止まらぬ「反アマゾン」「反グーグル」「反FB」…世界的ネット企業が欧米で袋叩きされる背景
2014.7.13 12:00[岡田敏一のエンタメよもやま話]
さて、今週の本コラムは、いまや世界のメディアを騒がせる立派な“エンターテインメント”である中国のトンデモ行動ではなくて、久々のネット業界ネタをご紹介します。
最近、欧州を中心とした世界各国で、米の大手ネット企業に対する批判の声がかつてない程の高まりを見せています。今回はそれについてまとめてみたいと思います。
まずはネット通販でおなじみ、アマゾンです。昨年の10月14日付の本コラムでご紹介した一件の続報でもあるのですが、いよいよフランスが、アマゾンに代表されるネット書店業者に対し、書籍を値引き販売して、無料配達するというサービスを禁止する法案を可決・成立することになったのです。
大臣「アマゾン通販は文化を破壊」
6月26日付フランス通信(AFP)や30日付米紙ニューヨーク・タイムズ(いずれも電子版)などが報じていますが、フランス議会の上院が6月26日、この法案を可決したのです。
ちなみにこの法案、通称「反アマゾン法」と呼ばれているのですが、既に下院が昨年10月、全会一致で可決しており、今回の上院での可決を受け、近く、フランソワ・オランド大統領が署名して成立します。
街の本屋さんや活字文化を守る意味から、フランスでは1981年施行の「ラング法」によって、書籍に関しては商品供給元が販売店に対して販売価格を指定し、それを守らせる「再販制度」を認めるとともに、販売時の値引き率も最大5%に制限しています。
しかし、定価の5%引きは当たり前のうえ、送料まで無料というアマゾンをこれ以上野放しにしないため、近く成立する法案では、販売価格に関してはこれまで通り、最大5%の割引率を認めるものの、無料配送は完全に禁止されます。
フランスのオレリー・フェリペティ文化大臣は昨年、AFPに対し、アマゾンの安売り戦略を批判し「アマゾンは(わが国の出版市場において)支配的な地位にあり、わが国の書店ネットワークを破壊しているが、今後、その安売り戦略は後退することになる」と宣言しました。
EU労組が連帯…あのアマゾン無人機も「配達の飛行、認めない」
いかにもフランスらしい制裁措置ですが、敵視しているのはフランスだけではありません。ロイター通信が7月3日に伝えていますが、ドイツの労働組合ヴェルディが、英、米、ポーランド、チェコの労組をベルリンに招き、2、3の両日「アマゾンの従業員の労働条件を改善するため、国境を越え、手を取り合って戦おう!」と気勢を上げたのです。
ヴェルディはこれまでから、アマゾンの従業員、とりわけ物流担当者の給与引き上げなどを巡り、何度もストライキを敢行しましたが、アマゾン側が要求を拒否し続けているため、各国の労組に呼びかけたのです。
アマゾンの巨大倉庫で、従業員がロボットの如くあくせく働かされる様はあちこちで揶揄(やゆ)されていますが、各国の労組は、そうした過酷な長時間労働の改善を訴え続けるといいます。
米当局、アマゾン無人機を“撃墜”
そんなアマゾンですが、本国である米国でも大変なことになっています。
6月24日付英紙デーリー・メールや25日付ニューヨーク・タイムズによると、アマゾンが昨年12月に大々的に発表した小型の無人機を使う空飛ぶ宅配サービス「アマゾン・プライム・エア」について、米連邦航空局(FAA)が、危険性の高さを理由に、認可しない可能性を示唆したのです。
FAAは6月23日に発表した新たなガイドラインで「2007年以降、米国では無人機の商業利用は違法であり、新たなルールが決まるまで、その事実は変わらない。趣味などで高度122メートル以下を飛ぶ無人機は合法だが、商業利用は禁止されている」と、従来の方針を改めて強調するとともに、違法な商用サービスの例として、わざわざ「有料による小包の配達」「送料が無料の場合も含む」などと記述したのです。誰でも分かりますが、これ、アマゾンのサービスを名指ししているのと同じですね。
グーグルにも逆風…あの眼鏡も「盗撮アイテム。使用禁止だ」
