今回も「事業所単位の期間制限の延長手続き」ついてご説明いたします。
平成27年9月30日に派遣法が改正されまして、それまでの
「業種ごとに派遣期間の制限を設ける制度」を撤廃して、
・ 「事業所単位の期間制限」
・ 「個人単位の期間制限」
の2つの制度が設けられました。
「事業所単位の期間制限」は、部署や派遣会社を問わず、事業所全体
で派遣労働者を受け入れられる期間が3年まで
「個人単位の期間制限」は、Aという派遣労働者が派遣先の
同じ部署(組織単位)で働ける期間が3年まで
という制度です。
前回は「過半数労働者代表者等への意見聴取」について説明しました。
今回は、「労働者への意見聴取の内容の周知・保存」について説明したいと思います。
意見聴取を行った後は、その内容を派遣先の直接雇用労働者へ周知するとともに
3年間保存しておかなければいけません。
派遣法施行規則第33条の3第3項には、以下の通り規定されています。
派遣先は、派遣可能期間を延長するに当たっては、次に掲げる事項を書面に記載し、
事業所単位の期間制限の抵触日から3年間保存しなければならない。
(則第 33 条の3第3項)
1 意見を聴取した過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名
※ 過半数代表者の場合は選出方法についても併せて記載することが望ましい
2 過半数労働組合等に通知した事項及び通知した日
3 過半数労働組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容
4 意見を聴いて、延長しようとする派遣可能期間を変更したときは、その変更し た派遣可能期間
ちなみに記載例は下記の当事務所のホームページからダウンロードできますので、よろしければ
ご確認ください。
http://haken-higashitani.com/2018/09/25/jigyousyotani-encho-5/
1の「意見を聴取した過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名」はその通りです。
ただし、選出方法については過半数労働組合の場合は関係なく、過半数代表者の場合
のみ記載してください。
なぜ、これを記載させるかというと、意見聴取の労働者の過半数代表者の選出が適正に
行われていない場合は、その意見聴取自体が無効になるためです。
2の「過半数労働組合等に通知した事項及び通知した日」については、意見を聴く前に
過半数労働組合等に通知した日及び通知した事項(労働者派遣の役務の提供を受けよう
とする事業所その他派遣就業の場所、延長しようとする派遣期間)を記載してください。
3の「過半数労働組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容」については、意見を
聴いた日と当該意見の内容(殆どの場合「派遣可能期間の延長については異議がありません」
という内容になると思います)を記載してください。
4の「意見を聴いて、延長しようとする派遣可能期間を変更したときは、その変更し た
派遣可能期間」については、当初、労働者代表者への通知の際に、
「次の派遣受入期間:○年○月○日~○年○月○日」と通知していた内容を労働者代表者
の意見等を聴いて「次の派遣受入期間:○年○月○日~△年△月△日」というように
変更した場合は、その変更した期間を記載してください。
(多分、これもそのような変更をすることは殆どないと思うので、通常は記載しないことが
多いと思います)
続いて、上記の内容を記載した書類を3年間保存及び派遣先の直接雇用労働者への
周知について説明いたします。
まず、3年間保存とはいつからいつまでかというと、延長前の抵触日から3年間保存
しなければならないことになっています。
具体的には、延長前の抵触日が平成30年10月1日の場合は、保存期間は、
平成30年10月1日~平成33年9月30日となります。
次に直接雇用労働者への周知についてですが、まず周知期間については
保存期間同様3年間となります。
周知方法は、労働者派遣事業関係業務取扱要領によると、
派遣可能期間を延長するに当たっては、次に掲げるいずれかの方法によって、
当該事業所の労働者に周知しなければならない。(則第 33 条の3第4項)
1 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
2 書面を労働者に交付すること
3 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準じる物に記録し、
かつ、 各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること
ちなみに、この周知の対象は、あくまでも派遣先の直接雇用の労働者に限られますので
派遣労働者には特に周知していただかなくて結構です。
1の「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること」については、
会社の掲示板に3年間貼り付ける方法やファイルに綴じて3年間誰でも見れるように
する方法が考えられます。
2の「書面を労働者に交付すること」については、作成した意見聴取の結果の書面を
各労働者一人一人に交付する方法です。
3の「電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準じる物に記録し、
かつ、 各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること」に
ついては、私はこれが一番現実的だと思いますが、意見聴取の結果の書面をパソコン上で
保存し、これがパソコンの何処に入っているかを全ての直接雇用の労働者に周知すると
ともに、誰でも見れるようにしておくことです。
異議が無い場合の意見聴取手続きについては以上で終了となります。
次回は、あまり無いと思いますが、異議があった場合の手続きについて、説明したいと
思います。
http://haken-higashitani.com/
(資料)
厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf
厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf
