磯輪日記

世界の段ボールビトを幸せに!
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世界一社風のいい会社を目指しています。

再読『マツダがBMWを超える日』

2023年12月31日 20時14分07秒 | 戦略ストーリー

 

2年くらい前から、『段ボール工場のキカイ損失低減に貢献する』をお客様への

提供価値として定め、戦略ストーリーづくりに取り組んでいます。

 

その中でも、メンテナンスサービス面の取り組みを優先させてきました。(というか、

それ以外の部門で、どうこの提供価値につなげていくかが、私自身明確に描けていな

かったというのが正直なところです。)

 

でも、老朽化した倉庫の建て替えプロジェクトがきっかけで、製造・調達部門での

モノと情報のタイムラグ解消というテーマに取り組み始めました。きっと機械の組立の

リードタイム短縮につながり、お客様のキカイ損失低減にもつなげられるよう、来年

さらに追及します。

 

しかし何と言っても、本丸はi機の開発です。

機械の販売はISOWAにとってゴールではない、それはスタート、つまりそこから

始まる20年、30年という機械をお使い頂く期間の出発点ですから、i機開発は

すべての大元。どう顧客提供価値につなげるか、思案のしどころです。

 

そんな折、何か新たな気づきはないかと、

 

『マツダがBMWを超える日』 - 磯輪日記

何とも刺激的なタイトルの本!BMWに次いで、マツダロードスターを満喫している私のためにあるような本です。定期的に配信されてくる情報ニュースを眺めていたら、「人生...

goo blog

 

5年前に読んだこの本をもう一度読み返してみることにしました。

 

 「ブランドイメージを築き上げるのはあくまでもの作りの思想とそれを

  体現する製品である。」

 

まさにその通り。

一旦開発スケジュールが設定されると、HOW一辺倒になってしまうけど、もの作りの

原点は What、Whyです。

 

改めてこの本を読んで、マツダの戦略からISOWAが学ぶべきポイントは:

 

・世界のクルマ業界で、マツダはマイナープレーヤーである。

 ・だからすべての要素技術でチャレンジすることはできない。

 ・だからハイブリッドやEVは止め、既存の内燃機関の改良に集中する。

 ・大きな市場セグメントは狙わない。狙えない。

  ・狙うターゲットは、『車にこだわりを持ち、運転に歓びを感じるけど、

   すごいスピードでぶっ飛ばすのではなく、車との対話を楽しみながら、

   日常のドライビングに楽しさを味わうような人』。 まさに私です。 

   ・だからハイパワーの高性能モデルは作らない。むしろ同排気量の他社製の

    車より控えめでいい。

    ・こうしてお客様を絞ることによって、「そんなマツダが私は一番好き」と

     マツダを強く支持してくれる人のためのクルマを作り、「多少高くても、

     私はマツダを買う」。 

     ・これによって世界シェアを1.5%から2%にまで高める。

       自分で調べてみたら、

       たった0.5%のシェアアップでも、年間40万台に相当します。

       ちなみにマツダの当時の年間世界販売台数は150万台ですから、

       40万台の上積みでも25%以上の生産台数アップという大きな

       ボリュームです。

    ・ターゲットを極端に絞り込むので、国内だけでは世界シェア2%は満たせない。

     だから当然、世界視野で考える。

     ・日本人が自ら日本的と思うものを押し付けるのではなく、外国人が

      日本的と考えているもの、しかもそれをありがたく思っているものを

      日本のアイデンティティとした方が圧倒的に効率的。

 

箇条書きにしていますが、もちろんこれらは因果論理でつながっています。

 

マツダという会社は、自社のプレミアム化を真剣に考え、実行しようとしている

数少ない日本メーカーです。 プレミアム化は、当然、車の製造コストもアップします。

だから販売価格もアップします。それでもお客様にYOH(喜んでお金を払ってもらう)

してもらわなければいけません。

 

本が出て、5年経ちましたが、まだマツダはBMWを超えられていません。

ブランドは一朝一夕にでき上るものではないから。

 

楠木先生の『逆・タイムマシン経営論』に真似て、この本が出版された5年前、2018年の

データを調べて、今と比較してみました。

全世界での自動車販売台数は5年間で9,000万台から1,000万台くらい増加して1億台。

その中で、マツダは、増加どころか、45万台も減少して110万台。シェアも1%に

低下しています。 厳しいです。

 

でも、ISOWAがマツダから学べることは、たくさんあると考えています。

 

 


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