吉備路とその道中

岡山へ出張しました。

岡山で大阪営業所のＹくん、Ｉさんと待ち合わせ、車で移動です。

今日は、車の中では窓を開けないとちょっと熱いくらいのポカポカ陽気でしたが、
さらに心がほっかりとするような景色に出会いました。

目の前が開けたと思ったら、突然こんな空間が現れました。
一瞬目を疑いました。タイムスリップしたのかと錯覚するほどでした。

吉備国分寺五重塔というそうです。

京都や奈良より、よほど原風景に近いと、勝手に想像しちゃうくらいです。
平和ですね～　長閑ですね～

本当にうれしいサプライズでした。


さて、話を今朝に戻します。
朝、自宅を出て、地下鉄で名古屋駅に到着し、改札を出ようと、プリペイド・カードを
出そうと、いつも決まってこのカードを入れているワイシャツの胸のポケットに手を
入れると、
　　　　　　　　

　「あれ、無い」

もう一度探すけど、無い。
で、ワイシャツの胸ポケット以外のあらゆるポケットというポケットをすべて探すも、
無い。


新幹線の時間も迫ってるので、もうあきらめて、改札へ向かい、駅員さんに、

　「すみません、カードを落としたみたいで、失くしました」

　「いくらのカードですか？」

と駅員さんが手元にあるカードを確認しているので、

　「いや、違うんです。ここで落としたんじゃないんです」

　「どこで乗りました？」

　「平安通です」

　「で、いくらのカードです？」
　
　「５０００円です」

　「何時ごろ乗りました？」

　「８時ごろです」

駅員さんの手元にあるカードが私のカードかどうか一生懸命確認しようとしているん
ですが、そんなはずはありません。だって、落とした私より先に、落としたカードが
届くなんてことはありえません。

それでも駅員さんは、さらに

　「どの区間をこれまでに利用しています？
　　乗車履歴をおおよそでも憶えていませんか？」

　「ほとんど平安通と名古屋の往復だと思います」

こういうやり取りの後、そのカードは間違いなく私のものと判定され、私の手元に
戻ってきました。　狐に包まれたようでした。


さて、みなさん、どうしてこんなことになったか分かります。

私がどこかで落としたカードが、私より先に目的地の駅に着いているなんて？


ではそのトリックを説明します。駅員さんが言うには、

　「今しがた『平安通でカードを拾った』と女性の方が届けてくれました」

Oh, my God

すでにその女性はその場を去っていて、駅員さんにしかお礼を言えませんでした。
拾って、届けて下さった方、絶対にこの『磯輪日記』は読んでいないことは分かって
いますが、それでもやっぱり、

　「本当にありがとうございました」　

それにしてもまさに『事実は小説よりも奇なり』

いや～、やっぱり、ツイてる、ツイてる。