いよいよ、今年も大詰めになりました。
いろいろお世話になった皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。
まだまだブログにも書き足りないことがありますが、今日は地球温暖化対策です。
環境省が地球温暖化対策基本法への意見募集をしておりましたので、期限の12月28日に以下の「意見」を送りました。
皆さんのご意見はいかがでしょうか?
件名:「地球温暖化対策の基本法の制定に向けたメッセージ」に対する意見
環境大臣への意見(原文のまま)
地球温暖化対策基本法の制定は大いに評価できるものだと思います。
その評価を前提に、この法律をより良くより効果的なものとするために少し意見を述べさせていただきます。
(1)キャップアンドトレードによる排出量取引制度について
民主党の地球温暖化対策基本法案のなかでも国内排出量制度が基本計画の大きな柱となっており、2011年には実施とうたわれています。
しかし現在は、海外クレジット(CER)、経産省の国内CDM、環境省のJ-VER、そして東京都で来年度からはじまる都条例によるCO2削減クレジットなど、それぞれが連関なく国内にバラバラに存在している状態です。政府の排出量取引制度では、これらの各制度の関連づけを行ない、排出量取引を行なおうとする事業者等に不利益が生じないようにしていただきたいと思います。
(2)固定価格買取制度について(グリーン電力証書制度の有効活用を)
再生可能エネルギーの環境価値に対価を支払うという「グリーン電力証書」制度は、温室効果ガス削減クレジットとしての価値と同時に再生可能エネルギーの普及拡大を図るという役割もあり、現在ある程度の普及が進んでいます。この制度は、政府の排出量取引制度の中でも、温室効果ガス削減クレジットとして位置づけられ、損金化処理が可能になるなどの利点が加わるものと思います。
一方で再生可能エネルギーによる電気の固定価格買取制度のありかたによってはグリーン電力証書制度の存続が困難となることも予測されています。しかしながら、グリーン電力証書制度と固定価格買取制度の完全実施までの間には過渡期としての時間が存在し、その期間のタイムスケジュールをきちんと組むことによって再生可能エネルギーの普及拡大の効果を大きくすることも可能であると考えられます。
ぜひ以下のような施策を検討していただきたいと思います。
a.政府として一定期間、グリーン電力証書制度を政府の制度として位置づけ活用することの表明。
b.国民におけるグリーン電力証書購入とエコポイント制、さらには地球温暖化対策税の減免との関連づけ。
c.排出量取引制度においてグリーン電力証書を活用する企業の地球温暖化対策税の減免。
(3)固定価格買取制度について(その骨格、実施までののタイムテーブルの明示を)
再生可能エネルギーの電気の固定価格買取制度は、再生可能エネルギーを普及拡大して行くための最も有効な手段であると思います。
ただし、そのためには送電系統の強化、各電気事業者間の電力流通の増大促進、再生可能エネルギー発電設備との連系義務化など、民主党の地球温暖化対策基本法案でも指摘されている施策等が、同時並行で実施されることが必要です。
それらの関連施策の内容と、実施までのタイムテーブルをできるだけ早く明示することが必要と思います。
ぜひ以下のような関連施策を検討し、実施スケジュールを明らかにしてください。
a.送電系統の強化と各電気事業者間の開閉所の位置づけの変更。
b.再生可能エネルギー発電設備における既設設備と新設設備での取扱ルールの策定。
c.固定価格買取制度における系統への接続ルール(費用負担など)の策定。
d.固定価格買取制度における買取り価格(比率)設定のルールの策定。
e.買取りによる電気事業者(ppsを含む)における電気料金への公平な転嫁ルールの策定。
f.それに伴う託送ルールの変更。
(4)森林整備について(森林バイオマスの活用を)
