磯輪日記

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「新聞、雑誌は寝かせて読め」

2021年02月28日 19時49分28秒 | マーケティング・センス

 

先日のシャンプーの話題

OGPイメージ

シャンプー考 - 磯輪日記

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シャンプー考 - 磯輪日記

 

に続き、これも楠木先生の『逆・タイムマシン経営』の講演での話です:

 

みなさんはボジョレーヌーボ飲みます?

毎年、解禁のシーズンになると、ワインが飛行機に乗って日本の空港に到着する映像と

一緒に、

 「今年のボジョレーの出来は ○○○○!」

というようなその年のいかにも美味しそうな評価付きでニュースなどで紹介されます。

 

だから飲まない私でも、

 「今年もそういう時期か~

  そうか~、今年はいい出来なんだ。

  試しに買ってみようかな」

みたいな気分になります。

 

しかしほとんどの一般人は、前年の評判がどうだったかということはすっかり忘れて

いると思います。 少なくとも私は1年前のボジョレーの評価などまったく覚えて

いません。

 

しかしタイムマシンに乗って過去に遡らなくても、昔の新聞などを検索すればすぐ

判明すると楠木先生は言います。 こうしていくつかの年のキャッチコピーを紹介

してくれたんですが、それだけじゃ物足りなくって、もう少し調べてみました。

すると、

  • 2002年…「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」
  • 2003年…「100年に1度の出来」
  • 2004年…「香りが強く中々の出来栄え」
  • 2005年…「ここ数年で最高」
  • 2006年…「今も語り継がれる76年や05年に近い出来」
  • 2007年…「柔らかく果実味豊かで上質な味わい」
  • 2008年…「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
  • 2009年…「50年に一度の出来」
  • 2010年…「1950年以降最高の出来と言われた2009年と同等の出来」
  • 2011年…「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
  • 2012年…「史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか」
  • 2013年…「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
  • 2014年…「近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ」
  • 2015年…「我がワイン人生最良のヌーヴォー」
  • 2016年…「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい」
  • 2017年…「フレッシュな香りと上品なタンニンがある、まろやかな味わい」
  • 2018年…「理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる」
  • 2019年…「バランスのとれた味で、適度な量と高い品質のワイン」

2012年は最悪だったそうですが、その年ですら、

 「史上最悪の不作だが品質は良く健全。糖度と酸度のバランスが良く軽やか」

こうなると一体何を信じたらいいんでしょう?

少なくとも、ニュースで流れる評価もどきは絶対に信じちゃいけないってことは

わかります。

 

でもそう分かるのは、過去のニュースを遡ってみたからで、普通の人はそんなこと

誰もしないんですよね。

結局、楠木先生曰く、「同時代性の罠」に嵌っているんです。

 

だから新聞や雑誌は何年か寝かせて、古くなったもの遡って読んでみると、

 「何でこんな無茶苦茶なことなのに、信じてたんだろう・・・?」

と罠に嵌っていたことがよ~く分かり、何ごともうかつに信じない思考スタイルが身に

つくようになるとのこと。

 

世の中には『ボジョレートラップ』に似たような話が満ち溢れています。

お互い気を付けなきゃいけませんね。

 

まずは今年のボジョレーヌーボの時期 気をつけましょう~!

 

 


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