平成27年9月30日に派遣法が改正されまして、それまでの
「業種ごとに派遣期間の制限を設ける制度」を撤廃して、
・ 「事業所単位の期間制限」
・ 「個人単位の期間制限」
の2つの制度が設けられました。
「事業所単位の期間制限」は、部署や派遣会社を問わず、事業所全体
で派遣労働者を受け入れられる期間が3年まで
「個人単位の期間制限」は、Aという派遣労働者が派遣先の
同じ部署(組織単位)で働ける期間が3年まで
という制度です。
前回は「過半数労働者代表者等への意見聴取」について説明しました。
今回は、「労働者への意見聴取の内容の周知・保存」について説明したいと思います。
意見聴取を行った後は、その内容を派遣先の直接雇用労働者へ周知するとともに
3年間保存しておかなければいけません。
派遣法施行規則第33条の3第3項には、以下の通り規定されています。
派遣先は、派遣可能期間を延長するに当たっては、次に掲げる事項を書面に記載し、
事業所単位の期間制限の抵触日から3年間保存しなければならない。
(則第 33 条の3第3項)
1 意見を聴取した過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名
※ 過半数代表者の場合は選出方法についても併せて記載することが望ましい
2 過半数労働組合等に通知した事項及び通知した日
3 過半数労働組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容
4 意見を聴いて、延長しようとする派遣可能期間を変更したときは、その変更し た派遣可能期間
ちなみに記載例は下記の当事務所のホームページからダウンロードできますので、よろしければ
ご確認ください。
http://haken-higashitani.com/2018/09/25/jigyousyotani-encho-5/
1の「意見を聴取した過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名」はその通りです。
ただし、選出方法については過半数労働組合の場合は関係なく、過半数代表者の場合
のみ記載してください。
なぜ、これを記載させるかというと、意見聴取の労働者の過半数代表者の選出が適正に
行われていない場合は、その意見聴取自体が無効になるためです。
2の「過半数労働組合等に通知した事項及び通知した日」については、意見を聴く前に
過半数労働組合等に通知した日及び通知した事項(労働者派遣の役務の提供を受けよう
とする事業所その他派遣就業の場所、延長しようとする派遣期間)を記載してください。
3の「過半数労働組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容」については、意見を
聴いた日と当該意見の内容(殆どの場合「派遣可能期間の延長については異議がありません」
という内容になると思います)を記載してください。
4の「意見を聴いて、延長しようとする派遣可能期間を変更したときは、その変更し た
派遣可能期間」については、当初、労働者代表者への通知の際に、
「次の派遣受入期間:○年○月○日~○年○月○日」と通知していた内容を労働者代表者
の意見等を聴いて「次の派遣受入期間:○年○月○日~△年△月△日」というように
変更した場合は、その変更した期間を記載してください。
(多分、これもそのような変更をすることは殆どないと思うので、通常は記載しないことが
多いと思います)
続いて、上記の内容を記載した書類を3年間保存及び派遣先の直接雇用労働者への
周知について説明いたします。
まず、3年間保存とはいつからいつまでかというと、延長前の抵触日から3年間保存
しなければならないことになっています。
具体的には、延長前の抵触日が平成30年10月1日の場合は、保存期間は、
平成30年10月1日~平成33年9月30日となります。
次に直接雇用労働者への周知についてですが、まず周知期間については
保存期間同様3年間となります。
周知方法は、労働者派遣事業関係業務取扱要領によると、
派遣可能期間を延長するに当たっては、次に掲げるいずれかの方法によって、
当該事業所の労働者に周知しなければならない。(則第 33 条の3第4項)
1 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること
2 書面を労働者に交付すること
3 電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準じる物に記録し、
かつ、 各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること
ちなみに、この周知の対象は、あくまでも派遣先の直接雇用の労働者に限られますので
派遣労働者には特に周知していただかなくて結構です。
1の「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること」については、
会社の掲示板に3年間貼り付ける方法やファイルに綴じて3年間誰でも見れるように
する方法が考えられます。
2の「書面を労働者に交付すること」については、作成した意見聴取の結果の書面を
各労働者一人一人に交付する方法です。
3の「電子計算機に備えられたファイル、磁気ディスクその他これらに準じる物に記録し、
かつ、 各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること」に
ついては、私はこれが一番現実的だと思いますが、意見聴取の結果の書面をパソコン上で
保存し、これがパソコンの何処に入っているかを全ての直接雇用の労働者に周知すると
ともに、誰でも見れるようにしておくことです。
異議が無い場合の意見聴取手続きについては以上で終了となります。
次回は、あまり無いと思いますが、異議があった場合の手続きについて、説明したいと
思います。
http://haken-higashitani.com/
(資料)
厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf
厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf
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