2025/2/2付ブログ記事「大阪市の航路の結節点「中之島GATEサウスピア」の様子(後)」で触れた「土佐堀川に架かる端建蔵橋の老朽化のための架け替え」ですが、工期が当初予定より大幅に延びています。
端建蔵橋は1921年に完成した橋で、当初より大阪市電の線路が敷設されていました。大阪市の臨海部では高度成長期に地下水の過剰な汲み上げなどから深刻な地盤沈下が発生しており、それに対応して1963年に橋面を約2m嵩上げるとともに床版の軽量化(コンクリート製→鋼製)・補助の橋台設置などを行ったものの、
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000023862.html
老朽化が激しいため架け替えを決定し、2022/9/15限り全面通行止めになりました。近接して別の幹線道路の橋が架かっており代替が利きます(大阪シティバスもそちらに迂回)。
https://citybus-osaka.co.jp/notice/20220912/
https://x.com/osakacity_koho/status/1542435110800494592
当初予定では約2年半の工期で旧橋の全面撤去→新橋の架設を終え2025/3/末に新橋を開通させる計画でしたが、現実には2025/2/1段階でも新橋の工事が進んでいる様子は全くなく、単に「旧橋が全面撤去されただけ」の状態です。下の写真の右側で鉄管が架かっている部分の手前に端建蔵橋が架かっていました。
そして、付近の掲示を見ると、端建蔵橋の架け替えの工事看板では工期が「令和7年3月31日」となっているのに対し、迂回路のお知らせでは「通行止期間 令和12年3月31日まで」となっています。
ということで大阪市公式サイトを調べてみたところ、2023年秋頃に以下の告知がなされていました(公式サイト上で公開されたのはもっと後かもしれませんが)。
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/cmsfiles/contents/0000570/570101/oshirasebira2.pdf
橋梁の桁については2023/3までに撤去を完了しましたが、次いで橋脚を撤去する前のプロセスとして支障物の詳細調査を行ったところ、想定を超える支障物(川底に岩石が最大約5m堆積しており、さらに橋下全面にわたって旧橋本体のものと思われる鋼管や木杭などの木材が存在)が確認されました。橋脚の撤去にあたっては合わせてこれらも撤去せねばならず、結局橋脚撤去工事の開始は2023/10、完了は2025/3と大きく後ろ倒しになりました。
そして大阪・関西万博の会期中は工事中断を余儀なくされ、さらに橋台の構築の前に橋台部分の支障物の撤去が必要ということで、新しい橋の橋桁(アーチ橋なので橋脚は不要)の架設は2029/10にずれ込み、架設後の道路工事等の工期を踏まえ完成は2030/3頃の見込みとなっています。つまり5年遅れなわけですね・・・ 工事費も相当に上積みが必要となったことでしょう。
ちなみに、端建蔵橋のすぐ近くにある昭和橋も1932年架設の古強者です。
https://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000022293.html
橋名板も、アーチ本体に取り付けられた銘板も、右書きとなっています。