JR各社間のダイヤの調整を実施することも考えられる。
(2)に関しては、現時点でJRの列車が並行在来線を走行する際は、車両を並行在来線を運行する第3セクター鉄道に貸し、車両のリース料と運行委託費を得るという形になっている。JRが寝台夜行列車を運行する場合、第3セクター鉄道との調整が必要となる。
だが、国鉄分割民営化から30年以上が経過し、JR北海道やJR四国が経営困難な状況に追い込まれるなど、JR自体が制度設計を再度やり直すべき段階に来ているといえる。その際、並行在来線の経営も検討課題となるであろう。そこで、並行在来線は既存の路線も含め、各県がインフラを保有し、運営は元のJR旅客会社が担うようにするべきだと考える。この形であれば運行の調整は容易になる。
(3)は、「利益率が低い」ことを理由にJRが参入する意欲が低ければ、寝台夜行列車を安全かつ安定して運行できる事業者の新規参入を模索する必要がある。他社が運行を担い、JRが線路使用料を得る形が考えられる。
また、この夏、東急電鉄のクルーズ列車「ロイヤルエクスプレス」が北海道で運行される予定となっている。この列車は東急が企画・販売やサービスを担い、JR北海道が列車を運行する。このような形態で運行することも考えられる。
寝台夜行列車は潜在的な需要が見込めることに加え、今回のコロナウイルスの蔓延により、個室寝台車は「3密」にならないことから、安全でかつ安定した輸送手段であることが証明された。政府も「Go Toキャンペーン」を実施するのであれば、それと並行する形で、寝台夜行列車を復活させるための施策を打ち出す必要があると言える。1日も早い、個室の寝台夜行列車の復活が望まれる。
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