小沢環境大臣の提案でも森林整備という言葉が入っていますが、今後日本の森林を再生可能エネルギーや再生可能な資源マテリアルとして活用することは非常に重要になると思います。しかし現在は、間伐材をチップとして燃やすバイオマス発電の原料としてすらコスト高であるとして普及が進んでいない状況です。
せっかく間伐をしても九割以上が放置されているという現状を改善するため、政府の施策として間伐材の活用促進事業を実施していただきたい。
(以下に促進事業として重要と思われるものの一部を上げます。)
a.間伐促進と間伐材の搬送事業への助成。
b.チップやバイオマスペレット製造工場への助成。
c.バイオマス発電事業への助成。
d.バイオマス発電の原料チップへの一定期間の購入補助。
e.バイオマス発電設備への税制優遇措置。
(5)地球温暖化対策税について(早期導入、実施を)
暫定税率の廃止で話題となっているガソリン税等と地球温暖化対策税は全く違う性質の税です。ガソリン率等はもともと道路建設のための税で、最終的には車両交通を増大しCO2排出を増やすものです。地球温暖化対策税はCO2を増やす物質に直接的に税をかけ、その使用を減らして行くという性格のものです。ガソリン等を購入する消費者に払わせるのではなく、原油、石炭等を輸入する事業者に払わせるべき税です。
現在のように円高で差益が発生する場合には、直ちに税額を上げる等の措置をとって、輸入量ひいては使用量を抑制するという措置がとられるべきです。原油や石炭を大量に輸入しているのは、石油関連各社もあるでしょうが、電力各社と鉄鋼各社です。地球温暖化に最大の寄与をしている事業者に正当な負担を求めなければ、競争原理が働かず、地球温暖化を防止するイノベーションを妨げてしまうと思います。
(6)再生可能エネルギーの普及拡大や燃料転換について(直接排出源への削減目標の設定を)
日本で温室効果ガスを最も多く排出している産業部門はエネルギー転換部門、つまり発電です。日本では地球温暖化対策の啓発活動では、この発電による電気の排出する温室効果ガスを削減する目的で、一般家庭や企業の事業部門での省エネ努力等を求めます。しかし、これらが排出に寄与している割合は5%か10%に過ぎません。血のにじむ努力をしても効果は期待できません。発電部門が燃料転換、つまり石油石炭から再生可能エネルギーへと切り替えることを勧めなければ、鳩山総理の掲げる2020年25%削減の達成は不可能です。
間接排出への対策の議論から直接排出をどう抑制するか、数値目標をしっかりと掲げた政策目標を打ち出していただきたいと思います。
(7)再生可能エネルギーの普及拡大や燃料転換について(地球温暖化対策から原子力発電の除外を)
ここでは放射性廃棄物の問題や、放射能汚染被害をもたらす重大事故の可能性はあえて無視して意見を述べます。これらの安全性の問題を除外しても、原子力発電はエネルギーセキュリティに対する不安定性から、これを地球温暖化対策としてカウントすべきでないと思います。
日本の原子力発電所は、ほぼすべて地震の多発地帯、場合によっては活断層の上に立地をしています。柏崎刈羽原発の事故、あるいは東海地震の想定震源域内にある浜岡原発など、地震によって止まることが想定される発電所ばかりです。
一度被災すると、その調査と対策には長期の年月を要し、その間石油石炭の発電所が代替措置として運転され、我が国の温室効果ガスを増大させます。これは、地球温暖化防止のための国民あるいは電力会社以外の企業の努力を一気に無に帰すような非効率的なものです。したがって直接排出源への削減目標の設定に際し、原子力発電はプラスアルファーのバッファーと考えるべきで、地球温暖化対策そのものとしてカウントすることは厳に慎むべきことであると思います。
以上です。
いろいろお世話になった皆様には、この場を借りて御礼申し上げます。
まだまだブログにも書き足りないことがありますが、今日は地球温暖化対策です。
環境省が地球温暖化対策基本法への意見募集をしておりましたので、期限の12月28日に以下の「意見」を送りました。
皆さんのご意見はいかがでしょうか?
