竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

朝青龍たたきと小沢たたき、日本の精神構造。

2010年02月07日 | 政治
ここのところ、どうも唖然とする話が多い。びっくりしたのは朝青龍の引退劇である。別に相撲ファンではないのだが、先場所の朝青龍の見事な復活に、これから白鳳との二枚看板で相撲が面白くなるのかな・・と思っていたところに、相撲協会みずからが、この看板の一つを引きづり下ろしてしまったのだ。最近は満員御礼も少なくなっていたと聞いている観客がますます減るのではないかと人ごとながら心配になる。

確かに朝青龍の行為(「知人」に暴行といわれるが、最終的に当事者=最初のマネージャーとは別人、とは示談が成立と聞く)は悪いが、かつての大横綱、名大関にも、誰とは言わないが相当の武勇伝があったのではなかったか?最近の事件では、弟子を稽古と称して暴行し、死に追いやった事件があったが、この親方や兄弟子たちの方がよほど悪い。
この兄弟子たちや、他の部屋でも発覚した暴行事件の当事者=親方たちは、のうのうと相撲協会に今も残っているのではないか。そういう人間たちに朝青龍を引退に追い込む資格が果たしてあったのか?

まして朝青龍は異国の人である。文化、感受性、表現方法など、日本人とは違っていて当たり前ではないか。以前から気になっていたが、横綱の品格とか言いながら、違法でもない朝青龍の行為を「なにかと難癖をつける」というのは、人種差別ではないかという疑問だ。

いまや関取衆の半分近くが外国人ではないかと思うほど、相撲は国際化している。それなのに、古くからの(正直意味もない)しきたりに従えと、外国人たちを矯正し、日本人のよう(これが実は良くわからない)にならないといけないと締め付ける。

その圧迫に耐えたもののみが相撲の世界に生き残れるとすれば、あまりに外国人にハンディが大きすぎないか?かつて高見山、そして小錦、曙、武蔵丸と(彼らも苦しかったと思うが)、外国人が希少価値であった時代とはかなり様変わりしている。相撲を国際級の開かれた競技(観客も呼べる)にしたいのなら、そういう「しきたり」の変革が必要だろうし、いいや国宝級の文化遺産として観客など来なくても磨いて行くのだと言うのなら「外国人はそもそも入れない」という方法だってあるだろう。人寄せのために入れておいて、中でじくじくいじめるというのは、きわめて悪質な文化である。

私には、多くのマスコミ論調とは違って、むしろ朝青龍を引きずり下ろした人たちの心の偏狭さ、浅ましさを強く感じる。これでは相撲協会の浄化など、とてもとてもできないだろう。何が悪いかがわかっていないのだから。

さて同じような「引きづり下ろし劇」を今日の報道で読んだ。共同通信社が全国電話世論調査を行って、「小沢氏は辞任すべき」が72%だったと発表した。同じような世論調査が朝日新聞、読売新聞、産經新聞でも行なわれていて、それぞれ67%、70%、70.7%だそうだ。約7割の国民が「小沢辞めろ!」と言っているんだぞと言いたいようだ。

前回のブログで書いたように、小沢氏が疑惑まみれだとしても、同じ状態の議員が自民党にも民主党にもずいぶんたくさんいるはず。2005年頃の政治献金を問題にするのであれば、当時職務権限を持っていて、まさに賄賂性のお金をつかんだはずの自民党からやるべきでは・・と思う。なぜ小沢氏だけを検察は抽出するのか、それは政治への介入であるよという趣旨のことを書いた。

報道されているような根拠で小沢氏本人の立件は難しいとも書いたが、その通り本人は不起訴になった。秘書3人の政治資金規制法違反は、本人たちが虚偽記載として認めているのだから起訴になることは予測の範囲だ。でもそれは虚偽記載の罪であって、贈収賄や政治的な職務権限の行使が立件されたものとは違う。それをいかにも賄賂性の立件と起訴であるかのようにマスコミは報道し、そして「小沢辞めろ!」の世論を誘導している。

いま政治の舞台で議論されなければならないのは、普天間問題=日米同盟のあり方であり、地球温暖化対策であり、本当の意味の「いのちを守るセーフティネット」をどう作るか・・などのはず。「政治と金」の問題に、いたずらに時間を費やすときではない。ところが、報道の多くは(もちろんまともなものもあるが)これら重要な問題を押し流して「小沢辞めろ!」の攻防にしたいらしい。

私はこの報道のあり方に、「何が悪いか」もわからないで朝青龍を引きづり下ろした相撲協会の「心の偏狭さと浅ましさ」を感じる。

共同通信の設問の中にはこんなのまであった。
「普天間基地問題で鳩山総理は5月までに決着と言っているが、もし5月までに決着できなければ総理を辞めるべきか」という趣旨の問いだ。そして45%の人に「辞めるべき」と言わせている。

しかし、本当に国民に問うべきは「あなたは普天間基地を沖縄の中で移転すべきと思うか、沖縄以外の国内移転をすべきと思うか、国外移転をすべきと思うか」ではないのか?
本当に考えるべきことをはぐらかし、5月決着できなければ総理を辞めろというのは、政治の混乱をつくり出すため「だけ」の最低の設問である。

こんな問いを出す人が新聞記者という職業をしているべきではないとさえ思う。まさにペンの暴力をふるっているのだ。しかもそれに気づいてもいないだろう。

ウェブ上を検索してみたが、「普天間基地移転をどうするか」をストレートに聞いたアンケートは琉球新報以外に行なわれた形跡がない。これはまた、どういうことだろう。もし同趣旨のアンケートが実施され、「70%が国外移転」という結果が出たらアメリカも考え方を変えるはずだ。どうも、そういう「アメリカが困る」アンケートはやらないということか。

これまで自民党の長期政権を支えていたのは、こんな「貧困なる精神」の人たちであったのか・・というのが透けて見えてきた。




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1 コメント

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マスコミ (名無し)
2012-07-03 15:29:44
マスコミに在日が多いから 国技や巨人(国民球団)を叩く ボクシングなんかあんな糞デタラメなのに 在日がらみだからたたかない
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