Max爺のひとり言

のこり少ない日々の記録
~でもまあ いろんなことをやってきたなあ~

スピーカーマイクにPTTロックを付けた

2022年10月21日 | アマチュア無線

江戸川土手での徘徊QSOをしていると、”貴方の信号は通話中にプツッ、プツッと途切れますよ、アンテナの給電部が緩んでるんじゃ~ないですか?”、とアドバイスを受けることが多くなった。

3mの釣竿の先にAWX/RFアンテナを付けてあげているので、風で釣竿が揺れる所為ではないか?、といつも答えていた。

ところがある日、ハンディーマイクのPTTボタンを抑えている自分の親指が緩んでPTTボタンを抑えなおしている自分がいた。話が長くなり、PTTを長く抑えていると、親指も気を抜くのか、だれてくるのか、PTTの抑えがゆるくなったり、また、はっと気づいて強く抑えたりして、ガリガリ、ブツブツ、といった音が混じってしまうのだろう。 厄介なことに、このガリガリ、ブツブツという音は、送信側の自分には全く聞こえないのだわ。

う~む、どうしたものか、と考えてみた・・・ 

・PTTロック付きのスタンドマイクを買うか?
・VOX(音声をいれると自動的にPTTが入る機構)スピーカーマイクセットを買うか?
・自分でPTTをロックする機構を作るか?

金もないので、自分でPTTロックを作ることを選択。 以前、QCX+の電源スイッチの取り付けを失敗した時に、20個で¥300位で中国の通販で買ったオルターネート式のプッシュスイッチが、どっさり残っていた。 1個しか使わないんだが・・・もったいないなあ~と心に残っていた。 今はAmazonでも売ってる。

これだ; 2回路3接点On-Off用、6本の足は外側に広げた状態。 ボディのサイズは7㎜x7㎜。

このスイッチは、タクトスイッチとは違い、押すとロックされて接点が導通、再度押すとロックが外れ接点が非導通になる、オルターネイトタイプ。 PTTロックのためのスイッチとしては打ってつけである。 また、これに取り付けられるキャップもAmazonで20個¥500くらいで売っていたので買った。 中側の穴が2㎜x3㎜となっており、スイッチに取り付けてみるとピッタリと固定された。 

早速スピーカーマイクを分解; 裏蓋を外しただけです(^^);

PTTボタンを押すと、レバーが中にあるタクトスイッチを押し、上の丸印の2つの接点が導通することでマイクラインに電流が流れて送信が可能になる仕組みだ。 試しに短い電線で2つの接点繋ぐと無線機の送信LEDランプが赤くともる。

このタクトスイッチに代わりオルターネートスイッチで2つの接点を閉じれば、スイッチが入っている間中送信ができる、ということになる。 回路が簡単だから、PTTボタンに並列にPTTロックの回路を入れることにした。 PTTボタン(短時間通話用)とPTTロック(長話用)の2系統が使える。

早速工作開始;

マイクの上部に7㎜x7㎜の穴を空ける。 木工用スペードドリルΦ7㎜で丸い傷を付け、カッターで削って7㎜角の四角穴とした。 ダイアモンド鑢(やすり)も使った。

2つの接点とオルターネートスイッチの接点を配線した。 配線はLanケーブル(フラット)から取り出したツイスト細線。 

四角い穴の下には裏蓋のねじ止め用のプラスチックの柱がある。 スイッチの足を両側に広げてはめ込むと、スイッチを押した時のストッパーになるので好都合。 両側に広げた足自体は、スイッチが引っこ抜けないように逆向きのストッパーとして働くという、ぴったんこのソリューションとなった。 しっかりと固定してください。 場合によっては接着してください。

ご注意: QSL中にお相手から「信号が途中で途切れる」、「ブツブツ音が混じる」、等の応答があった場合は、以下の2点を疑ってください;

1.スイッチの取り付けがしっかりと動かないようになっていること
  取り付けがゆるいと使用中に動いてしまってノイズ発生の原因となり得る。
2.スイッチの内部機構の劣化
  もともと摺動部のある部品ですから、オン・オフ時には「ジャッ」「ザッ」というノイズは発生します。 長く使っていると摺動部が劣化し、オン・オフ時とは異なるノイズの発生原因となります。 風切りよけのカバー等でハンドマイクを覆う場合、QSO中に握りなおす等でカバーが動き、スイッチが微妙に動かされることがあります。

裏蓋を閉めると、こうなる; かっこい~、あつらえたみたい。

分解したネジ類を締めて元に戻して完成。 簡単じゃ~ん!