件名:「地球温暖化対策の基本法の制定に向けたメッセージ」に対する意見
環境大臣への意見(原文のまま)
地球温暖化対策基本法の制定は大いに評価できるものだと思います。
その評価を前提に、この法律をより良くより効果的なものとするために少し意見を述べさせていただきます。
(1)キャップアンドトレードによる排出量取引制度について
民主党の地球温暖化対策基本法案のなかでも国内排出量制度が基本計画の大きな柱となっており、2011年には実施とうたわれています。
しかし現在は、海外クレジット(CER)、経産省の国内CDM、環境省のJ-VER、そして東京都で来年度からはじまる都条例によるCO2削減クレジットなど、それぞれが連関なく国内にバラバラに存在している状態です。政府の排出量取引制度では、これらの各制度の関連づけを行ない、排出量取引を行なおうとする事業者等に不利益が生じないようにしていただきたいと思います。
(2)固定価格買取制度について(グリーン電力証書制度の有効活用を)
再生可能エネルギーの環境価値に対価を支払うという「グリーン電力証書」制度は、温室効果ガス削減クレジットとしての価値と同時に再生可能エネルギーの普及拡大を図るという役割もあり、現在ある程度の普及が進んでいます。この制度は、政府の排出量取引制度の中でも、温室効果ガス削減クレジットとして位置づけられ、損金化処理が可能になるなどの利点が加わるものと思います。
一方で再生可能エネルギーによる電気の固定価格買取制度のありかたによってはグリーン電力証書制度の存続が困難となることも予測されています。しかしながら、グリーン電力証書制度と固定価格買取制度の完全実施までの間には過渡期としての時間が存在し、その期間のタイムスケジュールをきちんと組むことによって再生可能エネルギーの普及拡大の効果を大きくすることも可能であると考えられます。
ぜひ以下のような施策を検討していただきたいと思います。
a.政府として一定期間、グリーン電力証書制度を政府の制度として位置づけ活用することの表明。
b.国民におけるグリーン電力証書購入とエコポイント制、さらには地球温暖化対策税の減免との関連づけ。
c.排出量取引制度においてグリーン電力証書を活用する企業の地球温暖化対策税の減免。
(3)固定価格買取制度について(その骨格、実施までののタイムテーブルの明示を)
再生可能エネルギーの電気の固定価格買取制度は、再生可能エネルギーを普及拡大して行くための最も有効な手段であると思います。
ただし、そのためには送電系統の強化、各電気事業者間の電力流通の増大促進、再生可能エネルギー発電設備との連系義務化など、民主党の地球温暖化対策基本法案でも指摘されている施策等が、同時並行で実施されることが必要です。
それらの関連施策の内容と、実施までのタイムテーブルをできるだけ早く明示することが必要と思います。
ぜひ以下のような関連施策を検討し、実施スケジュールを明らかにしてください。
a.送電系統の強化と各電気事業者間の開閉所の位置づけの変更。
b.再生可能エネルギー発電設備における既設設備と新設設備での取扱ルールの策定。
c.固定価格買取制度における系統への接続ルール(費用負担など)の策定。
d.固定価格買取制度における買取り価格(比率)設定のルールの策定。
e.買取りによる電気事業者(ppsを含む)における電気料金への公平な転嫁ルールの策定。
f.それに伴う託送ルールの変更。
(4)森林整備について(森林バイオマスの活用を)
小沢環境大臣の提案でも森林整備という言葉が入っていますが、今後日本の森林を再生可能エネルギーや再生可能な資源マテリアルとして活用することは非常に重要になると思います。しかし現在は、間伐材をチップとして燃やすバイオマス発電の原料としてすらコスト高であるとして普及が進んでいない状況です。
せっかく間伐をしても九割以上が放置されているという現状を改善するため、政府の施策として間伐材の活用促進事業を実施していただきたい。
