全国交通ニュースブログ

群馬県から個人タクシーが消滅しました

2023/4/14付で、東京新聞のサイトに以下の記事が掲載されました。

個人タクシー、群馬県内から消滅 唯一の事業者が廃業

群馬県内の個人タクシーは2016年時点で8台でしたが、75歳を超えると許可を更新できないこともあり減少し、2021年時点では1台だけになっていました。最後まで残った73歳の方も体力の問題から引退を考え、後継者を探していたものの「年金を受給しながら仕事をする高齢者が多く、引き受け手が見つからなかった」とのこと。

個人タクシーを始めるには年齢(65歳未満)のほか運転経歴・法令遵守状況・資金計画といった各種基準をクリアしたうえで申請し、法令及び地理試験に合格することが必要ですが、他にもハードルがあります。

日本の多くの地域ではタクシーの台数が需要に対し過大なため新規参入は認められず、75歳に達したなどで引退した方の枠を譲ってもらう必要があります。そして、人口の多くないタクシーの営業区域(30万人以上の都市がないなど)ではそもそも個人タクシーの営業ができません。

一般社団法人全国個人タクシー協会のサイトに、2020年3月末時点の個人タクシー許可地域ごとの車両数が掲載されています。

http://www.kojin-taxi.or.jp/gaiyou/sujidemiru/suji02.pdf

この表を見ればわかるように、茨城・山梨・鳥取・島根の各県には個人タクシー許可地域が存在せず、他の都道府県でも全域で許可されている例はありません。東京都の場合、島しょ部はもちろん西多摩交通圏(青梅市など)もNGですし、埼玉県は県南のみで熊谷市など県北はNG、千葉県でも千葉市・四街道市より先の地域<成田市や市原市なども含む>はNGです。群馬県の場合はもともと中・西毛交通圏(前橋市・高崎市など)のみで、個人タクシーが許可された営業区域単位では2020年3月末時点でも全国最少の2台でした。

また、この表によれば、三重県で唯一個人タクシーが許可された営業区域は、県内で最も人口が稠密な北勢交通圏(四日市市・桑名市など)ではなく伊勢・志摩交通圏となっています。伝統ある観光地とあってタクシーの需要が多いと考えられ、特別に許可されているのかも・・・

蛇足ですが、全国のタクシーの営業区域(例:**交通圏はA市・B市・C市とD郡全域からなるなど)を網羅したリストはネット上には存在しないようです。国土交通省のサイトでは公開されていませんし、Wikipediaでも長年不完全な状態です。

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