FAAは来秋にも無人機の商用利用を解禁する方針で、アマゾンではそれに合わせてこの空飛ぶ宅配サービスを展開する計画です。FAAは解禁に向け、商業利用に関するガイドラインを策定しますが、今回の新ガイドラインを受け、欧米主要メディアは、アマゾンの空飛ぶ宅配サービスは事実上、実施不可能になったと一斉に報じました。
グーグルグラス「上映中でなくても禁止」
何だか踏んだり蹴ったりですが、アマゾンと同様、吹き荒れる逆風に苦慮しているのがグーグルです。
ロイター通信やAFPなど世界中のメディアが報じていますが、今年5月に欧州司法裁判所が下した裁定を受け、とうとうユーザーが主張する「ネット上から忘れられる権利」を認めさせられ、6月末から、要望のあった個人の情報の削除作業に入っています(この問題については後日、詳しくご紹介いたします)。
そのうえ、今後、IT(情報通信)分野においてスマートフォン(高機能携帯電話)に次ぐ最有望市場になると期待されているウエアラブル(身に付ける)端末の代表格「グーグルグラス(眼鏡型端末)」が欧州でやり玉にあげられたのです。
4月15日に米で一般限定発売された「グーグルグラス」は英でも6月23日、開発者向けに発売されたのですが、英国内のほぼすべての映画館が、映画本編の盗撮防止を理由に座席での使用を禁止したのです。
現実世界とネットの世界をリアルに融合する画期的なアイテムとして脚光を浴びる「グーグルグラス」ですが、6月29日付英紙インディペンデント(電子版)などによると、英国映画館主協会(CEA)のフィル・クラップ会長は「映画館の観客は、映画が上映中かそうでないかに関わらず、シアターの座席ではグーグルグラスの着用を禁止する」と宣言しました。
CEAには全英の90%の映画館(約3900スクリーン)が加盟。今回打ち出した使用規定に法的強制力はなく、あくまで勧告ですが、加盟する映画館はこれに従うとみられます。
FBI登場する騒ぎ…豪華社員バスでは市民と揉めたグーグル
さらに英では業界第3位の映画館チェーン「ヴュー」も、系列の映画館では、シアターに着席した観客に対し、照明が消える前にグーグルグラスを外すよう求める方針を明かしました。 米では昨年5月、開発者向けに先行発売した時点で、プライバシー保護などの観点から、飲食店やカジノなどでの着用禁止の動きが一気に広がりましたが、映画絡みでいえば、今年1月、オハイオ州コロンバスの米大手チェーンAMCの映画館で、グーグルグラスを着用したまま映画「エージェント:ライアン」を鑑賞していた男性が、録画していなかったにも関わらず、米連邦捜査局(FBI)の捜査官に尋問され、館外に連れ出される騒ぎが発生。以降、全米でも使用禁止にする映画館が増えています。
しかし英国でのほぼ全面禁止という措置を受け、米でも映画館での使用が全面禁止になる可能性が指摘されています。
グーグル側はCEAの勧告について「携帯電話などと同様、観客には上映前に電源を切るよう求めればよいだけだ」と反論し、「この製品は目の上に着用するうえ、作動すると必ず画面が点灯するため、盗撮用の機器としては非常にお粗末である」と説明しましたが、むなしい言い訳にしか聞こえませんね。
「グーグルグラス」に関しては、当初こそ騒がれていましたが、最近は“夢の機器”とはほど遠いネガティブな報道が目立ちます。そしてグーグルといえば、地元サンフランシスコでも社員の通勤用シャトルバスに関し、地元住民と激しく対立していましたね。
“人体実験”したFB「感情は他人から伝染する」
そして極めつけがフェイスブック(FB)です。全世界の利用者10億人の0・04%(2500人に1人の割合)にあたる68万9000人を対象に、2012年1月、投稿内容によって利用者の感情がどのように変化するかを調べる秘密実験を行っていたことが6月29日、明らかになったのです。
英BBC放送など欧米主要メディアが怒りを込めて一斉に報じましたが、実験はFBの研究者アダム・クレイマー氏をはじめ、米コーネル大学と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者が実施しました。