短時間の送信にはPTTボタンで、長時間の送信にはPTTロックスイッチを押してしゃべれば良い。 ただし、PTTロックスイッチを入れたまま忘れると送信しっぱなしとなる。 が、交信中はお相手がいるので忘れることはなく、最後の交信後には無線機の電源を切るので、実用上の問題にはならないと思われる。 問題は、押したまま無線機の電源を入れる時だけだ。 最初は自分が喋るから気が付くでしょ。 問題ないと思う。

ご注意:
PTTロックボタンを付けた場合、PTTがオンのまま無線機の電源を落とす可能性が出てきます。 その場合、無線機によっては、次回電源を入れた時に「送信ランプ」が点滅した状態となり、送信不能の状態で立ち上がることがあります。 この状態になった場合は、一旦電源を切り、電源を入れなおすと治ります。

マイク本体にも送信中に点灯するLEDランプを付けたら、もっと分かりやすくなるんじゃないか、と考え、1KΩを繋いだLEDを直列、並列と、いろんな形で繋いでみたんだな。 単純に接点間にLEDを入れた場合(LED回路で直列導通状態)、LEDは点灯するがPTTを押すと、PTTとLEDは並列導通状態となり、無線機のLEDは点灯するが、マイクのLEDが消える。 恐らく、追加のLED回路を並列に入れると、既存のマイク回路に電圧・電流値を取られ、並列したLEDが点灯しなくなるのだろう。 面倒だから、マイクにLEDをつけるのは止めた。 ちなみに、接点間をテスタで計測すると、3.2V、0.9mAであった。 

テスト; 

PTTボタンを押すと;無線機の送信中のLEDランプが点灯。 離すと消える。
親指がみえるでしょっ! PTTボタン(短時間通話)の方を押しています。

PTTロックスイッチを押すと、送信中LEDランプが点灯する。 キャップが沈んでいるの分かりますよね(^^)。

PTTロックスイッチを再度押すと、送信中LEDランプは消える。 キャップが飛び出してるでしょっ!

一応念のために、2つのハンディー機で送受信テストを実施した。

PTTボタンを離す時、PTTロックボタンを切るときにザッ、ジャッ、という切断音(テールノイズという)が出るのは・・・仕方がないか・・・

Kenwoodのハンディー機の出すテールノイズは短く小さくYaesu側で聞こえる。 Yaesuのハンディー機のテールノイズは大きめにKenwood側で聞こえる。 ノイズ処理回路に多分違いがあるように思える。

チャタリング(接点を繋いだり切り離したりする時に電流が流れ始めたり切れ終わるまでの時間)はタクトスイッチ(PTTボタン)の方が、ロックスイッチ(PTTロック)よりも短い。 これはテールノイズの時間の長さに関係する。

QCX+の電源スイッチに同じものを使っているが、やはりスイッチを入れる時には、ガリッという音がイヤホンから聞こえる。

この送受信テストでテールノイズを聞いたんだが、この音が通話中にお相手に聞こえていたんだと思うと、ゾッと(ザっと)するね。(^^; だが、今回の工作で、こちらの送信が中途で途切れるということは無くなる筈だ。

テールノイズに文句を言う人がいたら、”それは Standby Beep(or Pee) だと思ってください”、と言うことにしよう。 

スタンバイビープ(またはスタンバイピー)というのは、あのアポロ13号とNasaが交信していた時、通信の終わりに、”ピー”っという音が入っていたでしょ? あれです。 ”交信終了、そちらから送信どうぞ”、という意味になります。 ワシの場合は、”ザッ”、”ジャッ”、です。

かくして、PTTロック付きハンディースピーカーマイクの完成です! 

早速江戸川土手に徘徊QSOに行こうっと! 

また楽しみが増えたワイ。

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