(以下に促進事業として重要と思われるものの一部を上げます。)
a.間伐促進と間伐材の搬送事業への助成。
b.チップやバイオマスペレット製造工場への助成。
c.バイオマス発電事業への助成。
d.バイオマス発電の原料チップへの一定期間の購入補助。
e.バイオマス発電設備への税制優遇措置。
(5)地球温暖化対策税について(早期導入、実施を)
暫定税率の廃止で話題となっているガソリン税等と地球温暖化対策税は全く違う性質の税です。ガソリン率等はもともと道路建設のための税で、最終的には車両交通を増大しCO2排出を増やすものです。地球温暖化対策税はCO2を増やす物質に直接的に税をかけ、その使用を減らして行くという性格のものです。ガソリン等を購入する消費者に払わせるのではなく、原油、石炭等を輸入する事業者に払わせるべき税です。
現在のように円高で差益が発生する場合には、直ちに税額を上げる等の措置をとって、輸入量ひいては使用量を抑制するという措置がとられるべきです。原油や石炭を大量に輸入しているのは、石油関連各社もあるでしょうが、電力各社と鉄鋼各社です。地球温暖化に最大の寄与をしている事業者に正当な負担を求めなければ、競争原理が働かず、地球温暖化を防止するイノベーションを妨げてしまうと思います。
(6)再生可能エネルギーの普及拡大や燃料転換について(直接排出源への削減目標の設定を)
日本で温室効果ガスを最も多く排出している産業部門はエネルギー転換部門、つまり発電です。日本では地球温暖化対策の啓発活動では、この発電による電気の排出する温室効果ガスを削減する目的で、一般家庭や企業の事業部門での省エネ努力等を求めます。しかし、これらが排出に寄与している割合は5%か10%に過ぎません。血のにじむ努力をしても効果は期待できません。発電部門が燃料転換、つまり石油石炭から再生可能エネルギーへと切り替えることを勧めなければ、鳩山総理の掲げる2020年25%削減の達成は不可能です。
間接排出への対策の議論から直接排出をどう抑制するか、数値目標をしっかりと掲げた政策目標を打ち出していただきたいと思います。
(7)再生可能エネルギーの普及拡大や燃料転換について(地球温暖化対策から原子力発電の除外を)
ここでは放射性廃棄物の問題や、放射能汚染被害をもたらす重大事故の可能性はあえて無視して意見を述べます。これらの安全性の問題を除外しても、原子力発電はエネルギーセキュリティに対する不安定性から、これを地球温暖化対策としてカウントすべきでないと思います。
日本の原子力発電所は、ほぼすべて地震の多発地帯、場合によっては活断層の上に立地をしています。柏崎刈羽原発の事故、あるいは東海地震の想定震源域内にある浜岡原発など、地震によって止まることが想定される発電所ばかりです。
一度被災すると、その調査と対策には長期の年月を要し、その間石油石炭の発電所が代替措置として運転され、我が国の温室効果ガスを増大させます。これは、地球温暖化防止のための国民あるいは電力会社以外の企業の努力を一気に無に帰すような非効率的なものです。したがって直接排出源への削減目標の設定に際し、原子力発電はプラスアルファーのバッファーと考えるべきで、地球温暖化対策そのものとしてカウントすることは厳に慎むべきことであると思います。
以上です。
全量買い取り=全量の経済的評価と読み替えるべきですが、RPSで電力企業に持っていかれた環境価値と同じくこれでは全量がもっていかれるとの誤解をそのままにして余剰電力の買い取りのほうが正しいと言う自分たちの商売のねたが無くなるから反対をする恥知らずな団体が現れているのには呆れています。
節約が進まなくなるなどとのお馬鹿な主張にも言葉を失ってしまいます。節約は太陽光発電を設置しようがしまいがしなければならないこと。
太陽光発電を設置した人たちが節約したのはお日様のエネルギーが有り難いと感じたからです。そこを良くお考えになることです。