関連ブログ記事・・・2023/4/3付「阪神バスの一般路線で2023/9以降運賃値上げ」
上記記事で
>但し、阪急バスと異なり国土交通省への値上げ申請はまだ行っておらず、2023/5に道路運送法施行規則の一部が改正されて阪神バスの規模の事業者について国土交通省本省ではなく地方運輸局の権限で許認可が可能になるのを待って、近畿運輸局に申請するとのこと。確かにバス事業者からすればその方が何かと手間がかからなくていいですからね・・・
と書きましたが、その道路運送法施行規則の改正(バス運賃値上げの規制緩和)がパブリックコメントの対象になっており、2023/3/23~2023/4/23の間受付中です。改正の公布・施行は5月上旬の予定です。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155230913&Mode=0
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000250815 (具体的な改正内容および改正理由)
バス運賃の値上げ(上限運賃の認可)、バス事業への新規参入、および事業計画変更(主にバス路線の新設・変更・廃止を指す)について、認可権限は原則として国土交通大臣にありますが、一定規模以下の場合は地方運輸局長に委任されています。その「一定規模以下」の基準を引き上げ、地域の実情に詳しい地方運輸局の関与をより強めて迅速な処理を可能とし、厳しい経営環境にある乗合バス事業者にとってより早く運賃値上げや不採算路線の廃止を実現できるようにするものです。
また、運賃値上げの審査方法についても、現在は(運賃額の算出方法ではなく)個々の運賃額を審査しているため膨大な期間を要しているのを改善し、迅速な処理を可能にします。
これにより、バス運賃の値上げについては、現在は「バス保有台数が150両以上の場合は国土交通省本省で審査・150両未満は地方運輸局で審査」なのを、700両未満まで地方運輸局で審査できるようにします。また、新規参入やバス路線の新設・廃止については、現在は「関係するバスの車両数が100両未満かつ路線延長が200km未満に係る申請について地方運輸局で審査」なのを、700両未満まで地方運輸局で審査できるようにします。
阪神バスの場合、このブログを書いている時点の採用サイトの記載によれば、2023年3月現在の車両数は324両(内訳は一般路線バス248両、空港バス43両、高速バス19両、貸切14両)となっており、規制緩和の対象に該当します。
また、2023/3/3付で値上げを申請した東武バスグループ2社の場合(2023/3/5付ブログ記事「東武バスの埼玉県内路線、2023/7/22の値上げに向け申請 <3/8追記あり>」参照)、東武バスのリリース文によれば東武バスウエストは国土交通省本省に申請・東武バスセントラルは関東運輸局に申請となっていますが、これはもちろん「埼玉県内で運行する車両数が、東武バスウエストが150両以上なのに対し、東武バスセントラルは150両未満だから」です。それぞれの会社概要によれば、乗合バスの車両数は「東武バスウエスト=309両・東武バスセントラル=427両」となっていますが、東武バスウエストの路線がほぼ埼玉県内で完結している(一部都内への乗り入れあり)のに対し、東武バスセントラルは「埼玉県内路線」「東京都内路線」「千葉県内路線」「高速バス」の4つに分かれており、埼玉県内路線分の車両数が150両未満のため、本省ではなく関東運輸局への申請となりました。都内路線の運賃値上げ(2023/3/29付ブログ記事「東武バスの都内路線も2023/7/22の値上げに向け申請」参照)も、リリース文によれば関東運輸局への申請です。
さて、この規制緩和を機に、中堅クラスのバス事業者の運賃値上げ申請が相次ぐことになるでしょうか?