桜の花びらが どこからともなく散ってくる
ふわふわ はらり さらさら はらり
花と木は みんな真っ白け
人の髪の色が変わるがごとく
桜も 乙女を終わり 妖艶な女を終わり
あとは 散るに任せる・・・・
母の病院に着いて 入院患者用の入り口へ向かっていると
見慣れない 黒塗りの車が止まっている。
看護士が数人と 私のような雰囲気の女性が一人
車の後ろのドアが開いて 真っ白けなものが運び込まれる
後ろも前も解らないほどに 白いシーツに硬く包まれたもの。
あぁ~~~~そうか 人なんだぁ
どなたかが亡くなったんだぁ~~~
通り過ぎて 振り返ってみると
看護士さんたちと ドクターが 静かなおじきをしている
周りの空気が まるで止まってしまった感じ
無くなった人に出会ったのは 初めてのことで
黒塗りの車がなんだったのかさえ 最初は解らなかったのだけれど
pm4:00くらいだったけれど
こんな時間にでも 病院から出ていくのね・・・
母の部屋のそばまで来ると
マスクをした 婦長が
「お母さんの隣 空いちゃったねぇ・・・」と
どこか 寂しそうに 語りかけてくださったので
(きっと 楽になられたんですよ)と心で思いながら
「うん。みんな 生きるぶにだけ生きるんですよねぇ・・・」と答えたわたし。
そして 母さま
一段とお口は達者
私の今日の装いとヘアースタイルをまんべんなくけなし
服が大きすぎるの 前髪がうっとおしいのと
隣のベッドの人がどうなったかなど
全く気にならない様子でございました。
ファミリーマートの 中身ほわほわ タコ焼きを
私が小さく切るのが うれしくない様子で
ぶつぶつぶつぶつ言いながらも
まぁ 三個くらいは食べました。
後の歯磨きも まぁまぁ出来ましたし
頭の痒いのも ブラッシングしましたし
鎖骨あたりをマッサージ
手も足も 見るに忍びないくらい細いので
足などは 毛布の上から なでなでしました・・・
さわるなとは言われなかったので痛くはなかったのでしょう
足は 骸骨みたいな感触
手は どす黒い地図マークでいっぱい
・・・となりのおばあちゃんが亡くなったこと・・・
悲しいとは思えなく 母が楽になれるのはいつなんだろうかと
そんな風に 思うばかりでした。
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