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新名神大津~城陽間の2024年度内開通は困難と正式発表されました

関連ブログ記事・・・2023/11/25付「新名神宇治田原IC~城陽IC間の2023秋時点の工事状況・その1

これまで2024年度中開通予定(「用地等の明渡しが順調な場合」「土工工事の進捗が順調な場合」の条件付き)とされていた新名神高速道路の大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC間ですが、2024/1/17付で「2024年度内開通は困難」と正式発表されました。

https://www.w-nexco.co.jp/emc/emcpdfs/20240117155718-01.pdf

リリース文では、その理由を3点挙げています。

・信楽川橋のP4橋脚基礎杭の構築において、事前の調査で確認できなかった硬岩が発現したため、工事に時間を要している状況
・宇治田原IC部において、用地引渡し時期に更なる遅れが生じたことや地盤改良の範囲の増加、局所的にコンクリート殻等が発現したため、今後の工事進捗に合わせ着実な撤去(分別)作業が必要
・城陽スマートIC部において、土地引き渡し後のボーリング調査結果より、地盤改良の範囲が大幅に増加したため、工事に時間を要している状況

これらについて、順に解説していきます。

1.信楽川橋の工事遅延

 現場付近のGoogle航空写真はこちら

 信楽川橋は信楽川および大津市と甲賀市信楽町西部を結ぶ国道422号の上を越える橋ですが、一部の橋脚を急傾斜地に設置する必要があり、隣接する大津大石トンネルの先進導坑を工事用道路として活用するなどして工事を進めていましたが、その基礎部分が事前調査では確認できなかった硬い岩となっており、一般的な火薬による発破では国道への落石が発生する可能性があるため、火薬を使わない破砕工法により安全かつ慎重に進める必要性が生じました。

2.宇治田原IC部分の工事遅延

 宇治田原IC部分は2023/11/25付ブログ記事「新名神宇治田原IC~城陽IC間の2023秋時点の工事状況・その2」で書いたとおり競走馬の調教施設「宇治田原優駿ステーブル」の移転跡地に建設予定です。ただ、移転先の施設の完成が諸々の理由で当初見込みより大きく遅れて2023年6月となってしまい(上記リリースの説明資料では新たに「ウッドショックのため代替施設の建築工事に必要な木材の調達が遅れた」という理由付けがなされています)、さらに解体作業と同時進行のボーリング調査の結果山砂利採取後の埋め戻しが事前探査時点よりもはるかに大規模に行われていたり、コンクリート殻が埋まっていることも発覚しました。ちなみに、この施設は2000年代前半(新名神大津~城陽間が完全凍結状態だった頃)に山砂利採取場の跡地に建設されたものです。

3.城陽スマートIC付近の工事遅延

 2023/11/26付ブログ記事「新名神宇治田原IC~城陽IC間の2023秋時点の工事状況・その5」で書いたとおり、木津川運動公園の東側の城陽スマートIC予定地やアウトレットモール予定地では未だに土地の造成工事や地盤改良工事の最中で、土木構造物はほとんど何も存在しません。城陽スマートIC部分については、ボーリング調査の結果、山砂利採取後の埋め戻しが広範囲かつ軟弱地盤であることが判明し、当初計画の6~7倍のエリアを対象に地盤改良工事を行っています・・・こちらを完遂させねば土木構造物の工事に着手できませんから・・・

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