印象操作の実験してた…利用者たち激怒「実験室のネズミか!」
具体的には、友人やファンページの投稿を表示する「ニュースフィード」を細工し、積極的な内容に偏った投稿と、悲観的な内容に偏った投稿をそれぞれ見せ、彼らの感情の変化を調べたのです。平たくいえば、利用者の感情を意図的に操作していたわけですね。
FB側は、利用規約に同意した時点で研究・分析が目的のデータ利用にも同意したことになっており、倫理的問題はないと判断。実験の事実を利用者に知らせませんでした。
実験結果を踏まえ、FB側は「人の感情は自分が気付かぬうちに他人の感情を経て伝染する」と指摘し「FB上では他人の感情が自分の感情に影響を与えることが証明され、SNSでは感情が大規模に伝染することが判明した」と結論付けました。
この実験結果が6月17日、米科学誌「米科学アカデミー紀要」に掲載され、それを複数の米ネット誌が報じ、失礼千万な秘密実験の事実が公になったのです。FB側は謝罪しましたが、しかし利用者や欧米メディアは「FBにとってわれわれは実験室のラットである」(豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー)などと強く非難しました。
情報保護違反、アイルランドなど協議中
さらに、7月2日付ロイター通信によると、英国で個人情報の保護を管轄する独立行政機関「情報コミッショナー事務局(ICO)」が、今回の秘密実験が英国の情報保護法に違反している疑いがあるとして調査に乗り出したと報じました。
ICOは企業に個人情報の利用方針の変更を命じる権限を有し、最大50万ポンド(約8750万円)の罰金を科す権限も持っています。ICOの広報担当、グレッグ・ジョーンズ氏はロイター通信に「問題は理解しており、さらなる状況把握のため、(FBの欧州本部がある)アイルランドのデータ保護当局と連携し、FB側と協議している」と説明しました。
結局、背景に根深い「あの問題」が…
昨年10月にフランスでのアマゾンの一件をご紹介したときにも書きましたが“欧州VS米ネット企業”という対立構造は、米ネット企業が欧州を利用して大胆な租税回避を続けていることもあり、ますます先鋭化している気がしますが、今年に入り、その動きはかつてないほど活発化しています。そう遠くない未来、双方の間で決定的かつ避けられない“ガチンコ対決”が起きるのは間違いないでしょう。
(岡田敏一)
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部などを経て現在、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。
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■毎週、日本を含む世界のエンタメの面白情報などをご紹介します。ご意見、ご要望、応援、苦情は toshikazu.okada@sankei.co.jp までどうぞ。
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以上MSN産経ニュースからの引用終わり。(写真も記事からの借用です。)
記事本文とは若干論点がずれるが、アマゾン・グーグル・Facebook.etc.に問題がないわけがない。
もしも仮に彼らの中の極一部の〔正規従業員〕に不心得な人間がいただけで、顧客の個人情報は外部流出してしまう。住所・氏名・電話番号・携帯番号・家族構成・趣味志向・知人友人関係・・・etc.が〔名簿業者〕に〔売れる〕つまりは〔金になる〕からである。そういう時代なのである。ベネッセから漏れ出た情報は下請け会社の一社員が違法と知りつつ手配・算段したものらしい。そいつが小学生の情報を〔一件\150〕で業者に売ったというのである。その情報が数として700万件も2,000万件もあったなら、彼は労せずして一気に大金を掴んだことになる。狡賢いのか単なるアホなのか知らないが、彼は〔いつかはばれる〕とは思わなかったのだろうか?
