去年の秋ごろからでしょうか、
はるのん2号と一緒に、せっせと図書館に通うようになりました。
僕は、小さい頃から本が好きで、暇があったら本ばかり読んでたんですけど、
葉流乃音を始めてからは、暇はあるけどお金がないし、
近くにぶらっと立ち寄る本屋もないので、
ちょっと読書からは遠ざかり気味になってたんですね。
でも、常連さんが「最近は図書館ばかり」と話されているのを聞いて、
「そうだ、行ってみよう!」ということになりました。
最近は2週間に一度の図書館通いをとても楽しみにしています。
2号は、いろいろな趣味系統の本を選んでいるようですが、
僕が借りるのは“児童文学”の本ばかり。
昔から「物語」が好きなんです。
児童文学といえば、「ハリー・ポッター」なんかが有名ですが、
児童文学には、売れてなくても、有名じゃなくても、
心に染み込んでくるような作品が、たくさんたくさんあるんですよ。
ただ読み飛ばしているのももったいないので、
出会った素敵な作品を、不定期で紹介していきたいと思います。
でも、僕はストーリーの紹介をするのがとても苦手。
感動した作品ほど、そのすべての描写が愛おしく、
要約なんてとてもできなくなってしまうからです。
そういうわけで、“印象”しか書いていない、
いい加減な本の紹介になりそうですが、
よろしかったらお付き合いください!
さてさて、記念すべき第1回の作品です。
『兵士ピースフル』 マイケル・モーパーゴ 評論社 2007年発行
モーパーゴは、1943年生まれのイギリスの作家で、
現代イギリスを代表する児童文学の作家です。
この作品がちょうど100冊目にあたるそうです(多作ですね)
舞台は第一次世界大戦のヨーロッパ。
ベルギーに侵攻したドイツ軍に対抗するため、
ほんのはずみで兄と共に戦場に行くことに決めた16歳のイギリス人の少年が主人公。
物語は、主人公の少年を通じて語られるのですが、その描写のなんとリアルなこと。
人間の残酷さと温かさ、強さと弱さ、
自分ではどうしようもないことを引き受けながら生きてゆくことの絶望、
そして、あるのかないのかわからないほどの希望。
描写はどこまでもリアルなのに、作者のまなざしはどこまでも優しい。
心に迫る描写に、読み終わった後、しばらく言葉が出てきませんでした。
16歳という年齢で、これほどの命の重みを背負いながら、
この少年はこれからどんなふうに生きてゆくのだろう・・・
読み終えてからそんなことばかり考えています。
20世紀初頭、イギリスの農村で、貧しくとも健やかに生きる人々の姿や、
戦争に振り回され、命の重さと軽さに直面する人々の様子、
(第一次世界大戦でも、毒ガス兵器が使われてたんですよ)
それを知るだけでも一読する価値があります。
さらに、愛とは何か、生きるとは何か、
自分は自分の命と向き合えているのだろうかなんていう事まで考えさせてくれる!
いやぁ、児童文学って、ホントにいいですねぇ!
それじゃあ、またお会いしましょう。
サヨナラサヨナラサヨナラ。
はるのん1号