楽天モバイルが、念願の「プラチナバンド」=上り3MHz/下り3MHz帯域幅を獲得する見通しとなった。携帯電話やそれ以外も含めて用途が多く貴重なことからプラチナの名を冠する周波数帯を総務省から割り当てられることで、「つながらない」との悪評を払拭できるかが焦点だ。
しかし、楽天はこれで、プラチナバンドを割り当てられた他の携帯大手3社と並ぶことになるに過ぎない。
3社にはない〝武器〟を利用者にアピールして差別化を図ることが今後の課題となる。
総務省が9月29日で締め切った新しいプラチナバンドの割り当てには楽天のみが申請。
総務省の審査や23日の電波監理審議会から答申を受ける必要があるが、実質的に、楽天へのプラチナバンドの割り当てが決まった形だ。
競合他社ではソフトバンクの宮川潤一社長が「申請するかは検討中だが非常に確率は低い」と述べていた。
今回のプラチナバンドについて、昨年11月に携帯電話に利用可能か技術検証を求めると総務省の有識者会議で提案していたNTTドコモも申請しなかった。
「設備投資の優先順位などを考慮した」としたが、既存3社全社が楽天に譲った形となる。
令和2年の携帯電話事業の本格参入後から三木谷浩史会長を始め楽天モバイルの全幹部が割り当てを求め続けたプラチナバンドだが、課題は設備投資だ。
プラチナバンド獲得の前後で基地局設置に多額の費用を投じたソフトバンク=上り3MHz×3.3倍/下り3MHz×3.3倍の宮川氏は〝先輩〟として、「しっかりと設備投資を」とアドバイス。
三木谷氏は楽天のネットワークがクラウド化を進めていることから、「あまり費用はかからない」=3MHz÷10MHz=1対3か?と強調したが、プラチナバンド提供までの投資をいかに抑えられるかが重要となる。
そして最大の課題は、他社と同じようにつながりやすくなったとして、そこから楽天ならではのメリットをどうアピールできるかだ。
楽天の従来の武器だった低料金プランについては競合もオンライン専用ブランドから提供。
ソフトバンク=上り3MHz×3.3倍/下り3MHz×3やKDDI=上り3MHz×3.3倍/下り3MHz×3は、グループの金融サービスを利用するとポイント還元が増える「経済圏」を意識した料金プランを開始するなど楽天への対抗意識が鮮明だ。
ポイント還元をさらに上乗せするのか。それとも、全く別の新サービス=1対3狭帯域サービスか?を打ち出すのか。〝プラチナ後〟の三木谷氏の一手に注目が集まる。(大坪玲央)
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