「他人(ひと)を見たら泥棒と思え」ではないが、WEB社会にも一般世間同様、他人の懐を狙う「悪人」が無数に生息しているのである。
2014.7.13 12:00[岡田敏一のエンタメよもやま話]
さて、今週の本コラムは、いまや世界のメディアを騒がせる立派な“エンターテインメント”である中国のトンデモ行動ではなくて、久々のネット業界ネタをご紹介します。
最近、欧州を中心とした世界各国で、米の大手ネット企業に対する批判の声がかつてない程の高まりを見せています。今回はそれについてまとめてみたいと思います。
まずはネット通販でおなじみ、アマゾンです。昨年の10月14日付の本コラムでご紹介した一件の続報でもあるのですが、いよいよフランスが、アマゾンに代表されるネット書店業者に対し、書籍を値引き販売して、無料配達するというサービスを禁止する法案を可決・成立することになったのです。
大臣「アマゾン通販は文化を破壊」
6月26日付フランス通信(AFP)や30日付米紙ニューヨーク・タイムズ(いずれも電子版)などが報じていますが、フランス議会の上院が6月26日、この法案を可決したのです。
ちなみにこの法案、通称「反アマゾン法」と呼ばれているのですが、既に下院が昨年10月、全会一致で可決しており、今回の上院での可決を受け、近く、フランソワ・オランド大統領が署名して成立します。
街の本屋さんや活字文化を守る意味から、フランスでは1981年施行の「ラング法」によって、書籍に関しては商品供給元が販売店に対して販売価格を指定し、それを守らせる「再販制度」を認めるとともに、販売時の値引き率も最大5%に制限しています。
しかし、定価の5%引きは当たり前のうえ、送料まで無料というアマゾンをこれ以上野放しにしないため、近く成立する法案では、販売価格に関してはこれまで通り、最大5%の割引率を認めるものの、無料配送は完全に禁止されます。
フランスのオレリー・フェリペティ文化大臣は昨年、AFPに対し、アマゾンの安売り戦略を批判し「アマゾンは(わが国の出版市場において)支配的な地位にあり、わが国の書店ネットワークを破壊しているが、今後、その安売り戦略は後退することになる」と宣言しました。
EU労組が連帯…あのアマゾン無人機も「配達の飛行、認めない」
いかにもフランスらしい制裁措置ですが、敵視しているのはフランスだけではありません。ロイター通信が7月3日に伝えていますが、ドイツの労働組合ヴェルディが、英、米、ポーランド、チェコの労組をベルリンに招き、2、3の両日「アマゾンの従業員の労働条件を改善するため、国境を越え、手を取り合って戦おう!」と気勢を上げたのです。
ヴェルディはこれまでから、アマゾンの従業員、とりわけ物流担当者の給与引き上げなどを巡り、何度もストライキを敢行しましたが、アマゾン側が要求を拒否し続けているため、各国の労組に呼びかけたのです。
アマゾンの巨大倉庫で、従業員がロボットの如くあくせく働かされる様はあちこちで揶揄(やゆ)されていますが、各国の労組は、そうした過酷な長時間労働の改善を訴え続けるといいます。
米当局、アマゾン無人機を“撃墜”
そんなアマゾンですが、本国である米国でも大変なことになっています。
6月24日付英紙デーリー・メールや25日付ニューヨーク・タイムズによると、アマゾンが昨年12月に大々的に発表した小型の無人機を使う空飛ぶ宅配サービス「アマゾン・プライム・エア」について、米連邦航空局(FAA)が、危険性の高さを理由に、認可しない可能性を示唆したのです。
FAAは6月23日に発表した新たなガイドラインで「2007年以降、米国では無人機の商業利用は違法であり、新たなルールが決まるまで、その事実は変わらない。趣味などで高度122メートル以下を飛ぶ無人機は合法だが、商業利用は禁止されている」と、従来の方針を改めて強調するとともに、違法な商用サービスの例として、わざわざ「有料による小包の配達」「送料が無料の場合も含む」などと記述したのです。誰でも分かりますが、これ、アマゾンのサービスを名指ししているのと同じですね。
グーグルにも逆風…あの眼鏡も「盗撮アイテム。使用禁止だ」
