『壬生義士伝』

浅田次郎さんの最高傑作だと私は思う『壬生義士伝』。

もうしばらく前に本は読んでいたんですが、最近レンタル
ショップでＤＶＤを見つけたので、さっそく鑑賞しました。

ストーリー仕立ては本とは違うものの、心に迫るものは同じ
でした。すばらしい出来だと感じました。

最初、本で読んで、自分なりに想像していた主人公の吉村
貫一郎のイメージと、中井貴一が演じる吉村貫一郎がまったく
違っていて戸惑いましたが、次第に馴染んできたのが不思議
でした。



この物語の良さは、何と言っても家族愛ですね。家族のために
生きる吉村の姿勢、言葉、どれを取っても感動的です。
今年の会社説明会では、この『壬生義士伝』の引用はしません
でしたが、昨年の説明会では毎回この話をしていたくらい、私の
気持ちと相通じるものがあるんです。



ＤＶＤ版の良さは、故郷を離れて京で新撰組の一員として働いて
いる吉村がいつも思い浮かべる盛岡の景色が実際の映像で
流れるところですね。ここにあの吉村の口癖のお国自慢の科白が
重なると、ホント泣けてきます。

なぜ京で吉村は切腹しなきゃならなかったのか、何とか生きて
愛する妻、息子、娘の待つ盛岡へ帰してあげたかった。
それを言うなら、なぜ吉村は脱藩しなきゃならなかったのか？
そうさせてしまった江戸時代の身分制度が悔しい。

　「勘弁してやってよ」

思わず言いたくなっちゃいます。

どうしてなんだ、どうしてなんだと、本を読み終わった後、
ＤＶＤを観終わった後、いつまでも、今でも、残念でなりません。

それくらい吉村に感情移入してしまうほど、心に沁みた物語でした。
本でもＤＶＤでも、いずれでもいいので、ぜひ触れてみて下さい。
自信を持ってお奨めします。


おまけですが、吉村貫一郎の妻、しづ役の夏川結衣は私のタイプ
です。