竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

脱原発世界会議終わる。「えねぱそ」大好評。

2012年01月16日 | 自然エネルギー
1月14日、15日の2日間に渡った脱原発世界会議が閉幕しました。参加者は11000人を上回り、主催者側の目標を達成した模様です。会場のパシフィコ横浜内はイベント参加者であふれ、メインステージももちこみ企画の出展ブースも大繁盛だったのではないかと思います。ただ、会場が広すぎて、いささか疲れた・・という方も多かったのでは。
私は303号室内に設けられた出展ブースのスペースの一角で「えねぱそ」ブースを、同じ3階のロビースペースに設けられた出展スペースで「つながり・ぬくもりプロジェクト」をと、二つを掛け持ちでうろうろしておりました。どちらかというと、303号室のスペースの方が人でいっぱいで、ブースを訪れる人も多かったように思います。こちらのブースは、お隣が「上関どうするネット」、お向かいが「非暴力トレーニング」の皆さんで、どちらも私にとっては身内みたいなところ。14日には非暴力トレーニングブースでお茶を飲みながら「えねぱそ」のプレゼンをしたり。15日には「上関どうするネット」と一緒に写真を撮ったりと、楽しい空間でした。
15日には「つながり・ぬくもりプロジェクト」のもちこみイベントがあり、11時30分からその打合せ、13時頃から本番準備、13時40分から本番にのぞみました。終了が15時10分で、進行役の私が1分違わず時間通りに終了させました。メインイベントも含め、ほとんどのイベントが時間を超過して進行していた、この世界会議の中にあって、おそらく希有な事例であろうと思います。

「自然エネルギーによる被災地支援」と名づけた、このもちこみ企画の目玉は被災者でありながら、みずから太陽光発電の設置チームになった新沼さんの紹介でした。三軒以上の飲食店を経営し、5台の高級車を所有していた新沼さんは、津波で2台の車以外すべて流されました。でも一晩見つからなかった奥さんと再会でき、子供たちも含め家族は無事だったことで、生き方を変える決意をしたそうです。(けっこうワルだった?)
その新沼さんが「つなぬく」のチームに入られ、これから被災地の自然エネルギー事業を発展させる担い手になられるだろうと思います。新沼さんのような方が、ほかにもいらっしゃって、そう人たちの誕生が、「つなぬく」の宝物、大きな成果であろうと思います。

で、この話を続けるとタイトルと全然違うとこに行っちゃうので、この続きは「つなぬく」ホームページにそのうち書きますね。

今日書きたかったのは「えねぱそ」。
1月10日に正式発売の「えねぱそ」にとって、脱原発世界会議は大勢の人に初お目見えする最初の場でした。TwitterやFacebookの反応とはまた違って、生身の声を聞くことができました。基本的には「大好評」に違いないのですが、「今ひとつよくわからない」とか「深く聞くとわからなくなる」とか、「やっぱりバーチャルでしょ」とか、まあ想定していた反応をたくさんいただきました。
いわば、生きたQ&Aをたくさんさせていただき、私の方も勉強になりました。頭の中に残ったいくつかをご紹介させていただきます。

Q.で、東電からの電気代は減るんですか?
A 「えねぱそ」は自然エネルギーの環境価値だけお届けするもの。電気そのものは、今まで通り電力会社から購入します。「えねぱそ」はそれまでの電気にプラスして購入するもので、その分自分の電気料金は増えるんですよ。それでも「環境価値」にお金を払うことで自然エネルギーを応援するという「表明」をするというものです。

Q 発電所への投資でしょ?
A 「えねぱそ」を購入していただいた代金の一部は、自然エネルギーの発電所に「環境価値」の代金として支払われます。投資とはちょっと違います。EG社は「環境価値」を仕入れて、「えねぱそ」に加工して、営業費用をかけて、「環境価値」を世の中に使ってもらえる商品にしているわけです。いまの内訳では、だいたい半分が発電所に、半分が営業費用になっています。「えねぱそ」の販売量が増えて行くと、営業費用の比率が減って行くと思います。(通常は、その分販売価格が下がるのです。)

Q 100%自然エネルギーにするには、自分で太陽光発電をつけた方が良いのでは?
バッテリーをつけて夜も自給するようにすれば100%になるでしょう。でもそれだけの太陽光発電設備とバッテリーをつける費用は相当です。発電設備4kWとして200万円、バッテリー100万円くらいが相場でしょうか?300万円を回収するのに25円/kWhと想定すると30年かかります。同じ消費量の電力を「えねぱそ」で100%グリーン電力にすると、1年間に4万円。10年で40万円、30年で120万円でおさまります。(おそらく10年以内に電力自由化が実現して、仕組みも変わるでしょうが。)

Q 電力自由化されたらどうなるの?
「えねぱそ」を誕生させた一番の動機は、自然エネルギーの電気を選びたいこと。いまの日本では、個人の消費者は「電気を選べない」ので、環境価値を選ぶことで自然エネルギーと個人を紐つけたわけです。電力自由化されたら、環境価値を選ぶことが「電力会社を選ぶ」ことになります。小さな太陽光発電所でも、直接消費者と契約することが可能になります。ただ、その場合でも、送電線の中を通ってくるのは電気そのもの。環境価値は契約によって移動します。送電線の中には放射能が入らないのと同じように、環境価値もそこには入りません。送電線は電気そのものだけの空間です。

Q しょせんはバーチャルでしょ?
「環境価値」には電気そのもののような実態がありません。触っても感電しないし、味も香りもありません。じゃあ、存在しないんでしょうか?
日本人はこの手の認識力がとても弱いように思います。たとえば「正義」は存在するのか?「真理」は存在するのか・・哲学じゃ~と感じてしまう。
環境分野では「排出権」とか「環境権」とかというのもあります。「環境価値」というのは20年か30年前までは、認識されていなかった価値です。認識されていなかったことは、存在していなかったということなのでしょうか?
かつては、おそらく普遍的に存在してたものが侵害されはじめた・・のが20世紀だったのではないでしょうか?
その世紀の終わり頃になって、人類は何かかけがえのないものを「発展」という目標のために失ってきたのではないか?
その失ってきたもの(の一つ)が「環境価値」であった・・ということでは。
「環境価値」など存在しない・・と思う人には、戦争と環境破壊の20世紀に人類は何も失わなかった・・ということになります。
存在するとすれば、それはバーチャルではありません。

最後は少し禅問答のようになりましたが、ちょっと書いてみました。
まだまだ、あるんですが、これ以上長くなると読むのも辛くなると思いますので、本日はここまでとします。





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