帝国データバンクのサイトの「倒産速報」に、2024/5/13付で以下の記事が掲載されました。
茨木高槻交通株式会社など8社 タクシー業 続報、新型コロナウイルス関連倒産 再生手続き廃止決定受ける
大阪府北摂エリアを主要営業区域とする老舗タクシー会社「茨木高槻交通」はコロナ禍以降経営が悪化しており、グループ7社とともに2024/3/11に民事再生法の適用を申請しました。一旦再生手続き開始決定を受けて事業を他社に譲渡したものの、譲渡金額だけでは社会保険料などの公租公課を完済できず、2024/4/30付で破産手続きへ移行したとのこと。
当記事の本題は、この事業譲渡先に関する内容です。
日本最大級のタクシー事業者(グループも含め)である東京の「日本交通」の公式サイトに、2024/5/1付で以下のリリースが掲載されました。
日本交通グループ関西 関西中央グループより335台を営業譲渡
今回破産手続きに移行した8社のうち5社(高槻交通、茨木高槻交通、ユタカ中央交通、関西中央第一、関西中央旅客守口)の事業認可を2024/5/1付で譲り受け、グループの関西地区のタクシー台数は335台増えて1426台に達したとのこと。
巷ではあまり話題になりませんが、日本交通グループは首都東京を地盤とする大手タクシー事業者4社(日本交通・大和自動車交通・帝都自動車交通・国際自動車、いわゆる「東京四社」)のうち唯一大阪でタクシー事業を展開しています。上記リリース文にある通り10年前の2014年3月に子会社「東京・日本交通株式会社」を設立して進出し、自社での事業拡大のほか既存タクシー事業者の買収(さくらタクシー・ナショナルタクシーなど)により、進出後僅か10年で関西地区全体の台数が1000台を突破しています。今回の事業拡大により、茨木市や高槻市に強固な地盤を築いたことになります。
ちなみに、関西にはもともと「日本交通」という大手タクシー・貸切バス・高速バス事業者が存在しますが、東京の日本交通とは何ら関係はありません。両社を明確に区別できるのはやはりタクシーのアンドンのデザインです(関西の日本交通は「楕円に日交」マーク、東京の日本交通は首都圏と同じ「桜にN」マーク)。