一般に言う黒電話とはちょっと違うと思うかも知れません。これは3号自動式卓上電話機といい、昭和8年にこれまで別々だった送話器と受話器を連結し筐体に合成樹脂の一種であった、ベークライトを使用した初めての電話機です。日本でその後に製造された電話機の標準形として30年にわたって活躍しました。戦後の電話復旧に電話機の生産が間に合わず、メーカーの私設交換機用の在庫から3号機相当の性能があるものを代用3号電話機として加入者に提供していたそうです。そんな私が興味をもったきっかけは、80年代にCMで流れていたサントリーの角瓶のコマーシャルで井上陽水がうるさいからと冷蔵庫に入れておいた電話機を氷を取るついでに出した時の映像を見たときでした。バックの曲は「いっそセレナーデ」が流れていました。今、映像を見てみると代用3号機の様にも見えます。
その後、この電話機を世田谷「ボロ市」で手に入れました。