磯輪日記

世界の段ボールビトを幸せに!
自分と自分の愛する家族の幸せのために働ける
世界一社風のいい会社を目指しています。

『永遠の0』

2014年01月04日 22時27分00秒 | I LOVE シネマ・ドラマ

知覧に行けなかったので、せめてと思い、この映画を観ました。

確かにすばらしい映画でした。
ただ2011年に本を読んだ時のブログに書いたことが、
残念ながら映画ではほとんど触れられていなくって、それが
物足りなさにつながっているんでしょうね。

そもそも戦闘機の目的は何か?
この出発点が日本とアメリカで大きく違っていたんだと思います。

日本では、戦闘機の戦闘能力をいかに高めるかに開発の主眼が
置かれていた。そこには操縦者は生身の人間であることは考慮
されていない。

優秀なパイロットであっても、それは消耗品に過ぎなかった。
世界一優秀なパイロットが一発必中で敵艦を沈める。
しかし如何せん世界一のパイロットであっても、一発必中など
ありえない。しょせんは精神論。圧倒的な物量の差をごまかす
には、精神論に頼るしかなかった。

すべて企業経営に通じることです。


      


「国を守る」などとんでもない建前。
「愛する家族を守るため」ですら、そう思わないと「十死ゼロ生」
の攻撃になど出られないのです。決して本音ではないのです。

特攻に向かった兵士たちの本音は、映画の中のやくざの親分が言って
いた

 「九死に一生の作戦なら戦うが、十死ゼロ生の戦い
  などオレは絶対に志願しない!」

というものだったと思います。

なぜ「お国のため」と建前に殉じた特攻兵の残された家族があの
ような目に遭うのか。お国は一体何をしてくれたというのでしょうか!


結局、当時の日本という国は、今のブラック企業と同じ。
組織のために、個人に犠牲を強いる。

風土のいい会社は「間違っているかもしれないことでも言える
環境がある」と言いますが、「正しいことでも言えない」組織に
未来は無い。


国も、企業も、いつまでたっても過去の過ちから学ばない、学べない。
これでは日本は永遠にゼロのままです。

『永遠の0』というタイトルはそういう警鐘なのでしょうか?


映画では、コンピュータで作られた戦闘シーンにどうしても目が
行ってしまいますが、作者が本当に伝えたかったことはそこには
ありません。
本を読まずに、映画だけ観た人には、ぜひ本を読んでもらいたいと
思います。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私は (磯輪)
2014-01-06 22:04:50
 長野さん

私は、身内集団主義も嫌いじゃないです。
逆に、開放個人主義だけっていうのも嫌いです。

その両方を兼ね備えているのがいいですね。
言ってみれば、それが元花王の常盤さん
たちが提唱する『職商人(しょくあきんど)』主義と言えるのかもしれません。

集団圧力は、方向が間違っていなければ、
それは大きな正しい力になると思います。
それを『理念』って言うんじゃないでしょうか?

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ゼロからの脱出 (長野恭彦)
2014-01-06 14:19:37
磯輪さん

今、「商人道のススメ」という本を読んでいます。

社内や組織の規範について、極論ですが、
武士道=身内集団主義
商人道=開放個人主義
に分けて、これからの社会では商人道こそが大事だと
論じています。

身内集団主義は、戦時下の軍隊にも当てはまります。

この本を読んでいても思うのは、私たちはいつも身内集団
主義に陥る環境に住んでいるということです。

そして、最も怖いのが統治する側がいつでも無意識の
うちに加害者になり得る、ということです。

これは、政治にしろ経営にしろ学校にしろ同じです。
たいていは、加害者になってしまってから謝る。
人間って、ずーっとこれを繰り返しているような。
いい加減、このゼロ状態から脱出したいものです。

そのために、統治する側が集団圧力の怖さを強く意識する必要がありそうです。
そして、いつも「あいつは幸せだろうか?」と個人の幸せ
を自問したいものです。
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モノづくり (磯輪)
2014-01-05 17:03:56
 徳丸さん

モノづくりに携わる者として、オペレータの
犠牲に立って、生産性を上げるようなことになっていないか、もっと真剣に考えなきゃと、
ゼロ戦づくりと比較して考えました。
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偶然にも (徳丸 達巳)
2014-01-04 23:48:40
私も本日鑑賞しました。

ブログでの感想にあったように
鑑賞後には物足りなさが残ってしまったことが残念です。
この夏に遅まきながら、原作を読みました。
その映像化ということで期待して映画館に足を運んだのですが……。

戦時中の日本は確かに今で言うブラックな
企業同然だったと思います。
秘密主義や人命を軽んじた作戦、更には国民全体の意識すら支配してしまう風土を作り上げてしまう。

特攻を含めて太平洋戦争で亡くなった多くの方々に対して胸を張って生きているか、正直自信は有りませんが、あの時代の多くの若い犠牲の上に今の私たちの生活が有るということを忘れてはいけないと思っています。

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