この事故が起きた直後からニュースを聞くたびに疑問をぬぐいきれなかった。当初マスコミ報道はこうだ。
・100Vを直接流していた
・漏電遮断機をつけていなかった
これだけ聞くと住設に詳しい人なら住宅の分電盤に漏電遮断機がないのかと疑問を持つだろう。
ところが今日の検証で絶縁トランスを使いついでに二次側を昇圧していた事が判明した。
要するに電力会社ラインと直接接続される部分は閉回路にし安全適合させる。一方電気柵に繋がる二次側の片側を地面に接地(アース)。もう片側を電気柵の電線として使う。
こうすれば変圧器二次側の片極→電気柵→触れた動物→大地→もう片極との電流の流れになる。当然変圧器二次側の世界なので住宅用分電盤はトリップしない。
変圧器の仕様が不明だが大地と電気柵電線が短絡してもそれなりの抵抗があるので幾分大きめの変圧器を使えばエネルギー量は大きいので連続して通電できると思われる。
しかもこの変圧器は400V。100Vを印可し二次側に400Vを発生させそれを電気柵に使うのだ。つまり西伊豆の紫陽花の所は電気柵と大地の間に400Vが連続で充電されていた事になる。
一般人が容易に立ち入りできる所に400Vの充電部分。考えただけで気持ちわるい。
この殺人柵を作った爺さんは二人の命を重く受け止め罪を償うべき。
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20150723k0000m040096000c.html
21:09
感電事故の現場。電気柵は既に撤去されている=静岡県西伊豆町一色で2015年7月22日午後3時53分、荒木涼子撮影
(毎日新聞)
静岡県西伊豆町の川岸で19日に7人が感電して2人が死亡した事故で、付近に電気柵を設置した男性(79)が柵を自作していたことが、捜査関係者への取材で分かった。市販品は通常、感電事故を防ぐため漏電時に自動的に電流を止める「漏電遮断装置」や、連続して電気が流れないようにする「パルス発生装置」がセットになっている。男性は県警に「部品を買い、自分で作った」と話しているといい、県警は安全対策を考慮していなかったとみている。
県警は22日、死亡した尾崎匡友さん(42)=川崎市=と岩村知広さん(47)=神奈川県逗子市=の死因は、司法解剖の結果、感電死だったと発表した。
捜査関係者によると、電気柵の電源は川岸から約25メートル離れた男性宅の納屋の家庭用電源(100ボルト)から取っており、コンセント近くにあった変圧器から直接、コードで柵につなげられていた。変圧器は電流を最大400ボルト程度にすることが可能だった。男性は県警に「夜間だけ電流を流し、昼間は切っていた」と話しているが、事故があった19日午後4時半ごろは、電源が入っていたとみられる。
県警が21日の現場検証で実際に電気を流すと、柵に通電し続け、漏電しても電流は止まらなかった。
業界団体「日本電気さく協議会」によると、電気柵と家庭用コンセントを直結することは電気事業法で禁止され、コンセントと柵の間に「パルス発生装置」の設置が義務付けられている。この装置によって電流が3000分の1秒流れた後、1秒以上止まる状態が繰り返され、触れても一瞬刺激を受けるだけで済むという。
また、30ボルト以上の電源を使用する場合は「漏電遮断装置」の設置も義務付けられている。設置していれば、電線が水の中に入っても電気が流れ続けることはなかったという。
電気柵メーカーによると、2009年に兵庫県南あわじ市で農家の男性が、家庭用100ボルト電源に直結されていた電気柵に触れて死亡した事故以降、同協議会加盟社は「漏電遮断装置」を標準装備にした。同協議会は「直結すると電気が流れ続け、感電した人間は筋肉が硬直し、柵から離れなくなってしまい、死に至る可能性がある」と指摘する。【松岡大地、荒木涼子、井上知大】
◇「自分のミス」設置男性
電気柵を設置した男性の親族は22日、報道陣の取材に応じ、男性が「漏電防止装置を付けなかったのは自分のミスだった」と話していることを明らかにした。