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かつての神戸~関空高速船ターミナルの建物が取り壊しへ

神戸市中央区の人工島・ポートアイランドにあるベンチャー企業など起業家の育成・支援施設「神戸インキュベーションオフィス(KIO)」が、2022年11月30日限りで19年の歴史に幕を閉じました。

https://kobe-kio.jp/

https://www.kobe-rma.or.jp/information/9869/

この施設ですが、実は1994年9月の関西国際空港開港に合わせ、第三セクターによる神戸~関空間の高速船のターミナルとして建設されたものです。

KIO(元高速船ターミナルビル)のストリートビュー

当時は「K-CAT(神戸シティエアターミナル)」と呼ばれ、国際線の搭乗手続きや手荷物預け入れが空港でなくても可能な「シティエアターミナル」の機能も持っていました。

当初はジェットフォイル4隻体制で、K-CATと三宮の間にはリムジンバスタイプの連絡バスも走る(高速船航路と合わせ「神戸マリンルート」と宣伝)など相当気合が入っていましたが・・・

僅か4か月後に阪神・淡路大震災が発生し、神戸がその被害から立ち直ったのちも三宮~関空間を乗り換えなしで結ぶ連絡バスの前には劣勢で赤字がかさみ、さらに米国同時多発テロをきっかけとする保安強化がとどめを刺した形で2002年2月7日に航路・K-CATともに廃止されました。神戸と関空を結ぶ高速船航路はその4年後に復活しましたが、発着港は神戸空港島内に移っています。

高速船ターミナルは僅か7年あまりでその役割を終えましたが、壊すにはもったいないということで、追加の設備投資が少なく済むインキュベーションオフィスへの転用が決まり、翌2003年にオープンしました。当初は海側にジェットフォイルが発着するための設備が残されていましたが、今はありません。

K-CATの名残で三宮との間に直通の路線バスが運行されており、ベンチャー企業向け施設としてそれなりに活用はされていたものの、民間による同種機能を持った施設が三宮近辺にも増え、さらに建物がまもなく築30年で老朽化による維持管理費増が問題になってきたため、閉鎖が決まりました。

直通の路線バスは、一足早く9月末で運行を終了しています。

https://www.shinkibus.co.jp/sysfiles/wtn/1621/20221001_shinkibus.pdf

なお、神戸市は跡地に水素ステーションの誘致を予定しています。

https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202202/0015069281.shtml

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