FAAは来秋にも無人機の商用利用を解禁する方針で、アマゾンではそれに合わせてこの空飛ぶ宅配サービスを展開する計画です。FAAは解禁に向け、商業利用に関するガイドラインを策定しますが、今回の新ガイドラインを受け、欧米主要メディアは、アマゾンの空飛ぶ宅配サービスは事実上、実施不可能になったと一斉に報じました。
グーグルグラス「上映中でなくても禁止」
何だか踏んだり蹴ったりですが、アマゾンと同様、吹き荒れる逆風に苦慮しているのがグーグルです。
ロイター通信やAFPなど世界中のメディアが報じていますが、今年5月に欧州司法裁判所が下した裁定を受け、とうとうユーザーが主張する「ネット上から忘れられる権利」を認めさせられ、6月末から、要望のあった個人の情報の削除作業に入っています(この問題については後日、詳しくご紹介いたします)。
そのうえ、今後、IT(情報通信)分野においてスマートフォン(高機能携帯電話)に次ぐ最有望市場になると期待されているウエアラブル(身に付ける)端末の代表格「グーグルグラス(眼鏡型端末)」が欧州でやり玉にあげられたのです。
4月15日に米で一般限定発売された「グーグルグラス」は英でも6月23日、開発者向けに発売されたのですが、英国内のほぼすべての映画館が、映画本編の盗撮防止を理由に座席での使用を禁止したのです。
現実世界とネットの世界をリアルに融合する画期的なアイテムとして脚光を浴びる「グーグルグラス」ですが、6月29日付英紙インディペンデント(電子版)などによると、英国映画館主協会(CEA)のフィル・クラップ会長は「映画館の観客は、映画が上映中かそうでないかに関わらず、シアターの座席ではグーグルグラスの着用を禁止する」と宣言しました。
CEAには全英の90%の映画館(約3900スクリーン)が加盟。今回打ち出した使用規定に法的強制力はなく、あくまで勧告ですが、加盟する映画館はこれに従うとみられます。
FBI登場する騒ぎ…豪華社員バスでは市民と揉めたグーグル
さらに英では業界第3位の映画館チェーン「ヴュー」も、系列の映画館では、シアターに着席した観客に対し、照明が消える前にグーグルグラスを外すよう求める方針を明かしました。 米では昨年5月、開発者向けに先行発売した時点で、プライバシー保護などの観点から、飲食店やカジノなどでの着用禁止の動きが一気に広がりましたが、映画絡みでいえば、今年1月、オハイオ州コロンバスの米大手チェーンAMCの映画館で、グーグルグラスを着用したまま映画「エージェント:ライアン」を鑑賞していた男性が、録画していなかったにも関わらず、米連邦捜査局(FBI)の捜査官に尋問され、館外に連れ出される騒ぎが発生。以降、全米でも使用禁止にする映画館が増えています。
しかし英国でのほぼ全面禁止という措置を受け、米でも映画館での使用が全面禁止になる可能性が指摘されています。
グーグル側はCEAの勧告について「携帯電話などと同様、観客には上映前に電源を切るよう求めればよいだけだ」と反論し、「この製品は目の上に着用するうえ、作動すると必ず画面が点灯するため、盗撮用の機器としては非常にお粗末である」と説明しましたが、むなしい言い訳にしか聞こえませんね。
「グーグルグラス」に関しては、当初こそ騒がれていましたが、最近は“夢の機器”とはほど遠いネガティブな報道が目立ちます。そしてグーグルといえば、地元サンフランシスコでも社員の通勤用シャトルバスに関し、地元住民と激しく対立していましたね。
“人体実験”したFB「感情は他人から伝染する」
そして極めつけがフェイスブック(FB)です。全世界の利用者10億人の0・04%(2500人に1人の割合)にあたる68万9000人を対象に、2012年1月、投稿内容によって利用者の感情がどのように変化するかを調べる秘密実験を行っていたことが6月29日、明らかになったのです。
英BBC放送など欧米主要メディアが怒りを込めて一斉に報じましたが、実験はFBの研究者アダム・クレイマー氏をはじめ、米コーネル大学と米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者が実施しました。
印象操作の実験してた…利用者たち激怒「実験室のネズミか!」
