自民党とアップ税率争い 菅民主党 消費税選挙に持ち込んだ過信と落とし穴
【政治・経済】
2010年6月18日 『日刊ゲンダイ』掲載
過去、増税選挙で勝った与党はない
「10年度内に消費税のあるべき税率を取りまとめる。(税率は)自民党が提案する10%をひとつの参考とする」――。17日の参院選マニフェストの発表会見で、菅首相が消費税増税に言及した。さっそく最大のニュースになっている。与野党トップ同士が、国政選挙で消費税アップを競う異常事態だが、菅民主党は調子に乗っていると、痛い目にあうぞ。
●有権者は生活問題に敏感
過去に与党が消費税を打ち出して、選挙に勝ったためしはない。典型は、自民党が過半数割れに追い込まれた、1979年の衆院選だ。
時の宰相、大平正芳首相が、財政再建のために「一般消費税」導入を打ち出したところ、有権者が猛反発。自民党は、前回76年の「ロッキード選挙」を下回る248議席しか獲得できず、大平首相の責任問題をめぐり、分裂状態に。いわゆる「40日抗争」が勃発し、党内は大混乱に陥った。
「89年の消費税導入直後の参院選も、自民党は惨憺たる結果でした。消費税導入に、リクルート事件や、当時の宇野首相自身の“三本指”女性スキャンダルが重なり、自民党は前回72議席から36議席という歴史的大敗を喫したのです。地方区の多い1人区は前回25勝1敗から一転、3勝23敗と大幅に負け越し。消費税導入への反感は、地方の方が強かったのです」(政界関係者)
この時、幹事長として、「チクショー」と悔しがった橋本龍太郎が、首相となった98年の参院選でも、自民党は大惨敗を喫した。前年に消費税を3%から5%に引き上げ、景気後退と失業率上昇を招いた。恒久減税をめぐる橋龍の発言が二転三転したことも、有権者の反感を買って、橋龍は即日退陣に追い込まれた。
「この時は、当選者2人以上の複数区で自民候補の共倒れが相次ぎ、改選の60議席から獲得44議席と、大きく議席を減らしました」(政界関係者)
逆進性の高い消費税は、低所得者ほど負担が重くなる。民主支持層は、連合を核とした民間労組や中間層サラリーマンが中心だ。財界を中心に金持ち優遇を要求してきた自民支持層と違って、消費税増税のダメージは大きい。
民主党は、昨年の総選挙マニフェストで「消費税引き上げを4年間封印する」とうたっていた。それが、菅首相になった途端、今年度中にアップ率を決めるときたのだから、支持者は「聞いてないよーっ」だろう。
世論調査ではテキトーに財政再建賛成と答えた人でも、自分の家計が増税赤字となれば態度を変える。菅首相は相手が弱い自民党だから、今回がチャンスと考えたのだろうが、かつて自民党も弱い野党に負けたのが増税選挙の怖さなのだ。
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これも財務省の政策であって、元ネタが同じだから自民党と同じになってしまうのである。何の不思議もない。「抱きつきお化け」(石破)は自民も民主も同じなのである。民主党は増税論議さえも「四年間は凍結」と謳って選挙に大勝した。その公約をまたもやかなぐり捨てたのである。
恐らく財務省の口車に乗ってその気になったのだろうが、今このタイミングで増税論議の口火を切らなければならない理由はどこにも見当たらず、そうして見るとイラカンという男もつくづく馬鹿で愚かな男であると言わざるを得ない。
元々民主党が勝とうが負けようが私には関係ないことだが、もし民主党が大敗してその結果「政界再編」に加速度がつくようだと我々は大いに迷惑するのである。私は民主党など爪の先程も信用していないが、とりあえずあと三年間はこのまま政権を担当して貰わないとこの国はワヤなのである。ぁそ。
小泉・忠犬ポチ政権がまだ健在だった頃、私は「全部まとめてガラガラポン」という「政界再編」には「自民党の解体(崩壊)」を条件に賛成であると言った。あれから幾星霜を経たか、自民党は確かに見掛け上「ボロボロ」「ガタガタ」の歯っ欠け状態に陥っているが、これはアブナイ人たちの「偽装解散」と相通じる面持ちがあって、参院選の結果次第では主だったメンバーは何だかんだ屁理屈を捏ねて、再び居心地のいい自民党に仲良く舞い戻って来る可能性大であると私は見ている。そうでもしないとこの「保守の老舗」は本当に解体~消滅してしまうかも知れないからである。
だいたいがあーた、新党、新党って、いったい与謝野・枡添らの誰がどの党を立ち上げたか、これを逐一正確に言えますか?
