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三菱電機伊丹製作所内を貫く幹線道路、完成間近の様子(前)

兵庫県公式サイト内に、尼崎市内において県が整備する都市計画道路の事業内容一覧が掲載されたページが存在します。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/hsk06/hs04_1_000000030.html

当ブログで再三取り上げている「尼崎宝塚線阪急立体工区」についてはリンク先が存在しない状態が続いていますが、北部の市域を東西に横断する園田西武庫線の未開通区間(藻川工区と御園工区)についてはリンク先が存在し、ある程度の概要がわかります。

https://web.pref.hyogo.lg.jp/hsk06/hs04_1_000000009.html

今回は、このうち三菱電機伊丹製作所内を貫く形となる御園工区の状況について報告します。

御園工区は延長909mにすぎませんが、事業期間が「平成8年度~令和7年度」(つまり25年以上!)となっており、三菱電機をはじめとする地権者との交渉が相当長引いたことがわかります。

2016年時点の継続事業評価調書が公開されていますが、

https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks04/documents/h28k-05-sonodanishimukosen-misono.pdf

11ページ目の実施工程表によれば、1996年度から道路設計を開始し、1997年度から物件補償調査を開始したものの、大規模工場区間については2017年度までまるまる20年かかったことが明確に分かります。確かに、道路部分にかかっていた工場施設については「工場内の別の場所に移設」「機能自体を他の工場に移設」のいずれかの選択肢しかなく、伝統ある拠点(尼崎市内なのに「伊丹製作所」という名称なのは、1940年の設立当時は尼崎市に合併前の川辺郡園田村に所在しており、最も近い市街地が伊丹市だったため)故に敷地はフルに使われており、前者の方策をとるためには製作所内における施設の大幅な再配置が必要となったはずですね。

イメージパースによれば、三菱電機伊丹製作所内については掘割形式で両側に歩道がある2車線道路となり、JR宝塚線との交差部分はアンダーパス形式、西側の玉江橋線(県道13号尼崎池田線、尼宝線とともに阪神地域を南北に貫く4車線の重要幹線道路)の手前部分は地平構造となります。アンダーパス部分の工事はJR西日本に委託する形ですが、実際の工事着手は三菱電機伊丹製作所内の用地補償がほぼ終了した2017年度にずれ込み、取付道路も含めた工事完了は2023年度の予定となっています。

私は2017年度以降何回かこのアンダーパス周辺を訪れていますが、工事着手後の進捗はおおむね順調なようで、2022年時点では構造物がかなりできていました。

ただ、実はJR宝塚線との交差部分と玉江橋線の間は三菱電機伊丹製作所の敷地の一部(同社の福利厚生施設や関連会社の事務所が存在)であり、交差部分の真上に伊丹製作所の正門があります。この周辺には「三菱電機管理地につき許可無く立入りを禁ずる」の看板が建てられていますが(ストリートビューの例はこちら)、地域住民の通行<徒歩、自転車、自動車とも>は容認されています。

後編では、先日現地を訪問した様子を報告予定です。

(つづく)

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