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肺癌 胃がん 直腸がん すい臓がん 前立腺癌 膀胱がんで死亡した人では 検査されたすべての殺虫剤の値が「非常に高く」

2020年04月23日 08時58分18秒 | メス化する自然

 

 

・・・略・・・

 

持続性や生物濃縮ばかりでなくDDTは親から子へ世代を超えて受け継がれていく。

人間の場合子宮内や母乳を経由して母から子へと移動する。

母乳中のDDTは平均で30ppb(1ppbは10憶分の1)程度発見されている。

母乳の脂肪分だけとってみれば 数字はもっと高く1ppm(100万分の1)程度だ。

現在でもDDTが広範囲で使用されている途上国では これより100倍も高い。

最も高い数字は1970年代のグアテマラで報告されたもので

マラリア駆除の目的でDDTを室内で噴霧した結果

母乳の脂肪分から100ppmものDDTが検出された。

母乳を通じて 母親の体内に蓄積された脂肪は赤ん坊に移行する。

結果として 母親は体内の脂肪組織に長年蓄積された有毒成分のかなりの部分を

そのまま赤ん坊に伝えていると考えられる(母乳に含まれる化学物質の詳細については第8章)

 

持続性 生物濃縮 母子間の移行に続いて 驚くべき拡散性が明らかになった。

1970年までには DDTははるか遠くの北極のアザラシやペンギンの体脂肪にも含まれ

南極の氷の中や インドの上空 21,000メートルの空気中まで存在すると解った。

スコットランド沖のアザラシやネズミイルカの研究では

73ppmという高濃度のDDTが発見された。

 

1967年にホールデンとマースデンはその著書で

「故意に汚染されたのではない環境中や 殺虫剤の標的とは全く異なる種の生物の体内に見られる

殺虫剤の残留成分の蓄積の程度から そういった化学物質を散布した地域内にとどめておくことは

不可能だとはっきりわかる」と警告した。

蓄積されたDDTは空気や水を汚染し 水中でも陸上でも 食物連鎖をのぼるにつれ蓄積され

汚染された作物や動物が輸出され そして 母親から赤ん坊へと

直接受け継がれて 世界中に広がってしまう。

 

いったん潮流が変わると DDTの害に関する証拠がつぎつぎに現れた。

1947年以来 いくつかの研究報告が 

DDTには発がん物質として作用する可能性があり 動物実験で腫瘍を生じたことを示していた。

そのひとつに食品医薬品局の研究さえあったが 無視されていた。

1968年までには DDTの発がん性を示す証拠が現れた。

マイアミ大学のラドムスキーらの研究チームは

癌による死亡者と事故による死亡者のDDT値を比較した。

その結果 肺癌 胃がん 直腸がん すい臓がん 前立腺癌 膀胱がんで死亡した人では

検査されたすべての殺虫剤の値が「非常に高く」

「平均で通常の値の2~3倍 DDTについては2倍」と判明した。

事故による死亡者では DDT DDD DDEの値は平均で10ppm以下だったが

ガンによる死亡者では 平均で20~25ppmだった。

DDTとがんの増加とのつながりを示す証拠を前に 環境保護庁はDDTの使用を禁止した。

 

西欧のほとんどの国々ではDDTが禁止されて20年以上になり 人間の体内のDDT値も下がった。

しかし 途上国では とくにマラリア防除の目的で現在でも大量に使用されており

世界規模で考えた使用料は 西欧でのこれまでの使用量を超えることは間違いない。

1991年の時点で アメリカはいまだに100トン近くのDDTを輸出している。

WHOの統計によれば 1992年に メキシコとブラジルは

それぞれ1000トン近くを使用した。

このような大量使用は 自国の人々の健康を損ねるばかりか

世界に環境汚染の更なる重荷を背負わせることになる。

 

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