私は自慢じゃないけど渡辺喜美の「みんなの党」くらいしか言えません。笑。
あそこも仮に何かの拍子で「政権与党」に参入出来れば直ちに(最低でも)「渡辺行革大臣」は確定するだろうが、自民300議席の中にあっても官僚に蹴飛ばされて出来なかったことが今度は出来るという保証は何もないのである。
「少数野党だからこそ何でも言える」という点では共産党もみんなの党も同じ穴の狢なのだ。
cf.ちなみに『ヨッシー日記』にはこうあった。 ↓ ↓
2010年6月16日 (水)
逃げ菅
菅内閣の不信任案に賛成。首相のクビすげ替えによる10日間のロスタイムを延長せず、予算委員会も開かず、ただひたすら逃げる総理。
何を恐れているのか。多分、「イラ菅」の本性発揮で、キレてしまうこと。あまりにも経済オンチで論争に行き詰ること。側近の荒井国家戦略相などの事務所費問題が沸騰してしまうこと、等々。要は、ボロが次々と出てせっかくの高支持率が落ちてしまうことだ。
本当にフザケた政権だ。昨年夏のマニフェストの目玉は大半がウソ。詐欺の代名詞となった。総理を変えたら済むことではない。失政の反省も分析もなく、官僚宥和路線をひた走る。
菅総理は永井陽之助教授の門下生と称している。永井政治学には「無為の蓄積」と「全能の幻想」という概念が出てくる。鳩山時代は無為の蓄積、自分の政権になったら、全能の幻想か。
「増税しても使い方を間違えなければ、景気は良くなる」という怪しげな菅ノミクスは、大きな政府・官尊民卑思想の最たるものだ。
民間や地方は信用できない。やっぱり霞が関の試験選抜エリートが実験(←引用者註:何のことか一瞬悩んだが「実権」の誤りだった。あちゃ)を握り、配分するのが一番、という思想に他ならない。
政治家に決めてもらうフリをして、実質は官僚が差配する。これが官僚内閣制の真骨頂。『菅内閣は、草の根の志を忘れ、「官」内閣となった』(井坂信彦、みんなの党兵庫県選挙区公認候補)
・・とまあ、なかなかいい指摘もする人なので私は個人的には嫌いではない。
小泉政権時代を更に遡って、あれは誰の内閣のときだったか「55年体制」が如実に崩れて「多党化」時代に入った際、自民党の側からは「多党化と言ってもそれは《野党の多党化》だ」という反論が為された。
言われてみればその通りで従来の政治状況が変動するとき、それは最も弱い環から崩れるとしたものである。当然今の民主党にも「新党だ、政界再編だと言っても、それは野党だけの話だ」と開き直る権利はあるだろうが、それにしても社民党だの共産党だのといった、天地がひっくり返っても最早一向に出番が回って来そうもない自称(?)「革新の老舗」とはいったい何者なのだろうか?
