大阪府泉佐野市の駐車場で、壁に張ってあったポスターに男が落書きしていた。通りがかりの人が見つけた本人に連絡した。連絡を受け駆けつけ、落書きしていた男をレスリング技で取り押さえた。器物損壊容疑。犯人は同市(82)。ポスターの顔写真にペンで中傷する言葉を書いた。 全日本社会人レスリング選手権大会などで優勝経験があり、「得意だった関節技を決めて取り押さえた。80歳超。ポスターへの落書きが相次ぎ警戒していた。民主主義への挑戦で許されない」と怒り心頭だった。
国民年金制度は昭和36年4月から始まった。厚生年金制度が男子現業昭和17年6月、男子事務と女子が昭和19年10月から始まったのと比べると遅いが、その当時国民皆年金という考え方は評価されるだろう。しかし、労働者派遣法などの悪法成立の結果、ただへさえ減ってきている厚生年金制度の保険料支払者が日雇い派遣・偽装請負などによって厚生年金制度に入れない結果、激減する結果となっている。平成16年につじつま合わせを行っても加入者を激減させているのだから対策になっていない。平成19年には記録漏れ問題が広がり、現行制度の見直し論に発展。厚生労働省は7日、低年金・低所得の高齢者に対する最低保障機能を強化するため、単身者に限って税金で基礎年金に一律1万5000円程度加算する検討を始めた。 現在、基礎年金は満額で月額6万6000円。「これでは生活できない」との声も強い。最低保障機能を強化する必要性は、4日の政府の社会保障国民会議最終報告も指摘した。厚労省は、夫婦世帯なら双方の基礎年金が満額で計13万2000円となるため「家計維持は可能」とみるが、単身者は「生活が困難」とみて、救済案の検討に着手した。 上乗せするかどうかは、年金を含めた総所得で決める。月額所得が基礎年金だけの人の場合、生活保護の生活扶助基準(最高8万820円)を上回るにはさらに約1万5000円が必要との根拠から、1万5000円程度を一律上乗せする案を検討している。現役世代で保険料を十分払えない人に、税で一部を肩代わりする支援策と併せて実施する案が有力となっている。 必要な財源は5000億円以上。障害基礎年金などにも対象を広げた場合は給付額が膨らむ可能性がある。生活保護との違いがあいまいとなる上に、高齢者の所得把握が必要になるといった課題も残されている。 現在の年金制度は、保険料を払った人が給付を受ける「社会保険方式」が基本。その理念がゆがめられるとして、厚労省は税による補てんに難色を示してきた。
回収したペットボトルから事務服・作業服などの衣料品などを作る「リサイクル」は行われている。しかし、再び使う再利用・回収したものを洗浄し、飲み物を詰めて再び販売する「リユース」の試みは試行段階である。 ペットボトルのリユースはドイツで初めて行われ、現在では20カ国以上で行われている。ドイツではソフトドリンク市場のうち、14.5%をリユース可能なペットボトルが占めている。回収率は、95%~98%。 ペットボトルのリユース(15回使用)は、リサイクルより環境負荷が半分で済むとされる(02年ドイツ環境庁調べ)。「環境に良い」のは間違いないのだが、国内では「衛生・安全面で不安」という声も根強く、取り組みは遅れてきた。 だが、国内でもリユースの可能性を探ろうと環境省が08年8月から首都圏で実証実験を始めた。横浜市と柏市のスーパー3店舗と生協店舗でミネラルウォーター1.5リットル入りの専用ペットボトルを新品状態で販売し、回収する。価格は130円だが、回収への動機付けのために、回収時に返却する「デポジット」として横浜市では10円、柏市では20円が上乗せされる。 新品のペットボトルは8月末から9月初旬にかけて2020本が販売され、そのうち882本が回収。変形したものなどを取り除いた約550本が洗浄され、再使用されることになった。ところが、業者がミネラルウィーターを詰めて抜き取り検査を行ったところ、10人いる調査員の全員が「プラスチック臭い」「石鹸臭い」などと異常を指摘したという。 環境省の環境省廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室では、「『石鹸臭い』ということからすれば、設備の洗浄が不十分だった可能性もあるが、あらゆる可能性を調査中」と話している。 リユースボトルは11月8日に発売される予定だったが、今回の不具合を受けて、11月下旬以降に延期されている。店頭では、リユースボトルであることを明記して販売される予定。環境省では、実証実験の結果を踏まえて、コスト・環境負荷などについて評価を進めるが、「きれい好き」とされる日本国内の消費者がどのように受け止めるかが、ひとつのポイントとなりそうだ。かっては、瓶詰め飲料、サイダーやビールなどで回収したビンを洗浄し再利用することが行われてきた。課題はあるだろうが、すでに20カ国で行われているペットボトルの再利用「リユース」。ぜひ日本でも定着して欲しいものである。