磯輪日記

世界の段ボールビトを幸せに!
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世界一社風のいい会社を目指しています。

Do you know how to make 和紙 ?

2017年09月21日 21時35分34秒 | マーケティング・センス

数年前に岐阜の経営者のグループがわが社の見学にやって来ました。
このグループに限らず、ほとんどの人がそれっきりで終わるんですが、
中にはお礼のメールを頂戴したり、その後もブログやfacebookを通じて
交流が続く人もいます。

そんな中のひとりが、和紙メーカーの丸重製紙さんの辻さんです。

丸重製紙さんでは、毎月、工場見学会を開いていて、その案内を毎回
頂いていました。とても興味があって、ぜひ参加したいと思っていても、
毎月のように先約がある日程と重なって、毎回、涙を呑んでいたんですが、
今月、やっと両者の都合が合い、念願叶って訪問することができました。

せっかくの機会だから、社内で希望者を募ったところ、技術のMoくん、
Yくん、そして電子のMiくんから手が挙がり、4人で、岐阜県美濃市から
さらに車で奥に入った、板取川沿いの風光明媚な地にある工場へドライブ
しました。


当日は、我われの他にも見学希望者があり、合計で10名くらい。
2つのグループに分かれて、和紙の製造工程を見学させてもらいました。


和紙っていうと、条件反射的に、コウゾ、ミツマタという原料の名が
浮かんでくるんですが、どんなものかは知らないという情けないのが実情
です。



これが何だったか忘れましたが、植物の乾燥させた繊維です。

でも、今、一般的な和紙の原料は、針葉樹のパルプだそうです。



パルプと言うけど、これもうすでに『和紙』って感じですよね~ 笑


これどうやって和紙になるかというと、職人さんが手ですいていると
すっかり思っていたのに、和紙も機械で抄すくんですね 汗

そりゃ~そうか!
だって、

    

こういう防虫剤も、



和紙で個包装(というのが適切なのかどうか分からないけど)さえている
から、これをすべて手すき・・・

ちょっと待った! 
紙を「すく」と入力して、変換すると、『抄く』と『漉く』の二種類が出て
きます。 紙は『抄く』と思っていたのに、これ、どういうこと?

そこで調べてみたら、

  機械で『抄く』けど、手では『漉く』

ということのようです。勉強になりました。


で、本題に戻って、まず原料のパルプは

    

水がぐるぐる回る水槽に一枚ずつ入れられて、



段ロールのような間を、ちょうど昔の洗濯機が洗濯物を2本のロールで絞った
ように、上下の山形でしごく、たたき、パルプの繊維をほぐします。

するとパルプが、



水分をたっぷり含んだ繭玉の様になります。それを、



平たい金属製のスクリーンの上に流し込み、



それが上から吊り下げられていて、どろどろの原料ごと、まるで手で
紙を漉くように、左右にゆっさ、ゆっさと揺するんです。
職人の手つきを機械が再現してるってことですよ!



そうすると青いベルトの上に半透明な薄い膜のようなものが出てきます。


この下に、次は、



こういう円筒形のスクリーン



を、先ほどとは別経路で供給される同じようなどろどろの原料にどっぷり
漬けた

    

こんな装置にで、スクリーンのすき間からもう1層の薄い膜を作り出し、
先ほどの膜と上下にくっつけます。

こうして2枚の層を持った紙を作り出すんですね。


その後は上下をフェルト上のベルトで挟み込んで水分を飛ばし、



ロールやベルトから引き剥がして、

    

上部の大きい径のドラム式のドライヤーで完全に乾燥させ、



ロール上に巻き取ります。


文章でこの工程を表現することの難しいこと・・・ 

ここまで辛抱して読んでくれた人だけに、ご褒美として、
抄紙工程の動画を紹介します


抄紙工程 https://youtu.be/CbIlLEN72XM

 「だったら最初からこれ見せてよ」

と言いたいでしょ。 私だってそうしたいのは山々なんですが、
それじゃあ、せっかく案内してくれた辻さんに失礼じゃないですか。
だからあえて、その大変さに挑戦したんです。
私の誠意、辻さんには伝わるといいな~ 笑

ただ私も初めての見学だったし、記憶も一部定かでないところもある
ので、私の解説は間違っているかもしれないけど、それは誠意で補う
ってことで、勘弁して下さいね。


おまけがあるんですが、ロール上に出来上がった製品を、一枚ごとの
枚様にする工程もありました。



和紙のロールをこの装置にかけて、どうやって枚様にするかというと・・・



何、これ、ぶっそうな!
そうなんですよ、この鎌で一枚、一枚裁断するんですって!
驚きです!


洋紙の大型・高速の製紙工程は見学したことがあったけど、安全カバーで
しっかり覆われていて、スピードも超高速だから装置の外観を見るだけで
したが、この日は、間近で、まるでスローモーション動画を見るかのように、
紙抄きのプロセスを実感することができました。


1時間半くらいの見学でしたが、辻さん兄弟にすっかりお世話になり、



こんな懐紙のお土産まで頂戴しました。



『MARUJYU』という文字は、印刷ではなく、透かしです。

ありがとうございました。



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2 コメント

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圧巻でした (電子Mi)
2017-09-22 12:48:01
私自身、これまで製函機一本で携わっていた為、紙とじっくり向き合うということが少なく良い経験ができました。

直近で、コルゲータラインのあるお客様へ訪問していたこともあり、
コルゲータとリンクする箇所が
いくつかあり理解しやすかったです。
季節により含有量の調整や熱調整をするなど、
同じ紙という分野で通じる部分があるなという印象でした。
とても良いタイミングで訪問できたと思っています。

日本の伝統文化和紙が大量に生産されるところをみるととても圧巻で、
入社当時、大量生産される段ボールに感じた驚きが蘇り少し若返った気分でした。

今回、貴重な機会を頂き
ありがとうございました。
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リフレッシュ! (磯輪)
2017-09-22 22:26:10
Miくん

Miくんの気持ちがリフレッシュされたなら、
うれしいです。
これを糧に、新しい発想を形にして下さい。
期待してます。
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