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<NHK>南アW杯で配慮欠く発言、謝罪
6月19日0時5分配信 毎日新聞
NHKは、サッカー・ワールドカップ日本戦中継を告知する際、配慮に欠いた発言があったとして18日、放送の中で謝罪した。
NHKによると、17日の韓国-アルゼンチン戦の放送中、NHKアナウンサーが19日の日本戦の中継について告知する際「BS1でたっぷり放送、コマーシャルありませんからね」と発言したという。これについてNHKと協力して中継を担当している日本民間放送連盟から指摘があり、18日のドイツ-セルビア戦の放送後、謝罪した。NHK広報部は「改めてNHKの公共性と民間放送の商業性を互いに尊重し、協力して中継を盛り上げていきたい」と話した。
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【政治・経済】
2010年6月18日 『日刊ゲンダイ』掲載
過去、増税選挙で勝った与党はない
「10年度内に消費税のあるべき税率を取りまとめる。(税率は)自民党が提案する10%をひとつの参考とする」――。17日の参院選マニフェストの発表会見で、菅首相が消費税増税に言及した。さっそく最大のニュースになっている。与野党トップ同士が、国政選挙で消費税アップを競う異常事態だが、菅民主党は調子に乗っていると、痛い目にあうぞ。
●有権者は生活問題に敏感
過去に与党が消費税を打ち出して、選挙に勝ったためしはない。典型は、自民党が過半数割れに追い込まれた、1979年の衆院選だ。
時の宰相、大平正芳首相が、財政再建のために「一般消費税」導入を打ち出したところ、有権者が猛反発。自民党は、前回76年の「ロッキード選挙」を下回る248議席しか獲得できず、大平首相の責任問題をめぐり、分裂状態に。いわゆる「40日抗争」が勃発し、党内は大混乱に陥った。
「89年の消費税導入直後の参院選も、自民党は惨憺たる結果でした。消費税導入に、リクルート事件や、当時の宇野首相自身の“三本指”女性スキャンダルが重なり、自民党は前回72議席から36議席という歴史的大敗を喫したのです。地方区の多い1人区は前回25勝1敗から一転、3勝23敗と大幅に負け越し。消費税導入への反感は、地方の方が強かったのです」(政界関係者)
この時、幹事長として、「チクショー」と悔しがった橋本龍太郎が、首相となった98年の参院選でも、自民党は大惨敗を喫した。前年に消費税を3%から5%に引き上げ、景気後退と失業率上昇を招いた。恒久減税をめぐる橋龍の発言が二転三転したことも、有権者の反感を買って、橋龍は即日退陣に追い込まれた。
「この時は、当選者2人以上の複数区で自民候補の共倒れが相次ぎ、改選の60議席から獲得44議席と、大きく議席を減らしました」(政界関係者)
逆進性の高い消費税は、低所得者ほど負担が重くなる。民主支持層は、連合を核とした民間労組や中間層サラリーマンが中心だ。財界を中心に金持ち優遇を要求してきた自民支持層と違って、消費税増税のダメージは大きい。
民主党は、昨年の総選挙マニフェストで「消費税引き上げを4年間封印する」とうたっていた。それが、菅首相になった途端、今年度中にアップ率を決めるときたのだから、支持者は「聞いてないよーっ」だろう。
世論調査ではテキトーに財政再建賛成と答えた人でも、自分の家計が増税赤字となれば態度を変える。菅首相は相手が弱い自民党だから、今回がチャンスと考えたのだろうが、かつて自民党も弱い野党に負けたのが増税選挙の怖さなのだ。
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これも財務省の政策であって、元ネタが同じだから自民党と同じになってしまうのである。何の不思議もない。「抱きつきお化け」(石破)は自民も民主も同じなのである。民主党は増税論議さえも「四年間は凍結」と謳って選挙に大勝した。その公約をまたもやかなぐり捨てたのである。
恐らく財務省の口車に乗ってその気になったのだろうが、今このタイミングで増税論議の口火を切らなければならない理由はどこにも見当たらず、そうして見るとイラカンという男もつくづく馬鹿で愚かな男であると言わざるを得ない。
元々民主党が勝とうが負けようが私には関係ないことだが、もし民主党が大敗してその結果「政界再編」に加速度がつくようだと我々は大いに迷惑するのである。私は民主党など爪の先程も信用していないが、とりあえずあと三年間はこのまま政権を担当して貰わないとこの国はワヤなのである。ぁそ。
小泉・忠犬ポチ政権がまだ健在だった頃、私は「全部まとめてガラガラポン」という「政界再編」には「自民党の解体(崩壊)」を条件に賛成であると言った。あれから幾星霜を経たか、自民党は確かに見掛け上「ボロボロ」「ガタガタ」の歯っ欠け状態に陥っているが、これはアブナイ人たちの「偽装解散」と相通じる面持ちがあって、参院選の結果次第では主だったメンバーは何だかんだ屁理屈を捏ねて、再び居心地のいい自民党に仲良く舞い戻って来る可能性大であると私は見ている。そうでもしないとこの「保守の老舗」は本当に解体~消滅してしまうかも知れないからである。
だいたいがあーた、新党、新党って、いったい与謝野・枡添らの誰がどの党を立ち上げたか、これを逐一正確に言えますか?