具体的には、友人やファンページの投稿を表示する「ニュースフィード」を細工し、積極的な内容に偏った投稿と、悲観的な内容に偏った投稿をそれぞれ見せ、彼らの感情の変化を調べたのです。平たくいえば、利用者の感情を意図的に操作していたわけですね。
FB側は、利用規約に同意した時点で研究・分析が目的のデータ利用にも同意したことになっており、倫理的問題はないと判断。実験の事実を利用者に知らせませんでした。
実験結果を踏まえ、FB側は「人の感情は自分が気付かぬうちに他人の感情を経て伝染する」と指摘し「FB上では他人の感情が自分の感情に影響を与えることが証明され、SNSでは感情が大規模に伝染することが判明した」と結論付けました。
この実験結果が6月17日、米科学誌「米科学アカデミー紀要」に掲載され、それを複数の米ネット誌が報じ、失礼千万な秘密実験の事実が公になったのです。FB側は謝罪しましたが、しかし利用者や欧米メディアは「FBにとってわれわれは実験室のラットである」(豪紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー)などと強く非難しました。
情報保護違反、アイルランドなど協議中
さらに、7月2日付ロイター通信によると、英国で個人情報の保護を管轄する独立行政機関「情報コミッショナー事務局(ICO)」が、今回の秘密実験が英国の情報保護法に違反している疑いがあるとして調査に乗り出したと報じました。
ICOは企業に個人情報の利用方針の変更を命じる権限を有し、最大50万ポンド(約8750万円)の罰金を科す権限も持っています。ICOの広報担当、グレッグ・ジョーンズ氏はロイター通信に「問題は理解しており、さらなる状況把握のため、(FBの欧州本部がある)アイルランドのデータ保護当局と連携し、FB側と協議している」と説明しました。
結局、背景に根深い「あの問題」が…
昨年10月にフランスでのアマゾンの一件をご紹介したときにも書きましたが“欧州VS米ネット企業”という対立構造は、米ネット企業が欧州を利用して大胆な租税回避を続けていることもあり、ますます先鋭化している気がしますが、今年に入り、その動きはかつてないほど活発化しています。そう遠くない未来、双方の間で決定的かつ避けられない“ガチンコ対決”が起きるのは間違いないでしょう。
(岡田敏一)
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【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部などを経て現在、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当。ロック音楽とハリウッド映画の専門家。京都市在住。
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■毎週、日本を含む世界のエンタメの面白情報などをご紹介します。ご意見、ご要望、応援、苦情は toshikazu.okada@sankei.co.jp までどうぞ。
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以上MSN産経ニュースからの引用終わり。(写真も記事からの借用です。)
記事本文とは若干論点がずれるが、アマゾン・グーグル・Facebook.etc.に問題がないわけがない。
もしも仮に彼らの中の極一部の〔正規従業員〕に不心得な人間がいただけで、顧客の個人情報は外部流出してしまう。住所・氏名・電話番号・携帯番号・家族構成・趣味志向・知人友人関係・・・etc.が〔名簿業者〕に〔売れる〕つまりは〔金になる〕からである。そういう時代なのである。ベネッセから漏れ出た情報は下請け会社の一社員が違法と知りつつ手配・算段したものらしい。そいつが小学生の情報を〔一件\150〕で業者に売ったというのである。その情報が数として700万件も2,000万件もあったなら、彼は労せずして一気に大金を掴んだことになる。狡賢いのか単なるアホなのか知らないが、彼は〔いつかはばれる〕とは思わなかったのだろうか?
「他人(ひと)を見たら泥棒と思え」ではないが、WEB社会にも一般世間同様、他人の懐を狙う「悪人」が無数に生息しているのである。