私は自慢じゃないけど渡辺喜美の「みんなの党」くらいしか言えません。笑。
あそこも仮に何かの拍子で「政権与党」に参入出来れば直ちに(最低でも)「渡辺行革大臣」は確定するだろうが、自民300議席の中にあっても官僚に蹴飛ばされて出来なかったことが今度は出来るという保証は何もないのである。
「少数野党だからこそ何でも言える」という点では共産党もみんなの党も同じ穴の狢なのだ。
cf.ちなみに『ヨッシー日記』にはこうあった。 ↓ ↓
2010年6月16日 (水)
逃げ菅
菅内閣の不信任案に賛成。首相のクビすげ替えによる10日間のロスタイムを延長せず、予算委員会も開かず、ただひたすら逃げる総理。
何を恐れているのか。多分、「イラ菅」の本性発揮で、キレてしまうこと。あまりにも経済オンチで論争に行き詰ること。側近の荒井国家戦略相などの事務所費問題が沸騰してしまうこと、等々。要は、ボロが次々と出てせっかくの高支持率が落ちてしまうことだ。
本当にフザケた政権だ。昨年夏のマニフェストの目玉は大半がウソ。詐欺の代名詞となった。総理を変えたら済むことではない。失政の反省も分析もなく、官僚宥和路線をひた走る。
菅総理は永井陽之助教授の門下生と称している。永井政治学には「無為の蓄積」と「全能の幻想」という概念が出てくる。鳩山時代は無為の蓄積、自分の政権になったら、全能の幻想か。
「増税しても使い方を間違えなければ、景気は良くなる」という怪しげな菅ノミクスは、大きな政府・官尊民卑思想の最たるものだ。
民間や地方は信用できない。やっぱり霞が関の試験選抜エリートが実験(←引用者註:何のことか一瞬悩んだが「実権」の誤りだった。あちゃ)を握り、配分するのが一番、という思想に他ならない。
政治家に決めてもらうフリをして、実質は官僚が差配する。これが官僚内閣制の真骨頂。『菅内閣は、草の根の志を忘れ、「官」内閣となった』(井坂信彦、みんなの党兵庫県選挙区公認候補)
・・とまあ、なかなかいい指摘もする人なので私は個人的には嫌いではない。
小泉政権時代を更に遡って、あれは誰の内閣のときだったか「55年体制」が如実に崩れて「多党化」時代に入った際、自民党の側からは「多党化と言ってもそれは《野党の多党化》だ」という反論が為された。
言われてみればその通りで従来の政治状況が変動するとき、それは最も弱い環から崩れるとしたものである。当然今の民主党にも「新党だ、政界再編だと言っても、それは野党だけの話だ」と開き直る権利はあるだろうが、それにしても社民党だの共産党だのといった、天地がひっくり返っても最早一向に出番が回って来そうもない自称(?)「革新の老舗」とはいったい何者なのだろうか?
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<NHK>南アW杯で配慮欠く発言、謝罪
6月19日0時5分配信 毎日新聞
NHKは、サッカー・ワールドカップ日本戦中継を告知する際、配慮に欠いた発言があったとして18日、放送の中で謝罪した。
NHKによると、17日の韓国-アルゼンチン戦の放送中、NHKアナウンサーが19日の日本戦の中継について告知する際「BS1でたっぷり放送、コマーシャルありませんからね」と発言したという。これについてNHKと協力して中継を担当している日本民間放送連盟から指摘があり、18日のドイツ-セルビア戦の放送後、謝罪した。NHK広報部は「改めてNHKの公共性と民間放送の商業性を互いに尊重し、協力して中継を盛り上げていきたい」と話した。
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